正直、書籍化のコツは知りたいけど、本は読みたくない全ての人へ

2020年9月10日

 とびらのさんが書かれていた「ポイント取れますか書籍化できますかと聞いてくる人の8割以上が、マジ人のを読んでない。言っても読まない」について触れてみたいと思います。

どうすればポイント取れますか書籍化できますかと聞いてくる人の8割以上が、マジ人のを読んでない。言っても読まない。わたしが読んで何を得たのかだけ聞き出そうとしてくる。

自分が他人よりも何が足りず何が過ぎてて、何を書きたいのかも人それぞれなんだから、自分で読まなきゃ意味ないぞ。

 なぜこれを話題にするかというと、私もかつて読まない側の人間だったからです。特にライトノベルは、本当に話題になったものしか読んできませんでした。

 では、なぜ私も含めたこの人たちは本を読まないのか……その特徴を書くことで心理をおってみます。※私と同じたぐいの人へのメッセージも込めてね。

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コツを知りたがるけど、人の作品を読まない人の特徴

 どうすればポイント取れますか書籍化できますかと聞く人が、私と同じたぐいの人間だとするならば、下記の特徴があると想像します。

①読む時間をもったいないと感じる

→裏を返せば、いま、この瞬間がたった一度しかない人生であることに気づき、1秒1秒の大切さを知っていると言い換えてもいいです。

 ですがその悪影響として、「生産性第一」主義者に陥っている可能性があります。小説を読むというのは、時間のかかる趣味です。ライトノベル1冊2時間で読むとして、1冊で終わる作品なら2時間。「この素晴らしい世界に祝福を」シリーズであれば17巻で34時間かかります。

 「34時間なんて大した時間じゃないじゃん、むしろ34時間も楽しめるなんていいじゃん」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

 ですが人の作品を読まない人の心理では、「34時間もあったらビジネス本やハウツー本を4冊も5冊も読めて、もっと学べるよ、もったいない」と考えます。つまり時間あたりの成果(生産性とでも呼びましょうか)を大切にするあまり、人の作品をじっくり楽しむことができないのです。

②要領がいい

→おそらく人の作品を読まない人は、幼少期から比較的要領が良かったはずです。なんなら神童とよばれた人もいるかも知れません。小学校中学校で、平均点20点のテストで100点をとるとか、そういったエピソードももっていると思われます。ですが高校、大学は大した学校にいけてないのではないでしょうか?
 とはいえ学歴なんてなくてもこのタイプの人は、社会でもうまくやっていきます。

 冒頭でとびらのさんが、「自分が他人よりも何が足りず何が過ぎてて、何を書きたいのかも人それぞれなんだから、自分で読まなきゃ意味ないぞ。」と書いてくれていましたが、実はこの要領のいい人は、他人が何を得たのかさえ聞けば、自分で実践できます

 要領がいい人たちは、相手の気づきの意図を理解し、自分に取り入れられそうなテクニックなら取り入れる、自分の方向性と反発しそうなら捨てていくといった判断をしているはずです。なのでコツさえ教えてもらえれば、上手くやってこれた。

 ですがこれは諸刃の剣でもあります。

③瞬間的な理解力があるかわり、教わったことの記憶力に乏しい

→要領がいい人って、実は一度教えられてできたことをすぐ忘れます。なぜなら、自分の言葉に置き換えて理解したわけではないからです。

 相手の言いたいことを、その瞬間にほぼ理解する能力があり、言われたとおり行う正確さもあり、最初からある程度の結果を出すものの、あくまでそれは他人の言葉を鵜呑みにしているに過ぎず、自分が苦労して会得したわけじゃないので、いつの間にか抜け落ちるのですね。

 一方、自分の力で身につけた内容については、忘れにくいと感じます。

 例えば私も、仕事で2年前にこういう会話がされていたよね、という話を持ち出したりします。自分ごととして体験した内容は記憶へ強烈に焼き付く一方、他人からいただいたアドバイスはソッコー忘れるという、とんでもないやつらです。
(ソッコー吸収するので、教えた側からすると良い生徒に見えると思います。けれどしばらくすると、だいたい忘れてます)

実はね……

 ここまで「どうすればポイント取れますか書籍化できますかと聞く人」の特徴はこうだ、という話をさせていただきました。

 時間が大事で、要領がよく、理解力もある……それゆえに本を読まなくてもエッセンスだけで何とかできる自信があるんですね。

 しかし同じタイプの私の経験から言いたいことがあります。

 それは、結局のところ「ポイントを取ったり書籍化したいなら、ポイントを取ってる作品や書籍化している作品を、自分で読んだほうが早い」ということです。

 人の作品を読まない人の心理でも書きましたが、このタイプの人は要領がいいけど記憶力に乏しい(記憶力もある人がいたらごめんなさいね)です。

 そして私の場合でいうと、記憶力が乏しい原因は、他人の言葉を自分の言葉で理解していないためです。その時々で、自分の役に立つこと(生産性を高められそうなもの)を取り入れて、あとは切り捨てるという行為をしているだけなので、全体をくまなく理解できているわけではないんですね。

 これじゃいつまで経っても小手先の技術を身につけては忘れていくだけで、前に進めません。

 第一、人が他人に何かを伝えるって難しいわけです。書籍化作家であっても自分のノウハウを100%言葉で伝えられるかはわかりません(まして気が進まない相手へのアドバイスなんか、そもそもノウハウを全部教えるわけがないですよね)。

 ということは、「どうすればポイント取れますか書籍化できますか」と聞いても、本質を教わることはできないわけです。だとすると、コツを聞いて回るのは、近道しているつもりが実は遠回り。効率が悪いんじゃないでしょうか。

 それよりは要領のいい人に備わっているであろう洞察力を活用して、ポイントを取ってる作品や、書籍化した作品を読んだほうが、よほど早くコツを習得できます。

 もちろん本をどういう視点で読むべきかという勉強――つまり本の良し悪しを判断する要素を学ぶことは必要です(私はこのブログを書く中でそれを学んでいます。その学びを、100%お伝えしようとしているのが、このブログです)。

いつのまにか遠くにいる

 「どうすればポイント取れますか書籍化できますかと聞く人」が、本を読まずにポイントを取ったり書籍化する方法を探し求めている間に、最近の私も含めた本を読む人たちは、本を一冊でも読んで、小説家になろうの作品を一作品でも読んで、着々と学びを重ねています。

 私もそうですが、要領のいい人は瞬発力に優れ、場当たり的な成功経験がたくさんあります。ですが長い目で見るとコツコツやってきた人に勝てなかった経験があるのではないでしょうか?
 私もそうです。ボーリングにハマっていた時、最初からある程度上手にやったのですが、練習を重ねるうちにコツコツ積み重ねる人に負けました。

 いつのまにか遠くにいるんですよ、コツコツやってる彼らは。

 私たち要領のいい組は、一位を独走している間はいいけれど、一度二位に落ちるとそこから這い上がれない……私はずっとそうでした。

 社会人になって思うのは、結局のところコツコツ積み重ねるのが最強だということです。生産性を求めるとダメです。
 一見、時間がもったいないよってくらい考えたり、あらゆるパターンを検証したりして、物事の全てを理解しながらすすめる……このノウハウが結局の所、成功の元なのだと感じています。

 つまり、読まない人が生産性を求めているうちに、読む人は前に行く
 ズルしてもいいことないんですよね、実際。私も含め、身に覚えのある皆さま、コツコツ頑張りましょう〜。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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