パロディ、オマージュ、パクリの定義と特徴

2020年12月19日

 「現在では電撃大賞の応募要項にパロディはNG、なろう系でもパロディは入れません」とのツイートに、確かに最近見ないなと感じて、このエントリーを書きました。

 パロディ、オマージュ、パクリの定義の度整理から、始めてみます。

 

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パロディとは

 パロディ(英語: parody、ギリシア語: παρωδια)は、他者によって創作された文学や音楽、美術、演説などを「模倣」し、「意図的に滑稽さや皮肉を付け加えて」作り替えられた作品、及び作り替える行為を指す用語です。

 また、パロディのルールとして「パロディの元となった作品を、明らかにしながら行うこと」「パロディシーンがパロディだとわかること」が必要でしょう。例えば、昔の漫画のパロディシーンを読むと、台詞や展開に唐突感があるんですよね。急にジョジョ風の絵柄になったり。

 私は、台詞や展開に唐突感があるのはパロディの特徴だと考えています。このシーンには元ネタがあるな?と思わせるのが、正しいパロディの使い方ではないでしょうか。

 

 昨今、パロディがNGと言われていますが、原因は「出典を明らかにしないこと」だと思います。それはパロディではなく、この先説明するパクリや盗作に近いですから。

 また、パロディの定義にある「意図的に滑稽さや皮肉を付け加えて」の部分も、印象の悪い原因でしょう。小説投稿サイトという、ユーザ同志の交流が可能な環境で、「意図的に滑稽さや皮肉を付け加えて」つまり悪くいえば、元ネタを馬鹿にして行うような表現が規制されるのは、当たり前と思います。

 

 とはいえ。何故、昔はパロディが許されていたのか、を考えることも必要だと思います。パロディが「滑稽さや皮肉」を含むものだとした場合、その対象は何だったのでしょうか?

 それは、表立って批判しにくい組織や人(独裁者など)だったのでしょう。だとすると、現代でもパロディが必要な場面はあるはずです。パロディを全面的に禁止しては、不健全な社会だと思います。

 

オマージュ及びインスパイア

 オマージュ(英語: hommage)は、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語です。「リスペクト」(尊敬、敬意)と同じ文脈で用いられます。

 作品が、尊敬する作家の作品に似ている必要はありません。作品制作の着想になったという意味では、インスパイアと同義と言えます。

 言い換えれば、胸を張って、これはあの作品のオマージュです、あの作品からインスパイアを受けましたと言えるものです。

パロディとの大きな違い

 パロディとの大きな違いは、元ネタを知らなくても理解できるし、楽しめることです。

 貴方が例えばエヴァンゲリオンをオマージュして小説を書くなら、読者はエヴァンゲリオンを知らなくても、作品を楽しめなくてはいけません。

 重要なのは、台詞や展開に唐突感がないことです。

 例えば、普段リーダー気質で決断力のあるキャラクターを描くとしましょう。このキャラクターが強敵と出会ったとき、「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」と言葉を反芻したら、違和感があります。

 エヴァンゲリオンを意識しているなってモロバレですし、せめて、一回言うだけだろーと思っちゃいます。ここまで似せてしまうと、オマージュじゃなくてパロディです。台詞や展開に唐突感があるからです。

 

パクリ

 パクリは、盗むの隠語「パクる」を名詞形にした用語です。

 世間のイメージは、他人のアイデアや表現を盗み取ること、でしょうか。

 いわゆる盗作(他人の作品を自分の作品として発表すること 【著作権泥棒】小説家になろうの小説を、許可なくキンドルで出版されてしまう案件が発生)、と同じように批判されることが少なくありません。

 パクリと盗作において共通して、まったく許容できないと断言できるのは、表現を盗み取ることです。もちろんどこまでが表現か?という大きな問題があります。

 ですがひとつ、覚えておくべきことは、アイデアについては著作権がないことです。これは小説家になろうのヘルプにも書かれています。

アイディアが盗まれました! 対処してください。
 著作権法で保護されるものは“アイディア”ではなく“表現”とされています(2010年1月現在)。
 よって、アイディアが他者と同じ場合であっても表現が違う場合は盗作となりません。

https://syosetu.com/help/list/categoriid/e79b97e4bd9ce381abe381a4e38184e381a6/

 

 ただ、表現の盗作を考える際には、どこまで一緒なら盗作になるのかを考えることも大事です。一字一句違う表現にしろといわれたら、誰も新しいものを作れません。

 実態は、元ネタへの「リスペクト」を大事にしながら、つまりオマージュとして、何かをつくっていくしかないでしょう。

 

まとめ

 パロディ、オマージュ、パクリの定義を整理しました。

 あくまでこれは一つの見解であることをご了承ください。言葉の定義というのは、時代によって変わるものです。それによって、良さが失われることもあれば、悪い部分がなくなって嬉しい場合もあります。

 改めて重要だと思うのは、パクリやパロディの何が本質的に悪いか?を知ることです。表現を盗み取ることが悪いのはわかるけれど、一字一句違う表現にしろといわれたら、誰も新しいものを作れません。そんなことを言い出すのは、創作しない人の論理です。

 例えばパロディは、ゼロから創るという才能のない「凡人の表現」ということもできます。他人の創造力を活用することで、凡人でも天才の表現に近づくことができる、有益な手段なのです。
 創作で一番難しいのは、笑いを提供することと言われます。
 パロディを使えば、台詞や展開に唐突感があることで、面白み、笑いを提供することもできます。実はパロディを禁じられて、一番困るのは、才能のない、才能を失った、才能の枯れた人たちかもしれません。

 

 表現の規制によって、何も新しく創り出せない日が来ないことを望みます。今後もパロディ、オマージュ、パクリの定義や善悪は、考えていきたいと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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