小説家のための情報収集のコツ3点
こんにちは。
杞優橙佳です。
創作のために普段からアンテナを張り、書き出したときに必要な情報があればきちんと資料を調べられるというのも一つの才能です。
1.情報収集の目的を明確化する
なぜ(Why)、なにを(What)、どう調べるのか(How)を明確化しましょう。
なぜ(Why)は小説の作中で必要だからというのが大半だと思いますが、戦闘シーンを書くためにとか、中世の家庭的なシーンを書くためとか、具体的な〇〇のためを設定しておくと関連する情報が目に入りやすくなります。
例えばなぜを『科学技術で世界を変えていく描写をするため』と設定しておき、ペニシリンの作り方を調べるとしましょう。そうするとペニシリンの作り方だけではなく、実用化方法についても調べないと世界は変えられないなと発想できるわけです。
なにを(What)は先程の例で言えばペニシリンの作り方になりますね。Googleなどの検索エンジンでどういうキーワードで検索するかを考えてもらえれば良いと思います。
どう調べるか(How)については、Webで調べるのか図書館で調べるのか、本を買って調べるのかなどの選択肢があると思います。
手段 | 情報品質 | 情報にたどり着き取得するまで | コスト |
Web | 低 | 早 | 安 |
図書館 | 高 | 遅 | 安 |
購入 | 高 | 遅(電子書籍なら早い場合も) | 高 |
手段は描くシーンの重要性に応じて変えてしまってもよいかと思います。
もちろん神は細部に宿るといいますので、全ての情報を高品質で取得できれば理想ですが、現実には難しいと感じますので。
2.反対意見も取り入れる
情報収集において心がけたほうが良いのは、欲しい情報だけではなく反対意見も取り入れて多様性を高めることです。
例えば異世界転生のファンタジーを書きたいと感じ、異世界転生物語を読み込んで勉強しようと考えたとします。
このとき異世界で勇者に転生してチート無双する小説を読むだけではなく、転生してきた勇者に迷惑をかけられるモブの話を読んだり、勇者に対する魔王側の立場を書いた物語を読んだりすると、視野が広がりますよね。
勇者⇔魔王
勇者⇔モブ
こういった反対の立場のキャラクターの見方も取り込むと、勇者目線の物語を書く時に魔王やモブが生き生きと動いたりするわけですね。
また、魔王を倒して世界を良くすることを目的にする物語や、魔王も含めてみんな仲良くすることを目的にする物語など、主人公の目的が違う作品を読むのも勉強になるかと思います。自分の物語の着地点をどこに持っていくかは重要ですから(書きながら着地点を考えるにしても、過去の事例を勉強するのは参考になります)。
3.アウトプットする
最後はもちろんアウトプットする(作品を作る)ことが大事です。
最初は拙くても構いませんから、まずは0→1を創り出しましょう。0→1を創り出すのがモチベーション的にも一番難しいと感じます。
まずは0→1を創り出して、1→100にするのはそれからで良いのではないでしょうか。
処女作で書籍化しない作家に価値はないなんて考え方がTwitterで話題になっていたこともあります。
ですが0→100が創り出せるのは天才だけですし、天才以外を切り捨てる世界は辛いですよね。人によって0→1は得意だけど1→100は苦手とか、0→1は苦手とかいう人もいますし。けれど完璧じゃなくてもその人なりの強みがあると思いますから。
最後に
モチベーションを保って情報収集できるのは、その物事に興味があるからだと思います。
人間ドラマを好きな人が、SFの勉強をするのは一苦労でしょうし、逆もまた然りですよね。
漫画やアニメ、映画では作者(監督)の苦手な部分についてもお客さんに『見えて』しまうので、チームで弱点を補いながら進めていかねばならないところもあります。
ですが小説の場合は作者の強みを力押しできますよね(苦手な部分は隠し切ることも可能のため)。
なので自分の興味中心で情報収集をして、筆の乗る書きっぷりで作品を作ってみてもよいのではないでしょうか(異世界ファンタジー世界に自分の興味あるものを持ち込んでしまいましょう)。
それが作者の味になると思います。
また、読者から共感を得るためにはリアリティが必要です。そのために「取材」を活用しましょう。下記のエントリーでは取材の重要性から、小説家の取材方法、各取材の方法について紹介しています。
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