《映画感想》空の青さを知る人よ 面白さ解説

2019年10月15日

「井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る」

ぜひこのことわざの意味を調べずに見てください。
そして終わってから、意味を知ってみてください。

だからエンディングクレジットは
この順番だったんだと納得できると思います。

INTRODUCTION
2011年の放送開始とともに“号泣アニメ”と話題沸騰、2013年には劇場版も公開され、社会現象と化した『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』。続く2015年の劇場公開映画『心が叫びたがってるんだ。』とともに、アニメ監督・長井龍雪の評価を確立することとなったこの2作は、「大人も泣ける感動アニメ」として多くのファンに支持されてきました。そして2019年、秋。『あの花』『ここさけ』をともに作り上げてきた脚本家・岡田麿里、キャラクターデザイン&総作画監督・田中将賀と再びタッグを組んだ最新オリジナルアニメーション映画『空の青さを知る人よ』がついに公開。声の出演は、吉沢亮・吉岡里帆・松平健ら演技派俳優陣と、新人の若山詩音、落合福嗣・大地葉・種﨑敦美ほか人気声優陣が集結。個性豊かな実力派キャストが作品の世界観を見事に表現しています。さらに、物語を彩る、せつなくもドラマティックな主題歌は、大人気アーティスト・あいみょんが本作のために書き下ろし。今秋10月11日(金)、せつなくて少しふしぎな恋の物語 『空の青さを知る人よ』が日本中をあたたかい涙で包みます!

https://soraaoproject.jp/

あたたかい物語でした。
感動しました。

あかねお姉ちゃんが、
まだこの町でやり残したことがあると言って、
村の可能性を信じているシーンなど、
尊さを感じてジンと来ました。

とにかくあおいとあかねの
姉妹関係が愛にあふれていて素敵です。

ここからはネタバレを含んだ形で、
私の感じた物語、表現、設定の
面白さを解説させていただきます。

物語の書き方ヒントにもなると思いますので、
ぜひ読んでみてくださいね。

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物語としての面白さ

「空の青さを知るものよ」は、

相生あおい
相生あかね
慎之助
しんの

の4人の物語です。

彼らは最初、このような思いを抱いていました。

あおい
この狭い街から出ていきたい。
自分が姉を故郷に縛り付けていると思っていた。
姉の好きだったあの人を自分も好き。
本音は東京のあの人に会いに行きたい。

あかね
この村であおいを育てることが生きがい。
慎之助が成功して戻ってくることをずっと信じている

慎之助
一流のミュージシャンになって
あかねを迎えに行くという昔の夢と、
今の情けない自分とのギャップに押しつぶされている。
自分と、自分を認めない世の中に諦めを感じている。

しんの
あかねに振られてから
ずっと時が止まって、
あかねスペシャルと名付けた
赤いギターの置かれた
お堂にしばりつけられている。

物語を経て、
4人の心はこう変わりました。

あおいは自分の好きな人への思いより、姉を思う気持ちのほうが強いことを自覚する。出ていきたいと考えていた街にも、美しい風景があることに気づく。

あかねは、自分が高校生の時に「選択」したことを思い出し、あおいがその時の自分と同じ年になったこと、自分で生き方を選択する年令になったことを気づく。そして、自分も自分の道を歩いて良いのかなと思う。

慎之助は、今の情けない自分だって、高校生の自分はすこし認めてくれたことに救われる。お堂に残してきた子供の頃の気持ちを直視する勇気を持ち、あかねとの時間を進めることを選ぶ。

しんのは、あかねに振られて止まってしまった時間を進め、慎之助のように前へ進むことを決める。

前に進むだけではなく、
足元にも幸せはあると
この物語は教えてくれました。

まさに、
井の中の蛙大海を知らず
されど空の青さを知る。

完璧なタイトルの作品でした。

表現としての面白さ

終始丁寧な人間ドラマが描かれます。

誰よりも姉のことが好きで、姉を連れて行くなと泣いたあおいが、お姉ちゃんみたいになりたくないと姉にいうシーン。家族の愛情と言葉が一致しない。好きだと思うほど嫌いな部分も見えてしまう、そんな複雑な心模様が描かれていました。

そんな人間ドラマのクライマックスで、空を飛ぶシーンの開放感が素晴らしかった。

もしかしたら空を飛ぶのは非現実的すぎると批判する人がいるかも知れません。

ですがアニメーションでしかできない表現を盛り込まないと、アニメーションでやる意味がないと思います。この作品は爽やかに空を飛ぶことで、アニメーションならではの爽快感を見せてくれました。

空の青さをあおいに見せてあげてくれました。だから心は変わったのだと思います。

設定の面白さ

13年間という時間の長さや、あおいの真っ直ぐさを感じさせる描写として、音楽を続けて人並み以上にうまくなっている描写があげられると思います。

勉強や精神性、文章力といったものは努力の成果が見えにくいものですが、音楽や絵は目に見えて努力が見えます。だから創作作品で努力を描くのに適していると感じました。

また、普通の街を舞台にしているところも面白いと感じました。

普通の愛を描くために、舞台はやはり普通の街でなければならないと思います。異世界ファンタジーで同じことをしたとして、感動できたでしょうか……?やはり物語にはふさわしい環境設定が必要なのだと、改めて感じました。

以上、私の感じた物語、表現、設定の面白さでした。
最高にあたたかい物語です。
興味のある方はぜひ見てみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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