現代人の多くは、中身を理解せず反射だけで行為を作り出している

2022年12月15日

 先日、なんばグランド花月にいったのですが、気になったことがあります。

 有名な芸人さんが舞台に上がってネタをしたとき、反射的に笑う人、いらっしゃいますよね。

 この芸人がこの流れでこのアクション(ツッコミのしぐさとか)をしたら、笑うというのが意識に組み込まれているようです。あまり面白くないネタだなと感じても、お決まりのパターンが繰り広げられると笑いが起きます(特に超ベテラン勢の漫才など)。

 芸人さん的には間違いなくこちらのほうがやりやすいですし、観客としても笑えるほうが楽しいのですが、少し不健全に思っています。

 つまり、中身を理解せず反射だけで行為を作り出しているからです。

 これって、面白いから笑うんじゃなくて、笑っているから面白い状態になっていると思うのですね。

 同様のことは映画や漫画のオマージュシーンにも言えます。例えばジョジョの奇妙な冒険のオマージュシーンとか、見たら自動的に笑う人がいます。反応速度が飛び抜けて早い人なのかもしれませんが、多くは意味を考えて理解する前に、反射的に笑っているんですね。

 たぶん、ジョジョの奇妙な冒険のオマージュが、ネットミームとしてTwitterなどで面白いシーンで使われていることから、「この台詞がでてきたら笑う」というアルゴリズムが脳内に構築されちゃったのだと感じます。

 実はこれ、他にも同じ事例があって、Mr.childrenの曲をきいて反射的に感動する人とかも同じ原理だと感じます。こういうメロディで桜井和寿さんの声がしたら感動するという、アルゴリズムが脳内にできてしまっているのでしょう。

なぜ、中身を理解せず反射だけで行為を作り出してしまうのか

 私自身は、創作物を読んだり見たりするときは、なるべく反射的に行為を行わないようにと心がけています。

 しかしよく考えたら普段から、反射的に作り笑顔と愛想笑いしてるなーと気づきました。

 なぜ、中身を理解せず反射だけで行為を作り出してしまうのか……それを考えてみると、「頭で処理すべきことが他にもたくさんありすぎるから」だと感じます。仕事中の雑談に頭なんて使ってられないので、とりあえず反射的に笑っとこうってことですね。

 おそらく現代人は考えるべきことに追われすぎて、娯楽の時間まで頭を使って反応できなくなっているんじゃないでしょうか。だから音楽、映画や漫画、漫才を見るときには反射的に行為を作り出してしまう。私はこれ、納得ができます。現代人はあまりにも時間がなく、頭で考える行為が困難になっている。

タワマン文学も反射狙いの小説に感じる

 「現代人はあまりにも時間がなく、頭で考える行為が困難になっている」とすると、小説ってめちゃくちゃ不利な媒体だと感じます。文字を読んで情景を頭に思い描こうとすると、どうしても頭を使わなくちゃいけないですし、さらに小難しい話がでてきたら、さらに頭を使わなくちゃいけないです。

 では、どうすればいいか?

 私はタワマン文学って、この現代人の反射をうまく利用した創作物だと感じます。

 高級タワーマンションに住む人々の生活の悲哀を描き、SNSで大きな話題を呼んだ「タワマン文学」。 誰しもが羨むような学歴や職業、生活を手にしていながらも、自分の人生にどこか虚無を抱えている人々を描いた「タワマン小説」。

 例えば「早稲田卒の教師が卒業式の日に語った自分自身の「あまりに惨めな人生の話」とは?【麻布競馬場 新刊試し読み】」を読んでみてください。タワマン文学って、早稲田、ビートルズ、愛読書スピリッツやマーガレット、「わっしょい」や「だるま」、グラニフやビームスのTシャツと反射的にイメージの沸く言葉がふんだんに使われているんですね。

 まさに頭を使わなくても風景が浮かんできますし、反射的にあーあれねとなる、すごい発想です。ショートストーリー集『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』は、このように反射的に理解できるストーリーが多数収録されています。興味があればぜひ読んでみてください。

 具体的な商標を使う効果を感じられます。頭で処理すべきことが他にもたくさんありすぎる」現代人向けの文学です。

 漠然とした表現で遠回しに伝えようとする現代小説や、ファンタジー小説ではなかなかこの脊髄反射を作り出すことは難しいです。

オリジナル小説作家が心がけるべきこと

 ここまでの話を踏まえて、オリジナル小説作家が心がけるべきことは、少なくとも1つ。

 読者の反射的な行為を利用するということです。

 少なくとも「頭で処理すべきことが他にもたくさんありすぎる」現代人が、限りある余暇の時間を使って、自分の小説を読んでくれていると理解することが必要です。長過ぎる、難しすぎる、表現がまどろっこしい……というのは現代においては割と不利だと感じます。

 そして漫画や小説のオマージュはどんどんやっていくのが良いと感じます。この台詞がでてきたら反射的に楽しい!と感じるワードってありますから。例えばそれってあなたの感情ですよねとか。どんどん使うと読みやすくなると感じます。 もちろん、あまりにオマージュに走ると、10年後や20年後に読み返してみたときに意味不明だったり、脈絡のなさに恥ずかしくなったり、流行したネタが古びていくとともに古臭さが漂ってくるでしょう。それでも、今わかってもらえないよりマシという話もあります。

 反射的な行為を利用して即興で受けるスキル。この引き出しをもっておくと、作家としてレベルアップできるのではないかと感じます。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
このホームページは創作者支援サイトです。
創作者の方向けの記事を発信しています。



下記ボタンを押して頂けたら
モチベーションが高まります。
応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ腰ボロSEのライトノベル奮闘記 - にほんブログ村
ライトノベルランキング
文章を書いて食べていく
夢を叶えるための鉄板セットがこちら
プロからライティングを学び

クラウドワークスで仕事を探そう