キャラクターの価値観ランキングを作ろう!

2022年5月5日

 物語のキャラクターを創造する際に、とても役立つアイデアを見つけましたのでシェアします。それはキャラクターの価値観ランキングです。

 価値観ランキングを作成することで、あなたはキャラクターを今よりもリアルに動かすことができますよ。ぜひご覧ください。

キャラクターを構成する4つの価値観

 4つの価値観に着目すると、リアル出たようなキャラクターを創造することができます。4つの価値観とは恋愛、生活、仕事、趣味の4つです。

 これらの4つの価値観は戦後から現代にかけて、幅広く浸透してきた価値観です。
 例えば戦後は男性が仕事、女性が生活を担当する分業体制が敷かれました。けれども平成の時代になり、お見合いも減って自由な恋愛ができるようになりました。近年は個人主義が浸透し、自分の趣味にいきることができるようになりました。

 さて、これら4つの価値観ですが、令和の現代だからといって、どれかが消え失せている訳ではありません。現代は価値観のバランスがとられ、どんな価値観ランキングの人であっても生きられる社会になってきています。

 そんな多様な価値観が混ざり合う現代社会で紡がれる物語は、多様な価値観の登場人物がいると自然です。そのために価値観ランキングは役立ちます。仕事、生活、恋愛、趣味の優先度を並び替えることで、多種多様なキャラクターを創ることができます。

仕事、生活、恋愛、趣味の定義

 ランキングを作成する前に、ここで言う「仕事、生活、恋愛、趣味」の価値観の定義から始めていきます。

・恋愛

 恋愛とは誰かとつながりたいと願うことです。自分の性的嗜好に応じた相手と仲良くなりたい、肌をふれあいたい、性的行為を行いたいと考えることです。
 恋愛の優先度が低いキャラクターは恋愛なんてコスパが悪いと考えたり、一人で生きていきたいと考えたりします。逆に恋愛の優先度が高いと、仕事をドタキャンしてデートをしたり、生活(衣食住)に支障が出るほどホストにお金を費やすようなキャラクターになります。

・生活

 生活とは自分の稼いだお金で衣食住をまかうことです。
 家計が毎月赤字になっているようなキャラクターは生活をおろそかにしていると言えますし、衣服がボロボロだったり格好悪かったり、食がファーストフードばかりで不健康だったり、住環境が散らかっていたりするキャラクターも生活の優先度が低いと言えます。

・仕事

 仕事はお金を稼ぐ行為を重視するかどうかです。
 仕事の優先度が低いキャラクターは、ほどほど稼げればいいやとフリータやアルバイトをしていて経済的に不安定かもしれませんが、その分パートナーを大事にするかもしれません。仕事の優先度が高いキャラクターは稼ぎこそいいもののパートナーを放置して仕事にのめり込むこともあるでしょう。

・趣味

 趣味とは個人が楽しい、面白いや美しいと感じる行為を重視するかどうかです。
 趣味の優先度が高い場合は趣味を突き詰めていくキャラクターとなり、ギーク(オタク)的な存在になるでしょう。趣味の優先度の低いキャラクターは浅い知識しか持たないためニワカ扱いされたり、過去は突き詰めていたが今は理由があって趣味に注力することを止めていたりするでしょう。

価値観ランキングを決める

 さて、キャラクターを構成する4つの価値観について紹介しました。新しいキャラクターを考える際、そのキャラクターがこの4つの価値観をどのような順番で考えているか……つまり価値観ランキングを決めるだけで24通りのキャラクターを作ることができます。

 価値観の順番を決めると言っても難しいな……そう感じられた方は下記を参考にしてみてください。例えば恋愛より仕事を優先するキャラクターの場合は、「記念日よりも仕事を優先」する。忙しいエリートサラリーマンを想像しますね。

恋愛より
 生活を優先:例.ほしいと言われたものが予算内でなければ買わない
 仕事を優先:例.記念日よりも仕事を優先
 趣味を優先:例.デートよりもLIVEに出かける

生活より
 恋愛を優先:例.多少赤字でもパートナーのためにお金を払う
 仕事を優先:例.家事や掃除を疎かにする
 趣味を優先:例.多少赤字でも趣味のためにお金を払う

仕事より
 恋愛を優先:例.忙しくても定時で切り上げてデートに向かう
 生活を優先:例.体調に違和感があれば有給を使う
 趣味を優先:例.忙しくても定時で切り上げてLIVEに向かう

趣味より
 恋愛を優先:例.パートナーが嫌いなら趣味をやめる/おさえる
 生活を優先:例.趣味のために徹夜で並んだり借金したりしない
 仕事を優先:例.仕事の支障になるなら趣味をやめる/おさえる

 

 上記の基準を参考に、恋愛、生活、仕事、趣味の価値観の並び24パターンについて、この価値観はこんなキャラクターという例をご紹介します。

恋愛が第1位

1.恋愛→生活→仕事→趣味

例.恋愛至上主義者。生活の負担になったとしてもパートナーにプレゼントしたい。仕事は生活のためにしている。趣味を突き詰めることもないが、恋愛のために浅い知識をたくさん仕入れている。

2.恋愛→生活→趣味→仕事

例.恋愛してパートナーと生活したいタイプ。恋人と一緒にいたいし趣味に自由な時間をつかいたいため、仕事はフリーター。

3.恋愛→仕事→生活→趣味

例.恋愛するために仕事を頑張るタイプ。仕事も生活も無難で安定感がある。無趣味だがパートナーの趣味を一緒に楽しむ。

4.恋愛→仕事→趣味→生活

例.恋愛するために仕事を頑張るタイプ。仕事はできるが生活はボロボロでオンとオフのギャップが激しい。

5.恋愛→趣味→仕事→生活

例.恋多きバンドマン。CDショップでアルバイトをしながら作曲のアイデアを練っている。生活はボロボロでパートナーに借金あり。

6.恋愛→趣味→生活→仕事

例.モテるために芸能人を目指す。家賃2万円のアパートに住み、1ヶ月1万円で生活する。アルバイトはしてみるもののすぐ辞めてしまう。

生活が第1位

1.生活→恋愛→仕事→趣味

例.自制心があり生活がしっかりしている。パートナーと職場恋愛をしている。無趣味。

2.生活→恋愛→趣味→仕事

例.自制心があり生活がしっかりしている。パートナーと一緒に趣味を楽しんでいる。仕事は定時で帰れる仕事を選ぶ。

3.生活→仕事→恋愛→趣味

例.自制心があり仕事も頑張る。しかし仕事に命を捧げているわけではなく、体に無理が来たら仕事を休む。一緒にいて落ち着くパートナーがいる。生活のなかで当たり前にすることを趣味にしている(料理や掃除)。

4.生活→仕事→趣味→恋愛

例.自制心があり仕事も頑張る。しかし仕事に命を捧げているわけではなく、体に無理が来たら仕事を休む。無理のない範囲で趣味にお金をかけており、自宅は居心地のいい空間になっている。小綺麗なオタク。

5.生活→趣味→仕事→恋愛

例.趣味を配信するYoutuber。部屋の中にプラモデルがきれいに並べられて手入れされている。

6.生活→趣味→恋愛→仕事

例.趣味のためにアルバイトをしている。限られた予算内で衣装を作るのが趣味。着てくれるパートナーを探したいと考えている。

仕事が第1位

1.仕事→恋愛→生活→趣味

例.金を稼いで恋をしたい。稼いだ分を恋愛につかうので貯金はない。

2.仕事→恋愛→趣味→生活

例.金を稼いで恋をしたい。恋愛と自分の趣味にお金と時間をかけるため部屋は荒れている。

3.仕事→生活→恋愛→趣味

例.徹夜、休日出勤あたり前のハードワーカー。恋愛したいが恋愛する時間がない。エリートサラリーマン。

4.仕事→生活→趣味→恋愛

例.徹夜、休日出勤あたり前のハードワーカー。一人でも楽しめる趣味があり、恋愛に興味がない。

5.仕事→趣味→生活→恋愛

例.仕事でも稼ぐが、趣味も稼ぎにつながらないかを常に考える。稼ぐ能力は高いが生活力なく、モテない。

6.仕事→趣味→恋愛→生活

例.自分の体をいとわず働き、甘いものが大好き。パートナーとカフェめぐりが好き。よく体を壊してパートナーに心配される。

趣味が第1位

1.趣味→恋愛→生活→仕事

例.遠征続きのライバー。パートナーはいるがライブのほうが大事のため休日は全国各地を回る。仕事はお金を得る手段と割り切り。

2.趣味→恋愛→仕事→生活

例.ガチャが大好きなソシャゲーマー。パートナーともソシャゲで出会った。金が湯水のように消えるため生活が苦しい。仕事は真面目。

3.趣味→生活→恋愛→仕事

例.カードゲームのコレクター。カードは額に入れて飾る。パートナーにはお金を出し渋るため、関係は冷え切っている。仕事はお金を得る手段と割り切り。

4.趣味→生活→仕事→恋愛

例.FIREを目指して貯金することが趣味のミニマリスト。最小限の家具で過ごす方法を考える。パートナーと一緒に快適に過ごそうということは考えない。

5.趣味→仕事→生活→恋愛

例.仕事がいつの間にか趣味になったエンジニア。自分のやりたい仕事しかしない。恋愛は面倒だと考えている。

6.趣味→仕事→恋愛→生活

例.売れない画家。仕事はすぐ辞めてしまう。パートナーを軽視しており、金づるくらいにしか考えていない。

 いかがでしょうか。ほんの僅かな時間で24パターンのキャラクターが創造できました。

価値観ランキング各位の間は自由に決めていい

 価値観ランキングを決めるときのポイントは「価値観ランキング各位の間は自由に決めていい」ということです。例えば先程最後に紹介した価値観ランキング「趣味→仕事→恋愛→生活」のキャラクターを取り上げてみます。

 このキャラクターは趣味が1位で、仕事が2位だったわけですが、仕事はすぐ辞めてしまうレベルに軽視しています。つまり1位と2位の間が「趣味→→→→→→→→→→→→→→→仕事→恋愛→生活」くらい空いているということです。

 このように価値観ランキングの各位の間をどれくらい広げるかによって、キャラクターの特色を出すことができます。

まとめ

 本エントリーでは、キャラクターづくりのコツとして、価値観ランキングを作る方法をご紹介しました。恋愛、生活、仕事、趣味という4つの価値観は、私達現代人にとっても根幹を成す価値観です。これらの価値観をランキング付けすることで、より生き生きと動くキャラクターを創ることができるはずです。

 是非参考にしてみてくださいね。

※第5の価値観としてこういったものも加えてはどうかというアイデアがあればコメントいただけると大変嬉しいです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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