ラノベと小説の違いを解説 | ポイントは「解釈の余地」と「想像の余地」

2020年8月30日

 あなたはラノベと小説の違いを答えられますか?

 本エントリーは上記の問いに答えるとともに、「ライトノベルって何?」「ライトノベルの歴史って?」「ラノベと小説の違いは?」「ライトノベルの定義を知ることが創作に役立つの?」といった疑問を解決します。

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ライトノベルって何?

 ライトノベルは下記のように定義されています。

小説の分類の一つ。SFやホラー、ミステリー、ファンタジー、恋愛などの要素を、軽い文体でわかりやすく書いた若者向けの娯楽小説をいうが、明確な定義はない。英語のlight(軽い)とnovel(小説)を組み合わせた和製英語であるが、「軽い」という訳については異論もある。略してラノベともいう。

コトバンク

 小説の分類の一つですが、明確な基準は確立されていません。

 定義が曖昧で千差万別。ライトノベルレーベルが出版したらライトノベルという人もいれば、10代向けの小説をライトノベルという人も言えば、イラストがついていたらライトノベルだという人もいます。

 ハードカバーの装丁ではなく、ソフトカバーで文庫や新書と同様の版型で出版されるのが一般的です。安いものでは600円程度から購入できます。昔は値段が安いので若者でも購入できる、それがライトノベルだという人もいました。ですが最近のなろう初の書籍だと1000円を超えてくるので、少しリッチな趣味となってきています。読者層の中心は若い世代ですが、ライトノベルとともに育った世代が読み続けていることから、10代~30代まで幅広く人気となっています。

 テレビゲームや映画、アニメや漫画などの作品を原作にしたノベライズ作品もあります。「君の名は。」や「天気の子」の小説は、ファンが映画の延長線上に購入するグッズのようなイメージでした。

 ライトノベル出身の作者が一般の文学賞を受賞するケースもあり、一般小説との文章力の差はあまりないと考えられます。

 次のセクションでは、この「ライトノベル」という言葉がいつ頃から使われ始めたかを書いていきます。
※本エントリーにおいては、先ほど紹介した定義の通り「ライトノベル」と「ラノベ」は同じものを指します。

ライトノベルの歴史

 「ライトノベル」という言葉自体が生まれたのは1990年代の初めでした。

 富士見ファンタジア文庫の二大巨頭、スレイヤーズやオーフェンが盛り上がってきた頃とでもいいましょうか。

 ライトノベルの類義語としてあげられる言葉として、ジュブナイル小説とかヤングアダルト小説というジャンルがありました。これらはライトノベルが生まれる前、10代〜20代向けの小説として発売されていたものです。

 ですが、なぜライトノベルという新しい言葉が必要だったのでしょうか?

 もちろん理由はひとつではないです。複数の歴史観があって、摺り合わせが行われる必要があるとも理解しています。そのうえで私は、ライトノベルが生まれた背景に、アニメと漫画との切っても切れない関係があると思います。

ジャンプ黄金期とアニメ化時代

 俗にいうジャンプ黄金期が、『北斗の拳』の連載開始(1983年9月)くらいから『スラムダンク』の連載終了(1996年6月)までのおよそ13年間(『ドラゴンボール』の連載時期とほぼ同じ)とされています。

 まさにこの大ブームの中で育った子どもたちにとって、活字を読むのは、ハードルがあったと思います。『物語というのはキャラクターも世界観も絵で示されていて、絵と絵の間を想像して楽しむもの』という、意識が芽生えてもおかしくありません。

 また、ジャンプ漫画は、今もそうですが、当時も次々と映像化されていきました。

映像化に拍車をかけたアニメ製作委員会方式の普及

 それに拍車をかけたのが、アニメ製作委員会方式の普及です。

 1980年代から90年代にかけて、アニメは製作委員会方式が普及していきました(有名なのは1995年のエヴァンゲリオンでしょうね)。

製作委員会方式(せいさくいいんかいほうしき)とは、アニメ・映画・テレビ番組などの映像作品や、演劇・ミュージカルなどの舞台作品を作るための資金調達の際に、単独出資ではなく、複数の企業に出資してもらう方式のこと。 複数企業に出資してもらった場合の出資企業の集合体を「製作委員会」と呼ぶ。

製作委員会方式 – Wikipedia

 つまり、複数の企業でお金を出しあってリスクを分散することで、面白いものつくろうよというブームです。
 これによって、大衆に受けるかどうかがわからない、少し大人向けのマニアックな、尖った作品でもアニメ化することが可能になりました。この時期に育った人たちは、アニメによって絵も動く世界を楽しむことができたわけです。

 このような時代に育ったら、ますます活字を読む気力がなくなってきます。

 1983年から1996年のジャンプ黄金期、1995年のエヴァンゲリオン成功を皮切りとした製作委員会方式によるアニメ投資熱上昇。

 それに伴う、「スレイヤーズ」「セイバーマリオネットJ」「魔術士オーフェン」などのアニメ化成功(この時期、アニメイトが半端なく混んでいたイメージがあります)。

 これにより、日本のエンターテイメントビジネスは、最終目的地をアニメに定めたのだと思います。

 そして従来の小説とは違う、アニメ化と親和性の高いライトノベルが普及していったと考えます。
※スレイヤーズの連載は1989年末からなので、富士見書房は危機感を80年代後半から持ち、種まきを続けていたのだと思います。
※その後、試行錯誤中、90年代後半にいったんライトノベルのアニメ化熱は鎮火しましたが、2003年涼宮ハルヒの憂鬱で復活後、ライトノベル原作のアニメ化が続いています。

小説とラノベ(ライトノベル)の違いは?

 小説とラノベ(ライトノベル)の違いは何でしょうか。まず小説とライトノベルは、読者の年齢層が違います。ライトノベルの対象年齢は10代の少年少女と言われます。 小説とは異なり、挿絵を多用することでキャラクターや世界観のイメージを明確に伝えます。 ジャンルとしては異世界系、ファンタジー、恋愛などがメインです。漫画に近いですね。

 しかし読者の年齢層が異なるのは結果に過ぎません。
『アニメ化しやすいこと』。これがライトノベルの第一条件です。

 ライトノベルの対象年齢はいまや10代にとどまりません。10代の少年少女が読むものだという思い込みは捨ててください。時代は進んでいます。アニメ化しやすいライトノベルは、アニメとともに市民権を拡大しています。

 もちろんライトノベルのなかった頃の小説がアニメ化していないのか?というと、そんな事はありません。ジュブナイル小説からは『時をかける少女』が映画化していますし、知る人ぞ知るファンタジー小説『ドラゴンランス』もOVA化、ライトノベルという単語がない時代のライトノベルといわれる『魔界都市〈新宿〉』もOVA化されました。

 このようにアニメと親和性の高い小説がアニメ化することは、もちろんあります。

 では『アニメ化しやすいこと』の要素はというと。

 私は『想像の余地』が少なく、『解釈の余地』が多いことだと考えます。

想像の余地』とは、その作品を見た人がどういった光景を思い浮かべるかという意味です。例えばアニメであれば見た人が全員同じ光景を思い浮かべ、あそこで主人公が助けにくるシーンが熱かったよね!とみんなでイメージを共感しあえる度合いです。
 ・多い:作品を見た人が別々の光景を思い浮かべている状態(キャラクターの造形や動きなど)
 ・少ない:作品を見た人が同じ光景を共感しあえる状態

『解釈の余地』とは、作品に隙間がどれほどあるかです。二次創作する余地がどれくらいあるかと言い替えても良いです。この『解釈の余地』が高い作品とは、ずばり言うとキャラクターが立っている作品です。例えばアイドルマスターシンデレラガールズは、キャラクターのプロフィールから、キャラクターを捉え、二次創作ができます。
 ・多い:キャラクターが立っており、世界観や舞台も特徴的で頭に思い描けている状態
 ・少ない:キャラクターと舞台は、その物語のためだけにある状態

 ライトノベルは一般の小説と比べると、イラストレーターさんのイラストによりキャラクターの造形が明確ですね。また、ライトノベルは一般の小説よりもキャラクターが立っていて、二次創作を感化しますね。

 また、ライトノベルの前身とされるジュブナイルやヤングアダルト小説は、若い世代をターゲットにしているため、一般小説よりも優しい言葉で書いていますが、挿絵などもなく想像の余地は多分にありました。ですのでライトノベルと比べると、一般小説に近い存在と考えます。

 他のジャンルも含めてまとめると、解釈の余地と想像の余地の関係は、下記のようになると考えます。

 例えばライトノベルという言葉がなかった時代の作品から、SF小説で『銀河英雄伝説』、ファンタジー小説で『グイン・サーガ』、『閃光のハサウェイ』、『ロードス島戦記』などがアニメ化されています。これらもアニメに近い要素を持っていたと考えられます。

 『銀河英雄伝説』は漫画版でキャラクターの造形が確立されており、『想像の余地』が少なかったことが大きいと考えます。

 『グイン・サーガ』は虎頭の男という主人公のインパクトのある造形から、『想像の余地』が少なく『解釈の余地』が多い点でアニメ向きだったと考えます。

 『閃光のハサウェイ』はキャラクター造形がアニメ機動戦士ガンダムで確立されていて、『想像の余地』が少なかったことが大きいです。

 『ロードス島戦記』は挿絵でキャラクターの造形が明確にされていたこと、テーブルトークロールプレイングゲーム初でキャラクターの役割が明確になっていたことなどから、一般の小説よりも『想像の余地』が少なく『解釈の余地』が多い点がアニメ化にむいていたと考えます。

ライトノベルの定義を知ることが創作に役立つの?

 『想像の余地』が少なく、『解釈の余地』が多いことがライトノベルの定義らしきことはわかった。

 けれどそれが何かの役に立つんでしょうか?と思われる方もいらっしゃるかと思います。

 ライトノベルの定義を知ることは、創作活動にも活かせます。なぜならライトノベルレーベルも同じような評価軸をもっているはずだからです。最初に、ライトノベルレーベルから出版されることが、ライトノベルの条件だということも書きました。

 だとするとライトノベルが何かを知り、それにあわせた作品を書くことで、ライトノベルレーベルとのマッチングが成功しやすくなるわけです。※就職活動みたいですね。

 例えば『想像の余地』を少なくするために、難しい言葉をつかわない。みんなが思い描きやすい世界を舞台にする(学校や職場、中世ヨーロッパ風世界観)、みんなが想像しやすい展開をつかう(いわゆるテンプレ)、挿絵を入れる。

    『解釈の余地』を多くするために、キャラクターを立てる、一人称を各キャラクターで変える、喋り方を変える。

 こういった『想像の余地』を少なくし、『解釈の余地』を多くする取り組みは、きっと貴方の作品のライトノベル化を助けてくれるはずです。私自身、これを書きまとめてみて、そうだったのか!と思うところもあります。

 もちろん創作活動は自由ですから、独自の道を進むこともできます。
 ですが全くの独自作品でも、『想像の余地』を少なくし、『解釈の余地』を多くすることは、いまの読者にとって親切だと思います。これを意識することで、あなたの作品はより多くの人に理解され、違った良さが出てくるのではないでしょうか。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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