『一人称小説』が難しいのはなぜ?いいとこどりの「対処法」も紹介

 小説を書く上で気になる「人称視点」。人称の中でも「一人称視点」は難しいという話を聞いたことはありませんか?なぜ「一人称」は難しいといわれるのか?中には一人称視点で書き始めてしまって途中で後悔した・・という作家さんもいます。この記事では一人称小説の難しさや対処法について解説していきます。

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なぜ一人称視点は難しいのか

 「一人称視点」が難しいと言われる理由。それは「表現の範囲が狭まり、書きにくいから」です。

 というのも、一人称視点は、Aという人物の「目や心のフィルター」を通した表現(セリフや地の文)のみで構成するという縛りがあります。

《例》
 私は心の中で「ゴメン」と謝りながら、「そこで待ってて」と息子に告げた。

 「目線」を人物AからBに変更する「視点の移動」は可能ですが、これをすると誰の描写かという点が不明確になり、読者が混乱します。となるとそうそう「誰」を変更するわけにもいかず、結局人物Aのいる場面を描写するしかなくなり、表現が狭まってしまうのです。

「読みやすい」が、「書きやすく」はない。

 一方「作家の書きやすさ」ではなく「読者の楽しみやすさ」という点で考えてみると、一人称視点は、主人公が冒険する物語などの場合に「心理描写が多めで感情移入しやすく楽しみやすい」というメリットはあります。

 ただし、ここでも表現の幅を広げようと「視点の移動」をすると、読者が感情を移入する先が定まらず没入感が減るというデメリットが生まれるので、やはり表現力がまだまだという初心者の方には、難しい視点といってもよいのではないでしょうか。

いいとこどりの「三人称単元視点」がおすすめ

 一人称視点が難しいと悩む方におすすめしたいのが「三人称単元視点」です。

 三人称視点は「神の視点」と呼ばれ、人物の外に目線があるので基本的には目に見えない感情は言葉にできません。

 でも「三人称単元視点」であれば、神の視点でありながらキャラクターの背後にカメラを設置したように描写することが可能です。簡単にいうと、一人称単語である「私は」「僕は」の部分を、キャラクターの名前や彼・彼女などの三人称単語に変更して表現します。

《例》
一人称:私は心の中で「ごめんね」とつぶやき、「そこで待ってて」と息子に告げた。

三人称単元視点:彼女は心の中で「ごめんね」とつぶやき、「そこで待ってて」と息子に告げた。

 また、人称単語そのものを用いずに感情を描写することも可能。説明的ではなくより自然な形です。

《例》
ーーーごめん。
彼女は「そこで待ってて」と息子に告げた。

 このように、「三人称視点=神視点」で客観的に情景描写をしながら、心理描写も加えることができるので、おのずと一人称視点より表現の幅がぐんと広がり書きやすくなりおすすめです。

まとめ

 一人称小説は、感情移入しやすいというメリットがある半面、視点の種類が限られるため表現の幅が狭まりやすく、特に初心者にはハードルが高い書き方といえます。

 おすすめは客観性と主観性のいいとこどりの「三人称単元視点」。いくつものキャラクターの心理描写もでき、感情移入しやすい小説をめざせます!一人称視点で悩む方は、ぜひ参考にしてみてください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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