「ヒロインが『なぜ』主人公を好きか」を書く必要はある?
最近の男子向けラブコメは、「ヒロインが主人公のどこを好きなったか」という描写があまり少ない・・・そう思いませんか?単純に考えれば、主人公の良い所をあげたり、誉め言葉モリモリのシーンが多くても、主人公にとってはプラスになりそうなものです。
「なぜ好き」という描写の必要性はあるのか?この点についての世の中の反応を元に検証してみました。これから男子向けラブコメを書こうとするあなたの参考になれば幸いです。
「命助けられた」でだいたいいける
「なぜ好き」の描写が少なくない?という投げかけに対する世の中の反応を見ていきましょう。
・イケメンに優しくされたら誰だって惚れる
・「命助けられた」でだいたいいけるから
・ヒロインが主人公を好きになる理由はいらない。ヒロインがいう「好きな理由」が自分と 乖離していると、冷めてしまう。
・内容次第では感情移入ができなくなる気がする。
・自分の価値観とヒロインの価値観がにズレを感じて「そこが魅力的?」って思うと興ざめしてしまう。
このように「描写は少なめでよい」という意見がかなり多いようです。男性はヒロインと自分の価値観のズレを感じると興ざめするといったように、意外と繊細なものです。よくあるドラマでも、落とし物を拾ったことがきっかけで恋が始まるように、ヒロインが恋をする描写は意外とあっさりしています。「命を助けられたらでだいたいいける」というくらいあっさりでOKかもしれません。
結局、男子は単純なもの?!
一方でこんな意見も・・・
・個人的には「なぜ」が欲しい。ヒロインのキャラ造形に繋がり、感情移入しやすくなる。
・無条件で好きになられるとしても、多少でも理由があると嬉しい。
数は少ないですが、キャラに感情移入しやすいという理由から「なぜ」という描写が欲しいという意見もありました。ただ、「なぜ」が欲しいというものの、中身を紐解いていくと、具体的には「なぜ」というより、やはりその理由となる行動が「どこ」かという点を重視する声が多いようです。
・優しいから、強いからと言われても印象に残らないけど、「ハンカチを拾ってくれたから」みたいに行動を褒められると、くだらないことでも感動する。
例えば、「告白されてから妙に意識するようになってしまった」という話も女子にはあまりないのかもしれませんが、男子の中には「あり得る!」という人も多いのではないでしょうか。男性の方が女性に比べロマンチストなのか?それともただただ単純なのか…あまり複雑な「なぜ」という理由まではラブコメにおいては必要がないのかもしれません。
描くなら理由より「行動」を
そもそも「男性の魅力とは何か?」と考えてみても、「強さ」「守ってくれる」など、男性の外側の部分に焦点が当てられるというのが男女とものよくある共通認識です。
また前述したように男性は繊細なので、「なぜ」というところをヒロインに指摘されてしまうと「なぜを満たした行動をしなければ」と気負ってしまうという声も。その点においても、「どこ」なら、過去の一瞬の出来事だから、その圧力がなく主人公も自然な状態でいられるというもの。恋した理由を描くなら「行動」の方がベストと言えそうです。
まとめ
男子向けラブコメに「ヒロインは『なぜ』主人公が好きか」の描写はあまり必要がなさそうです。男子は女子に比べ単純で繊細でロマンチストなのかもしれません。むしろ「なぜ」より「どこ」という行動に焦点をあてると良いでしょう。「強い」「守ってくれた」「助けてくれた」という一見単純な部分をクローズアップする程度にあっさりさせておくのがベストです。男子向けラブコメ執筆の際はぜひ参考になさってください。
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