【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】かを真面目に考えてみた

2020年9月4日

 うっぴー/ライトノベル作法研究所さんの下記ツイートが議論を巻き起こしていました。

 【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】というパワーワードに、批判的な意見も多く見受けられたように思います。

【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけいない】
ラノベで最も重要なのは頭を空っぽにして楽しめる「おいしさ」。『無双、すげぇ、モテ、ざまぁ』
初心者の小説を読むと設定に凝っている人が多いです。
するとわかりにくくなり、序盤のおいしさが減って失敗します。
世界観はテンプレでOK。

 本エントリーでは【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】とはどういう意味なのかを今一度考え、本当に世界観でオリジナリティを出してはいけないのかを書いていきます。

【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】の本質

 まず私の立ち位置から説明します。私はライトノベルを書くにあたっては、【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】という言葉にいくばくか同意する立ち位置です。

 冒頭のツイートは、140字という制約と、バズを狙うために強い言葉を使っていることにより、本質から離れたところで議論を巻き起こしてしまったのだと考えます。

 では【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】の本質とは何か?

 それは下記のエントリーでもご紹介しましたが、【想像の余地】に関わっていると考えます。

ライトノベルとは何か、解説します【ポイントは想像と解釈の余地】

想像の余地とは

 私はライトノベルとは何か、解説します【ポイントは想像と解釈の余地】というエントリーで、想像の余地を下記のように定義しました。

想像の余地』とは、その作品を見た人がどういった光景を思い浮かべるかという意味です。例えばアニメであれば見た人が全員同じ光景を思い浮かべ、あそこで主人公が助けにくるシーンが熱かったよね!とみんなでイメージを共感しあえる度合いです。
 ・多い:作品を見た人が別々の光景を思い浮かべている状態(キャラクターの造形や動きなど)
 ・少ない:作品を見た人が同じ光景を共感しあえる状態

 私は、想像の余地が少ないことが、一般小説とライトノベルを分ける決定的な部分だと考えています。

 つまり、一般小説は言葉だけで読者に千差万別の風景を創造させる娯楽であり、ライトノベルは言葉だけでなく世界観や挿絵なども含めて読者に同じ風景を創造させる娯楽だということです。

 この特徴ゆえに、ライトノベルは一般小説よりも漫画やアニメに近いという扱いをされていると考えています。

 では、想像の余地を少なくするためにはどうすれば良いでしょうか?

 答えは冒頭のツイートにもあったとおり、【世界観でオリジナリティを出さない】ことで想像の余地を減らすことができます。

【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】の理由

 【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】の理由は、読者の想像の余地を減らし、同じ風景を想像してもらいやすくするためです。

 ラブコメで高校生活が舞台となることや、トラックに跳ねられて異世界に転生することや、理不尽に追放されること及び様々なテンプレに従って物語を書くことは、読者の想像の余地を減らす効果があります。
※また、イスラム国家では日本アニメに対する二次創作のジャンルとして、ムスリム化があるそうです。私たちにとって学園生活が共通認識であるように、イスラム国家ではムスリムが共通認識としてあるからです。これも想像の余地をなくして『作品を見た人が同じ光景を共感しあえる状態』を目指した一つの例です。

 また、世界観でオリジナリティを出すと、どうしてもオリジナルの言葉を説明する必要が出てきます。これが物語のテンポを悪くしてしまうことがあります。
 私が自分の小説の舞台を2000年後の地球としているのは、「いま私たちの使っている言葉をそのまま使ってもツッコまれにくいだろう」という狙いがあります。

 よっぴーさんがここまで考慮されていたかはわかりませんが、私が考える【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】の理由は以上となります。

では、世界観でオリジナリティを出してはいけないの?

 では、世界観でオリジナリティを出してはいけないの?というと、私はNOだと思います。

 想像の余地を少なくすることを考慮した上で、既存の世界観にアレンジを加えることは、オリジナル作品を書く上で必要だと考えます。

 また、世界観を作り上げることに特化すると、全くのオリジナルの世界観が、実態を伴って現出する場合があります。

妄想が学問・芸術の域に達した方々「創造主さん いらっしゃい! 俺だけの架空ワールド」 #タモリ倶楽部

 言語を作りたいという思いから始まり、それならば世界もつくろうとなって、地殻から世界を想像したという事例です。

 実は長く語り継がれるのは、こういう全くブームに乗らない独自路線を進む人だったりしますよね(指輪物語をつくりあげたJ・R・R・トールキンのように)。

まとめ

 【世界観でオリジナリティを出そうとしてはいけない】の本質を、私なりに読み解いてみました。冒頭のツイートは、強い言葉で誤解を生むツイートでしたが、学ぶ部分もあるのではないでしょうか。

 そしてテンプレで流行に乗るのも、世界観を作り込んで突出するのも、どちらもありだと思います。どちらにも未来はあります。結局所、自分の進む道は自分で決める、ということになるのだと感じました。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。
 ここは、創作ライフを、生きがいにするための支援サイトです。
 下記ボタンを押して頂けたら
 モチベーションが高まります。
 応援よろしくお願いします!

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
小説家ランキング