物語を進める鍵、でも何でもいい「マクガフィン」その正体とは?!
「マクガフィン」戦隊モノのヒーローの名前のようなこの言葉、あなたは聞いたことはありますか?英語表記では「MacGuffin, McGuffin」と書かれ、作家界ではあちこちで説明されていますが、これがなんともわかりにくい。今回はそんなマクガフィンの正体をもっともっと簡単に説明していきます。
マクガフィンとは何なのか
ありきたりな説明をすると、映画界の巨匠ヒッチコック監督が1930年代に普及させた言葉で、「物語の目的になる出来事」(ものや人物も含む)を指します。
・・・やはりわかりにくいですね。具体的な例を示します。
・漫画ワンピースだったら「ワンピース」
・泥棒が狙う「宝石」
・スパイが狙う「重要書類」
何か共通するものが見えてきましたでしょうか?物語を進めるためのアイテムではあるけれど、代替が可能なもの。つまりマクガフィンは、「象徴」ではあるけれど、見た目の形やそのものの特性などにはさほど拘らないものです。
なぜ拘らないかというと、ヒッチコック曰く、「それをきっかけにして展開される『サスペンス」の方が重要であると考えていた」からです。
どうしたらマクガフィンを見分けられる?
説明されてもやはりわかりにくいマクガフィン。では見分ける方法はあるのでしょうか?
先程、マクガフィンは「代替できる」ものと説明しました。その「代替できる」という特色を使えば見分けることが可能です。
つまり、「物語の目的」かな?というものを取り上げて、他のものに換えてみて物語が問題なく進めば、それがマクガフィンです。
例えば、チルチルミチルの「青い鳥」→「赤い鳥」でもいいですよね。あまり変わらない。
ゆえに「青い鳥」はマクガフィン!という具合です。
たかが「 マクガフィン」されど「マクガフィン」
前述したヒッチコックは、拘らないといっていた「マクガフィン」ですが、本当にそれでよいでしょうか?
青い鳥と赤い鳥くらいでは、あまり印象の違いはないかもしれませんが、これが「黄金の鳥」または「黒い鳥」ではどうでしょうか?物語の中における効果は同じだとしても、「青い鳥」とは随分印象が違います。
あくまでマクガフィンは、物語を引っ張るための仕掛けでしかありません。たとえば主人公が青い鳥を追っかけていくことで、物語は進んでいきます。よって鳥は仕掛けです。
しかし読者の気持ちになってみると、主人公が追っかける「鳥」は気になる存在です。
「どうして金の鳥なんだろう?」と一度気になると、「黄金」が気になって仕方がない、つまり物語の印象が強く残るということです。
物語に象徴があるかないかは、読者の頭に物語自体の存在感を示すことができるか否かに
大きく関わってきます。そこがマクガフィンの役割です。
もしこだわりすぎて何を選んだらいいのか悩んだ場合は、物語中でずっと正体を明かさないという手もあります。
例えばカバンの中に隠してしまい、物語の最後まで何が入っているのかわからないのにも関わらず、カバンを巡って殺し合いまで起きつつ、物語が展開していく。このように、いわゆる象徴であればいいわけですから、最適な象徴がみつからない場合は隠し通すという方法も有効です。
たかがマクガフィン、されどマクガフィン。神は細部に宿ります。できるだけ拘ってみるにこしたことはありません。
まとめ
どう説明されてもわかりにくいマクガフィンですが、「わかりにくい」というところがミソ。その正体は「象徴」だからです。しかし見分ける方法は簡単で、他のものに置き換えてみても、特に影響がなければマクガフィンです。
しかしマクガフィンがあるかないかで物語の存在感は大きく変わってきます。「青い鳥」といえば、多くの人があの物語を頭に浮かべることができるように。ぜひ物語にマクガフィンを採用してみましょう。いい仕事をしてくれますよ。
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