聖職者について詳しく解説!

 聖職者は、神や宗教が登場するファンタジー小説では、特に重要な役割を果たします。世界観の設定に使いたい聖職者を明確にすることで、どの宗教について調べればいいか自然と絞られてくるので、ストーリーを考える上でもかなり楽になると思いますよ!

 本記事では、聖職者の定義や、聖職者の種類について詳しく解説します。聖職者が登場する有名作品の紹介もありますので、ファンタジー小説の世界観設定の参考にぜひご活用ください!

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聖職者とは?

 「聖職者」とは、確立された宗教の中での「正式な指導者」あるいは、宗教上の「信仰や教義研究等を生活の中心に置く人」のことを言います。具体的には、信仰の公布・維持・教育などの仕事に専念する人のことです。

 また、宗教や地位を問わない聖職者一般を指す、「クレリック(cleric)」という言葉(英語)もあります。

聖職者の種類について

 それでは聖職者の種類について見ていきましょう。

 下の表にまとめましたので、ファンタジー小説の世界観設定の資料としてお使いください。

種類説明
プリースト(Priest)キリスト教の司祭。祈祷・洗礼・冠婚葬祭など、宗教的な儀式を執行、取りまとめる聖職者のこと。
ラビ(Rabbi)ユダヤ教の指導者を指し、厳密には聖職者ではない。前5世紀~後7世紀にかけては、「ユダヤの律法学者」の称号として使われた言葉。シナゴーグ(会堂、ユダヤ教の教会に相当するもので、コミュニティーの集会場でもある)の後に専門職となったもの。
イマーム(Imam)、ウラマー(Ulama)イスラム教では、専門の聖職者が存在しない。その代わり、礼拝の時の指導者として、「イマーム」がいる。また、「ウラマー」というイスラム法学者(知識人あるいは教師)がいて、コーランの解釈やシャリーア(イスラム法)による判決などを行う。「ウラマー」は特定の地位や職業を指すものではなく、あくまで「知識を持つ者」を指す言葉。イスラム教における真の聖職者は「ナビー(預言者)」であり、ムハンマドが最後の預言者となっている。
ドルイド(Druid)古代ケルト民族が信じたドルイド教(自然神を崇拝)の神官。細かく分けると、「ドルイド(神官、司祭)」「ウァテス(Vates:予言者)」「バード(Bard:詩人)」の3階級に分かれる。
オウンガン(Houngan)ゾンビの起源として有名なヴードゥー教(西アフリカの土着宗教)の祭司。ただし、今日の一般的なゾンビの特徴とは異なり、ヴードゥー教のゾンビは、犯罪者の遺体を儀式によって蘇らせ、農園での労働力に使うというもの。女性祭司はマンボ(Manbo)、邪悪な術を使う祭司はボコール(Bokor)と言う。
ポンティフェクス(Pontifices)ローマ神の神祇官(じんぎかん)。ローマには専任の神官が存在しない。人徳の優れた人物が民会によって、神官に選出された。報酬はないが、政務官選挙で選出されるのは神祇官なので、政治的成功のためにも重要なポジション。特に、ポンティフェクス・マクシムス(Pontifices Maximus:最高神祇官、最高司教)は、公邸も与えられ、権限こそないが、大きな権威があった。
リシ(Rsi)インドのバラモン教の聖仙。修行をすることで、人間を超越し、神以上の力を持つとされる。例えば、神を束縛するなど。バラモン(僧侶階級)の聖仙を「ブラフマルシ(Brahmarsi)」、クシャトリヤ(戦士階級)の聖仙を「ラージャルシ(Rajarsi)」と言う。
神職日本の神道の聖職者。「神職」以外に「神主」「巫女」と呼ばれる。神社で袴・烏帽子(えぼし)をまとい、祝詞(のりと)を唱える。「職階」として、神社の長を「宮司」、その下に「禰宜(ねぎ)」「権禰宜(ごんのねぎ)」がいる。また、職階のほかに、「階位と身分」という「階層」がある。「階位」は、上から浄階・明階・正階・権正階・直階となっている。「身分」は、特急・一級・二級上・二級・三級・四級がある。

聖職者の登場する有名作品

 それでは聖職者の登場する有名作品を3つ紹介します。

ソウルイーター

 「ソウルイーター」は、死神が秩序を管理する「デス・シティー」と言う街にある、死神武器職人専門学校で、「武器」と「職人」を育成する物語です。最終目標は、死神の武器「デスサイズ」になること。物語は王道ながらも、設定や世界観がかなり独特で、漫画・アニメ共に人気があります。

 「ジャスティン・ロウ」という人物が、死神を「神」と崇める神職者として登場します。ファンタジー小説に聖職者を取り入れたい人にはおすすめの作品です。

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聖なる犯罪者

 「聖なる犯罪者」は、2020年公開の、ポーランド・フランス合作映画で、実話(ポーランドの事件)をもとにした物語です。

 第二級殺人で少年院に送られた青年ダニエルが、とある小さな村で「偽の聖職者」になりすまし、村人たちの心の傷と向き合っていきます。しかし、ダニエルの過去を知る男が現れたことで、事態は思わぬ方向へと転がっていきます。

 ファンタジーではありませんが、「犯罪者の過去を隠して聖職者になる」と言う設定だけでも興味を引かれる物語です。世界観設定がいかに物語において大切が分かる作品なので、小説づくりの参考にぜひ視聴してほしい作品です。

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ブラッククローバー

 「ブラッククローバー」は、魔法が存在する世界を舞台に、貧民の捨て子として生まれた少年アスタが、魔法使いの頂点である「魔法帝」を目指す物語です。

 アスタは教会の神父や、心優しいシスター・リリーに育てられ、成長します。そして教会を出たアスタは、魔法騎士団への入団を果たし、本格的に魔法帝になるべく道を歩き始める、王道のファンタジー・バトル漫画です。

 教会はアスタの帰るべき場所として「温かい雰囲気」で描かれています。物語全体の世界観も含め、それほど変わったところはありませんが、それだけにストレートな感動や熱いバトルが楽しめます。

 昨今、捻りを意識した作品が多い中で、王道のファンタジー小説で勝負したい方は、世界観設定の際にはぜひ「ブラッククローバー」を参考にしましょう。教会や聖職者と物語の関係性も含め、かなり学べるところが多いと思います。

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まとめ

 今回は聖職者について紹介しました。

 内容を簡単にまとめると以下の通りです。

  • 聖職者とは、宗教の中での「正式な指導者」あるいは「信仰や教義研究等を生活の中心に置く人」のことを言う
  • 聖職者の種類は、宗教によって、階級や身分がかなり細かく分かれている
  • 聖職者が登場する作品を観ることで、聖職者や教会の「清廉なイメージ」の活用方法を学べる

 聖職者のことを詳しく知り、ファンタジー小説の世界観設定に活かしましょう!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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