『閃光のハサウェイ』はなぜ賛否両論?新旧ファンの視点から読み解く
機動戦士ガンダム『閃光のハサウェイ』は、2021年に第1部が劇場公開され、多くのファンを魅了しました。圧倒的な映像美と重厚な人間ドラマ、高いテーマ性は話題を呼び、「大人のガンダム」として確かな評価を得ました。しかし一方で難解さや構成への賛否も根強く、観客の間で意見が分かれていました。
そしてついにその続編である第2部——『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が劇場公開され、ファン・評論家の間でも新たな議論が起きています。本稿では、第1部公開時の評価を踏まえつつ、第2部の情報とネット上の意見を織り交ぜながら、本作を読み解いていきます。
第1部が描いたもの — 視点とテーマ
圧倒的な映像美と大人のドラマ
第1部『閃光のハサウェイ』最大の強みは、近年のガンダムシリーズ屈指の映像表現です。サンライズが培った3DCG・背景美術・戦闘アニメーションが融合し、森の戦闘シーンやモビルスーツの質感はまるで実写のようなリアリティを見せました。視覚的インパクトの強さは、旧来のファンにとっての感動ポイントでした。
ハサウェイとギギ、そしてケネスの三角関係。単純な恋愛ではなく、それぞれが抱える正義や使命、過去のトラウマが複雑に絡み合う大人のドラマが展開されます。「子供向けロボットアニメ」という枠を完全に超えた作品として、30代以上のファンから高い評価を得ました。
また、マフティー(ハサウェイ)が行うテロリズムの是非という重いテーマも、現代社会と重ね合わせて考えさせられる内容です。正義とは何か?暴力で世界を変えることは許されるのか?——こうした問いを投げかける姿勢に、作品の深みを感じた視聴者も多いでしょう。
第2部「キルケーの魔女」公開情報まとめ
第1部から時を経て、2026年1月30日、待望の第2部『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が公開されました。公開決定は2025年6月にアナウンスされ、公式特報映像や場面写真も多数解禁されています。
この第2部は原作小説の第2巻部分をベースにしており、ハサウェイ・ノアのマフティーとしての戦い、エリートパイロットのレーン・エイム、そしてΞ(クスィー)ガンダムを軸とした戦闘シーンが描かれます。主要キャスト・スタッフは第1部から続投し、宇宙世紀シリーズ全体の大きな物語構造を継承しています。
第2部『キルケーの魔女』では、前作で高評価だった映像美がさらに進化しており、人間関係やキャラクターの内面を深く描いた物語はとても見ごたえがあるものでした。
第2部「キルケーの魔女」感想
まず、第一部と比べると、戦闘シーンの画面が全体的に明るく、パイロットがどのようなモニターを通して敵を捉え戦っているのかがわかりやすいと感じました。閃光のハサウェイ第一部では夜襲が主に描かれたこともあり、画面が終始暗く、何をしているのかがわかりづらかったのですが、大幅に改善されています。まるで上質な戦闘機シミュレーターの動画を見ているようで、リアルなモビルスーツ戦とはこういうものかという臨場感を得ることができました。
また、ハサウェイを中心とした人間模様の描き方も深化していたように思います。特に、ハサウェイの今カノ(ケリア・デース・・・途中で頭を丸めてマフティーをやめた方です)との関係が終わってから、マフティーの女性陣がこぞってハサウェイにアピールをかけているところなどは、ドロドロで肉欲にまみれていてよかったですね。ハサウェイ自身は、ギギとの出会いを忘れられずにいて、女性たちからのアピールを全く意に介していないところが、マフティーの女性たちとハサウェイ&ギギの本質的な生きる場所の違いを示しているようで残酷でした。男女はどうしたって、同じレベルのもので惹かれあう運命なのでしょう。
そして、終盤に向けてはハサウェイが今何をしているのかを知らないであろう、ブライトさんの参戦が示唆されたり・・・ハサウェイに待ち構える最悪の最後を想像させるストーリーになっていました。すべてを捨ててハサウェイに合流したギギがどうふるまうのかもとても興味深いです。それでも、マフティーはテロリストですから、最後はきっとケネスにやられてしまうのでしょうね・・・だとしたらブライトさんは息子がしでかしたとてつもない罪と向き合わなければならなくなる・・・という展開が想像できて第三部が楽しみでありながら、胸が苦しくなります。
否定派の声:難解さと原作からの乖離
一方で、批判的な意見も少なくありません。
初見お断り?説明不足な世界観
「逆襲のシャア」を見ていないと理解できない設定、突然現れる専門用語、複雑な政治情勢——初めてガンダムを見る人、あるいはガンダムは知っているけど宇宙世紀シリーズは詳しくない人にとって、本作はかなり難解です。
例えば、ハサウェイがなぜテロリストになったのか(第二部でケリアが誘って次第にのめりこんでいくようなシーンが描かれましたが)、クェスとの関係、地球連邦政府の腐敗——これらの背景を知らないと、ハサウェイの行動に共感することも、物語に入り込むことも難しいんですよね。
原作ファンからの不満
小説版の原作ファンからは「キャラクターの解釈が違う」「重要なシーンがカットされている」といった声も。特にギギのキャラクター造形については、原作とアニメで印象が大きく異なり、賛否が分かれました。
また、三部作ということで、物語が中途半端なところで終わってしまう点も不満の一つです。「え、ここで終わり?」と感じた人も多かったのではないでしょうか。一部が2021年、二部が2026公開ということで、次回は2030年か?などともささやかれています。
創作者として学べること
『閃光のハサウェイ』は従来のガンダム作品に比べ、重厚なドラマ性と倫理的テーマを押し出しています。圧倒的な映像美と大人のドラマを求めるファンには最高の作品であり、わかりやすいエンターテインメントを求める層には難解な作品・・・と捉えられることが多いですが、これは作品の良し悪しではなく、「誰に向けて作られたか」「何を優先したか」という制作姿勢の結果だと感じます。
創作者としては、この「割り切り」から学ぶことが多いと感じます。すべての人に愛される作品を目指すのではなく、特定の読者に深く刺さる作品を作る勇気——それが、強い作家性を生み出すのかもしれません。意外と興行収入も悪くなく、ジークアクスや水星の魔女でついた新規ファンも、宇宙世紀の重厚な雰囲気をちゃんと楽しもうとしている雰囲気があります。ギギやケネスはキャラクターとしても魅力的ですし、音楽も素晴らしかったので、物語がわからなくてもハサウェイとギギとケネスの三角関係を追うだけでも面白い作品になっています。
あなたは閃光のハサウェイについて、どう感じましたか?ぜひ自分なりの視点で作品を分析してみてくださいね。それが、あなたの創作にも活きてくるはずです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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