悪魔や悪魔の階級などを徹底解説!ファンタジー小説の設定に使える!

2021年7月31日

 ファンタジー小説に欠かせない要素。それは「悪魔」です。キリスト教、イスラム教、仏教それぞれに異なる悪魔がおり、異なる、悪魔の階級があります。

 今回の記事では「悪魔」と「悪魔の階級」について解説していきます。

 換骨奪胎という言葉があるように、元ネタがあってこそ自分のオリジナリティがでてきますから、小説の設定づくりのため、ぜひ、参考にしていただけると幸いです!

 

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悪魔の概要

 ファンタジー小説における悪役と言えば、「悪魔」を思い浮かべる人も多いと思います。
 しかし、悪魔と一口に言っても、宗教ごとに悪魔は存在します。
 宗教ごとに見ていきましょう!

キリスト教の悪魔

 キリスト教では悪魔のことを「デビル」と呼びます。
 キリスト教では中世期、悪魔について詳細な研究をしていました。
 キリスト教神学として、悪魔という存在について具体的で現実的な話し合いが行われてきました。
 キリスト教における悪魔は、「神に対して謀反を起こしたサタンの手下」と定義されています。

 また、人間に変身し、人間と交わって堕落させる存在とされています。

 加えて、悪魔の肉体は翼や尻尾が生えた状態でよく表現されます。

 しかし、これはキリスト教が教化を進めるために、敵対勢力を作るために作ったものです。近代になると、悪魔はより現実味を帯びて、人を襲う存在となりました。

 悪魔祓いが現代までいるのはこのことによります。

 現代の悪魔のイメージは、キリスト教が作成した悪魔についての著作に影響を受けているところが多いです。

 これは、後で解説します。

イスラム教の悪魔

 イスラム教では悪魔のことを「シャイターン(shayṭān)」と呼びます。

 これはムハンマドがキリスト教に影響を受けて作ったものです。というのも〈敵対するもの〉という意味のヘブライ語śāṭānに由来しているためです。悪魔・悪霊などと同一視され,その概念は必ずしも一定ではありません。

 小説においては、悪魔という姿形のある存在だけでなく、恐ろしい事象なども含めて「シャイターン」と表現してみるのは面白いかもしれません。ラブクラフトのクトゥルフのように、ですね。

 また、イスラム教にもサタンのように堕天したイブリースという悪魔がおり、悪魔のリーダーとなっています。

 ここからも、キリスト教の悪魔観が影響を与えていることが分かりますね。

 

仏教の悪魔

 仏教では悪魔のことを「マーラ」と呼びます。日本語の「悪魔」という語はこのマーラを漢語に翻訳したもので「いのちを奪うもの」という意味です。

 仏教の悪魔のうち、最強と言えるのが第六天魔王波旬(はじゅん)です。第六天魔王波旬(はじゅん)は仏教における天のうち、欲界の六欲天の最高位にあり、修行者の悟りを奪い取る存在として、君臨します。

 また、インド神話・バラモン教・ヒンドゥー教においては、神族または魔族の総称をアスラといいます。夜叉や羅刹、阿修羅もインド神話において鬼として描かれます。

 

悪魔の軍隊

 先にも述べたように、キリスト教は悪魔に関して熱心に研究をしていました。

 その中の一作、コラン・ド・プランシーが著した「地獄の辞典」には多くの悪魔が紹介されています。作中で、悪魔の首領は数十にも及ぶ軍団を支配すると書かれています。

 この、悪魔の軍団という考えは諸説あり、「悪魔の偽王国」では6666個の軍団それぞれに6666体の悪魔がいると唱える説。

 6つの軍団にそれぞれ66大隊が属しており、その大隊の下に666個の小隊が属していて、さらに一個小隊を6666体の悪魔が構成するといった説もあります。

 いずれにしても、とんでもなく大きい組織であることは間違いないでしょう。

 

悪魔の階級

 「地獄の辞典」には悪魔における階級についても言及しています。

 これによると、一種の貴族制度を取っているようです。

 「悪魔の偽王国」では、皇帝に始まり、大王や王といった上級貴族がいて、その下に公爵や拍手悪などの下級貴族がいると述べています。それに加えて、総裁や議長などの国を管理する役職や、刑務執行人・厨房長などの役職もあると書かれています。

 作者不明のグリモワール(魔術書)・「ゴエティア」においては、騎士、総裁、大総裁、伯爵、大伯爵、公爵、大公爵、侯爵、大侯爵、君主、大君主、王、大王、皇帝といった中世の封建制度を模した階級が紹介されています。

 これを見ると、昔の王族と同じような形態をとっていることが分かります。現実的な存在にして、人々に信じさせる目的がみてとれますね。

 それにしても、刑務執行人という役職があるのは面白いですね。悪魔の世界における「罪」ってなんなのでしょうか? 何をしたら盗みや殺しをする存在が罰せられるのか気になりますね!

※悪魔の中の階級トップに君臨する「皇帝ルシファー、君主ベルゼブブ、大公爵アスタロト」を支配者たる三精霊と呼びます。なお、文中で紹介した刑務執行人はアラストルという悪魔になります。

支配者たる三精霊について

 皇帝ルシファー、君主ベルゼブブ、大公爵アスタロトを支配者たる三精霊と呼びます。この三精霊は悪魔の中の階級トップに君臨していますが、どのような起源で悪魔の階級トップに君臨するようになったのでしょうか。ご紹介していきます。

皇帝ルシファー

 ルシファーは、光をもたらす者という意味。もとは大天使として誕生したのですが、闇落ちして悪魔に変わってしまったという逸話があります。

 これは旧約聖書のイザヤ書に「明けの明星が天から落ちた」という記述があるためで。2世紀の聖職者オリゲネスが「天から落ちた」を「堕天」と解釈しルシファーと魔王サタンが同一であるとの見方が広まりました。(キリスト教における地獄とは、神に反旗を翻し敗れて天界を追放された堕天使ルシファーが創造した世界であり、堕天使の巣窟であるとのことです)

 ルネサンス時代に入ると、ダンテが「神曲」においてルシファーを登場させるなど、キリスト教的世界観以外の新たな解釈が生まれました。

 悪魔の中でも最高の知名度を得ることとなり、『大奥義書』(『グラン・グリモワール』とも呼ばれる魔術書)で、支配者たる三精霊の一角と定義されました。

 なお、ルシファーが堕天した経緯は下記の通りです。
「ルシファーは多くの天使を率いる十二枚の翼を持った美しい大天使長であったともいわれる。しかしあるとき神に敵意を示し、自分に賛同する天使達を集めて、大天使ミカエルの率いる神の軍団との戦いを開始する。
 戦いは長く続くが最終的に敗北し、ルシファーと天使の三分の一は天から投げ落とされてしまう」

 神に反旗を翻した理由は諸説あります。天使ながら神よりも優れた能力を持っていたためだとも、神が後継者に人間である「イエス」を選んだからだとも言われています。
 いくつも解釈の余地はあるでしょうけれど、私はルシファーがどの天使よりも未来を見ていたから、反旗を翻したのだと感じます。
「神が天使よりも人間を寵愛すれば、いずれ天使は人間より弱い立場になり、人間に使われる……」そう考えたルシファーは天使の権利を守るために、神と戦ったのではないでしょうか。しかし組織の長たる神と、神に忠実な天使によってつぶされた……なんだか人間の世界でもありそうですね。

 いずれにそよ絶対の神に逆らう物語は、元祖ピカレスクロマンです。ルシファーが強い人気を誇るのも納得できますね。

君主ベルゼブブ

 ベルゼブブは「ハエの王」という意味。起源はキリスト教以前に、ヨーロッパで広く信仰されていた神にさかのぼります。

 当時、ベルゼブブはバアル・ゼブル(気高き主、高き館の主)という名で呼ばれ、冬に恵みの雨を降らせる豊穣の神とされていました。しかしイスラエル(カナン)の地に入植してきたヘブライ人たちは、バアル・ゼブルを邪教神とし、やがてこの異教の最高神を「ハエの王」として蔑んだとされています。

 ハエというと当時から死体や糞にたかる不快な虫であったでしょう。異教の神をそのハエに例えるのは、異教徒の信仰を砕く上で効果的に作用したと考えられます。豊穣の神と信じた人々にとって、ベルゼブブは自分たちの誇りを奪った悪魔に違いありません(ヘブライ人の恐ろしい発想も悪魔のようです)。

 後年、ベルゼブブは作物を荒らすハエの害から人間を救う力も持つとされ、ポジティブな要素も加えられました。

 ルシファー同様に『大奥義書』で、支配者たる三精霊の一角と定義されています。

大公爵アスタロト

 アスタロトは、古代フェニキア人の信仰した豊穣多産の女神アスタルテに由来するとされるキリスト教の悪魔です。

 聖書では『士師記』や『列王記』において、信仰するべきではない異教の神として扱われています。

 ベルゼブブと同様、異教の神の誇りを奪うために生まれた悪魔と言えるでしょう。聖書によればアスタルテの神殿では巫女たちが売春を行っていたとされます。淫らなイメージと結び付けられた悪魔です。豊穣の女神を逆に解釈すると、みだらな女神になってしまうのですね。これもアスタルテを信仰していた人々の誇りを奪ったに違いありません。

 ルシファーやベルゼブブ同様に『大奥義書』で、支配者たる三精霊の一角と定義されています。

6大悪魔

 6大悪魔とは「地獄の辞典」に書かれている「上級精霊」および「魔神」と呼ばれている6体の悪魔。

 ソロモン王の著作とされる魔術書『大いなる教書(グラン・グリモア)』で、ルシファーやベルベブブ、アスタロトとともにこれらの悪魔が紹介されています。悪魔の中でも格上の6体。地獄の総理大臣と呼ばれることもあります。

 

ルキフゲ(Lucifuge Rofocale)

 ルキフゲ。ルキファージュ・ロフォカレルともいわれています。
 名は「光を避ける者」を意味しています。

 地獄の宰相。皇帝ルシファー、君主ベルゼブブ、大公爵アスタロトの3最高権力者に仕える6体の上級悪魔の最上位にあたる存在。そのためなのかルシファーから世界の財宝と富の管理を任されます。

 「グラン・グリモア」という魔道書でのみ召喚する事が出来るらしく、契約としては20~50年後に魂を差し出す事を条件に、どんな願いでも叶えてくれるといわれています。(まどか☆マギカのキュウベエの元ネタでしょうか)

 バエル、アガレス、マルバスを直属の部下としていると言われていますが、地獄では地位のあるルキフグスだが、堕天する前の情報はありません。その所為なのか、ルシファーが堕天してルキフグスになったと言う説もいまだ存在しています。

 

・アガリアレプト(Agaliarept)

 ルシフェル、ベルゼビュート、アスタロトに仕える6人の上級魔神の1人であり、家老を務めています。

 ヨーロッパや小アジアを支配下とし、世界中の多くの謎を知っており、暴露してしまうとんでもない悪魔です。特に宮殿での会議や集会の密会による極秘情報には詳しいと言われています。

 他に人間の間に憎しみや不信感を引き起こすことや過去と未来をコントロールすることも得意としているという結構な便利屋であり、グーシオン、ブエル、ボティスがその部下とされています。

 

・サタナキア(Satanachia)

 ルシフェル(ルシファー)、ベルゼビュート(一応ベルゼブブ)、アスタロトに仕える6人の上級魔神の1人で大将を務めている。サバトの山羊と知られています。

 ありとあらゆる女性を服従させる能力をもち、魔女達に使い魔を与え、母親に強い影響力を持っています。ただし、召喚者には反抗的な態度をとるとされていますが定かではない。アモン、プロケル、バルバトスを部下に持っています。

 十字軍で有名なテンプル騎士団が崇拝していたバフォメットと同一視されています。これについては、テンプル騎士団の力を恐れた教皇が、バフォメットを悪魔と同一視し、騎士団を潰したのではないかという話もあります。相手の崇拝するものを悪魔と言って批判するのは、最高峰のネガティブキャンペーンですね。

 

・フルーレティ(Fleuretty)

 ルシフェル、ベルゼビュート、アスタロトに仕える6人の上級魔神の1人でありベルゼビュートの部下。

 夜の間に仕事を済ませてしまう能力を持ち、凍結の悪魔として雹を自在に降らせることが出来ます。
 さらには人間の間に性欲をかきたて戦争を起こすこともでき、有毒植物や幻覚を起こす薬草の専門家でもあります。サキュバス、インキュバスの元ネタでしょうか。

 アフリカを支配し、バシン、プルソン、アビゴール、を部下に持っています。

 

・ネビロス(Nebiros)

 アスタロートの陸軍元帥で、検察官で、メソポタミアの木星神のネビルがその名の由来とされています。※他宗教の神を悪魔として取り込んだパターン。

 ネビロスの別名はマルドゥク。
 シュメール・バビロニア神話の主神(ローマ神話の軍神マルスのような存在)なのですが、マルドゥクが培っていた軍神的素質はほぼ受け継がれていないようです。
(シュメール・バビロニアの神話から悪魔学に持ち込まれた神には、地獄の支配者ネルガルもいます。こちらは地獄の秘密警察の長官という役職に就いています)

 ネビロスは飛行能力、予知能力、動物を操る能力を持っています。動物を操る能力は、狙った相手に狙った苦痛を与えることができるそうです。万能すぎですね!

 魔神達の中でも有数の降霊術の一人で北米を支配下としており、現在ではネクロマンサーの悪魔の代表例とされています。

 イボス、グラシャボラス、ナベリウスを部下に持っています。

 

・サルガタナス(Sargatanas)

 ルシフェル、ベルゼビュート、アスタロトに仕える6人の上級魔神の1人でアスタロトの直属の部下。旅団長を務めます。

 他人を透明にしたり、一瞬で別の場所に移動させたり、鍵を開けたり。自宅で起こっている出来事を見せてくれるという能力を備えています。
 人の秘めた本心を探り出し、記憶や本心を消す能力を持っています。

 ヴォレフォル、フォラス、レライエを部下に持っています。

 

「ゴエティア」ソロモン72柱の悪魔一覧

 ソロモン王が使役したとされる悪魔の数を72人と定義したのは「ゴエティア」が最初です。
 なお、序列は「ソロモン王によって封印された順番」でして、強さを示すわけではありません。ここでは72柱の悪魔を一気に紹介します!

序列名前能力・備考階級
1バエル (Baël, Bael) 66の軍団を率いる元豊穣の神。クモの胴体を持つ。人を不可視にする能力がある。地獄の3人の支配者ルシファー、ベルゼビュート、アスタロトに仕える6柱の上級精霊の1柱ルキフゲ・ロフォカレに仕える。
2アガレス(Agares)、アグレアス(Agreas)31の軍団を率いるワニに乗った老人。あらゆる言語を操り、権威あるものを破滅させる力と地震を引き起こす力を持つ。多くの悪霊たちを率いる強大な悪魔。公爵
3ウァサゴ(Vassago)26の軍団を率いる。姿を現した記録がない。アガレスと同じ性質を持つという。君主
4ガミジン(Gamigin)、ガミュギュン(Gamygyn)、サミジナ(Samigina)30の軍団を率いる青ざめた馬。死者の魂を呼び戻すネクロマンシーが得意。侯爵
5マルバス(Marbas)、バルバス(Barbas)36の軍団を率いる悪魔。ライオンと人間の姿をとる。疫病をもたらす力とそれを治す力を持ち、工芸に関する優れた知識も有する。「魔入りました!入間くん」においては先生のポジションで登場する。総裁
6ウァレフォル(Valefor)、ヴァラファール(Valafar)、ヴァレファール (Valefar)、マラファル (Malaphar)、マレファル(Malephar )10の軍団を率いる悪魔。ロバの頭を持つライオン。召喚者に盗みを行うように誘惑する。持っている軍団の数は72柱の中で最小。公爵
7アモン(Amon, Aamon)40の軍団を率いる大いなる侯爵。鳥の頭を持ち、口から火を吐く狼とされる。エジプト神話に登場する神アムンが悪魔として解釈(堕天)した存在といわれる。永井豪作品における最強のデーモンであり、不動明と合体することで悪魔の体と人間の心を併せ持つ「デビルマン」となる。侯爵
8バルバトス (Barbatos) 30の軍団を率いる狩人。4人の高貴な王と彼らが率いる軍隊を伴ってあらわれ、友情を回復する力を持つ。TVアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の二次創作「三日月くんとバルバトスさん」において「関西弁で喋る」特徴が与えられた。公爵
9パイモンまたはペイモン(Paymon, Paimon)、パイモニア(Paimonia)200の軍団を持ち、王の中で最もルシファーに忠実な元主天使。アザゼルまたはアザエルとも呼ばれる。人に人文学、科学、秘密などあらゆる知識を与える。登場作品には、過激な下ネタギャグ、グロテスクなスプラッター描写、風刺を織り交ぜたブラック・コメディ「よんでますよ、アザゼルさん」がある。
10ブエル(Buer)50の軍団を率いる驚愕の姿。治癒能力を持つ回復者。星か車輪のような五本の脚を持ち、自ら転がりつつ前進する。日本の妖怪・輪入道の親戚と考えられる。総裁
11グシオンまたはグーシオン(Gusion)、グソイン(Gusoin、Gusoyn)、グサイン(Gusayn)40の軍団を率いる紫のローブを着た悪魔。敵対者の気持ちを友好的なものへと逆転させ、和睦をもたらす力を持つ。公爵
12シトリー(Sitri)、ビトル(Bitru)、シュトリ(Sytry)60の軍団を率いる豹の悪魔。美しい人間に姿を変えることもできる。召喚者の望む女性を召喚する能力を持つ。君主
13ベレト(Beleth)、ビレト(Bilet、Bileth)、ビュレト(Byleth)85の軍団を率いる絶対王者。礼儀正しいが、召喚された時点で激怒している。ソロモン王が封印した72人の王達の首領であったとも言われる。男女の恋愛を取り持つ悪魔で、その点はファイアーエムブレム風花雪月の主人公と似ている。
14レラージェ(Leraje)レライエ(Leraie,Leraye)、レライハ(Leraikha)、ロレイ(Loray)、オライ(Oray)30の軍団を率いる狩人。弓矢によって戦争を引き起こす能力を持つ。敵を腐敗させることが出来、治癒不能の攻撃を放つ。侯爵
15エリゴス(Eligos)、エリゴール(Eligor)、アビゴル(Abigor)60の軍団を率いる槍騎士の悪魔。召喚者に支配者(ロード)や偉大な人からの寵愛を授ける。公爵
16ゼパル(Zepar)26の軍団を率いる赤い戦士。女性の男性への愛情を燃え上がらせて互いを結びつける力を持つ一方、女性を不妊にする力も持つ。さらに人の姿を恋人が満足する姿に変える力を持ち、人間の情愛を弄ぶ。公爵
17ボティス(Botis)、オティス(Otis)60の軍団を率いる醜悪な蛇。ルシファーに並ぶ最古参の悪魔。エデンの園に侵入し、アダムとイブに「知恵の実」を食べさせたといわれる。伯爵・総裁
18バティン(Bathin)、バティム(Bathym)、マルティム(Marthim)30の軍団を率いる悪魔。ルシファー第二の使い魔であり、並び立つもののない瞬間移動の使い手。パティンと聞くとスター・ウォーズシリーズのパルパティーン議長が思い浮かぶ。もしかするとジョージ・ルーカスが悪魔の名前から思いついたのかもしれない。公爵
19サレオス(Saleos)、サロス(Sallos)、ザレオス(Zaleos)、ザエボス(Zaebos)30の軍団を率いるワニに乗った悪魔。なお、足の速いワニは時速50kmで走るといわれており、ウサイン・ボルトよりもはるかに速い。ただし馬が全力で走ると時速70kmほど出せるため、逃げ切るチャンスはある。公爵
20プルソン(Purson)、ピュルサン(Pursan)、キュルソン(Curson)22の軍団を率いる悪魔。楽器の音色と共に軽やかに進む。ライオンの様な顔をしている。
21モラクス(Morax)、マラクス(Marax)、フォライー(Foraii)、フォルファクス(Forfax)36の軍団を率いる悪魔。男の顔を持つ雄牛。ミノタウロスと同じルーツと考えられる。召喚者に天文学等の知識と使い魔を与える。伯爵
22イポス(Ipos)、イペス(Ipes)、アイポロス(Ayporos)、アイペロス(Ayperos)36の軍団を率いる悪魔。ライオンの頭、ガチョウの足、ウサギの尻尾を持つ。ガチョウの頭と脚、ウサギの尻尾を持ったライオンの場合もある。攻撃的な性格。君主
23アイムまたはエイム(AimまたはAym)26の軍団を率いる悪魔。蛇、人間、猫の頭を持つ。人間の顔は額に二つの星があるハンサム。毒蛇に騎乗し、都市や城、宮殿に火を放つ。猫の頭を持つバステトとの関係が仄めかされている。公爵
24ナベリウス(Naberius)、ナベルス(Naberus)、ケルベロス(Cerberus)19の軍団を率いる悪魔。ギリシャ神話のケルベロスのように3つの犬の頭を持つが、身体は貴族然としている。地獄の中でも随一の降霊術(ネクロマンシー)の使い手。侯爵
25グラシャ=ラボラス(Glasya-Labolas)、カークリノラース(Caacrinolaas)、カーシモラル(Caassimolar)36の軍団を率いる空飛ぶ犬。殺戮を引き起こす、全ての殺人者の指揮官(キャプテン)。ファイナルファンタジー8においては、ドクロのような顔を持つ列車の姿をしていた。伯爵
26ブネ(Bune)、ビム(Bim)、ビメ(Bime)30の軍団を率いるドラゴンの悪魔。犬・グリフォン・人間の3つの頭部を持つ。死体を操る能力を持ち、召喚者に人を死に至らしめる呪文や様々な知恵、会話術を与える。公爵
27ロノウェ(Ronove)、ロネウェ(Roneve)、ロンウェー(Ronwe)、ロノベ(Ronobe)19の軍団を率いる怪物。ねずみのしっぽをもつゴブリンのような存在。言語の知識と友情を授ける。07th_Expansion制作の同人ゲーム「うみねこのなく頃に」では執事として書かれた。侯爵
28ベリト(Berith)、ベアル(Beal)、ボフリ(Bofry)、ボルフリ(Bolfri、Bolfry)26の軍団を率いる嘘つきの騎士。赤い馬と真紅の鎧がトレードマーク。殺人と虐殺、冒涜と拷問を司る悪魔ともされ、人間を殺人と冒涜に誘う悪魔。。公爵
29アスタロト(Astaroth)、アシュタロト(Ashtaroth)、アステロト(Asteroth)40の軍団を率いる竜を使う悪魔。ギリシア語ではディアボロスと呼ばれる。グリモワール「大奥義書」「真正奥義書」においてはルシファー・ベルゼビュートと並ぶ3人の支配者の1人とされ、サルガタナスおよびネビロスという配下の大悪魔とともにアメリカに住まうとされる。公爵
30フォルネウス(Forneus)29の軍団を率いる海の怪物(鮫や海竜)の姿をした悪魔。軍団には天使を含む。人間にカリスマ性を与える。修辞学、言語、命名に関する知識と、素晴らしいネーミングセンスを持ち、小説家が垂涎する悪魔。侯爵
31フォラス(Foras)29の軍団を率いる男の悪魔。ハーブと宝石の知識に精通する。召喚者に対しては知識だけを与えるのではなく、持続的な研鑽・学習方法を教える。総裁
32アスモデウス(Asmodeus)、アスモダイ(Asmodai, Asmoday)72の軍団を率いる大いなる「好色」の悪魔。槍をかかげ地獄の竜にまたがる。七つの大罪を司る七大悪魔の一員としても有名である。
33ガープ(Gaap)、タプ(Tap)66の軍団を率いる強大な悪魔。四人の強大な王を従えて人間の姿で現れるとされる。感情の掌握を得意とし、角とコウモリの翼を持つデーモン。「太陽が南の星にあるときのみ」召喚に応じる。君主
34フールフール(Furfur)26の軍団を率いる燃えるような尾を持つ鹿の悪魔。男女の愛を深める能力や、雷や嵐を呼び寄せる能力を持つ。伯爵
35マルコシアス(Marchosias)、マルコキアス(Marchocias)30の軍団を率いる狼の悪魔。欺瞞を嫌う正直者で、強力な戦士。侯爵
36ストラス (Stolas) 、ストロス (Stolos) 、ソラス(Solas) 26の軍団を率いる鴉、ゴイサギ、あるいはフクロウの悪魔。自然に関する知識を持つ。頭に王冠をおいた脚長フクロウの絵が有名で、ゆるきゃらのようである。君主
37フェネクス(Phenex)20の軍団を率いる不死鳥の悪魔。優れた詩の作り手。天国にいるとされる7体のフェニックスと同じ姿であらわれる。侯爵
38ハルファス (Halphas) 、ハルパス (Halpas)、マルサス (Malthus, Malthas, Malthous)26の軍団を率いるコウノトリの悪魔。兵站と補給のスペシャリストで武器弾薬を満たし、意図した場所に軍勢を送り込む能力を持つ。伯爵
39マルファス(Malphas)40の軍団を率いるカラスの悪魔。建築技術の継承者で城塞都市を建築する能力を持つ。カラスは7つの大罪の「強欲」を司る。総裁
40ラウム(Raum、Ralm)、ライム(Raim,Raym)30の軍団を率いるカラスの悪魔。宝物を転送させる能力と、街を破壊する能力を持つ。カラスは7つの大罪の「強欲」を司る。伯爵
41フォルカロル(Forcalor)、フルカロル(Furcalor)30の軍団を率いる水域に住む公爵。風と海を支配し、人々を溺死させ、軍艦を転覆させる力を持つ。1000年後、天使に復位することを夢見ている。公爵
42ウェパル(Vepar、もしくはVephar)、セパル(Separ)29の軍団を率いる人魚の悪魔。海に大嵐を巻き起こしたり、船団の幻を出現させる能力を持つ。また、人に傷を与えたり、治癒したりできる。公爵
43サブナック(Sabnac、Sabnachまたは、Sabnack)、サブナッケ(Sabnacke)、サブノック(Sabnock)、サヴノック(Savnok)、サブラック(Saburac)、サルマク(Salmac)50の軍団を率いるライオンの騎士。青ざめた馬にまたがり、何日も治らず蛆のわく傷を与える能力を持つ。ヨハネ黙示録の第4の騎士を想起させる。侯爵
44シャックス(ShaxまたはChax)、スコクス(Scox)、シャン(Shan)、シャス(Shass)、シャズ(Shaz)30の軍団を率いるヒメモリバトあるいはコウノトリの悪魔。召喚者の命に応じて人の視覚・聴覚・理解力などの知覚を奪い去ったり、金や馬を盗み出す力を持つ。魔法陣の中以外では嘘を付く。侯爵
45ヴィネ(Vine)、またはヴィネア(Vinea)36の軍団を率いるライオンの獣人。建築物に関わる知識を持ち、塔を建築したり城壁を破壊する能力を持つ。
46ビフロンス(Bifrons)26の軍団を率いる実態不明の悪魔。死体を入れ替えたり、墓に灯を灯す能力を持つ。降霊術やネクロマンシーと関連付けられる悪魔。伯爵
47ウヴァル(Uvall)、またはウアル(Vual)、ヴォヴァル(Voval)、ワル(Wal, Wall)ラクダの悪魔。友愛を授ける。どんな女の愛も勝ち取る能力を持つが、召喚者に与えるかは気分による。公爵
48ハーゲンティ(Haagenti)、ハゲンティ(Hagenti)33の軍団を率いる牛の悪魔。賢人を生み、錬金術を教える。金属を黄金に変えたり、ワインを水に、水をワインに変える能力を持つ(古来、ワインは神の血とされ価値のあるもの)総裁
49クロケル(Crocell、Crokel)、プロケル(Procel)、プケル(Pucel)、ポケル(Pocel)48の軍団を率いる天使の姿をした悪魔。鉱泉の達人。水をお湯に変えることができ、温泉をたくみに発見する。公爵
50フルカス(Furcas)20の軍団を率いる老騎士の悪魔。白髪と長いあごひげを蓄えた残忍な老人。哲学や占星術に優れる。騎士
51バラム(Balam)40の軍団を率いる3つ首の悪魔。第一の頭は牡牛、第二の頭は人間、第三の頭は牡羊。策略に長けた悪魔で、堕天する前は主天使だったと言われる。
52アロケル(Allocer、Alocer)、アロケス(Alloces)、アロカス(Alocas)36の軍団を率いる獅子の獣人。瞳の中に覗き込んだものの死に顔を写す。天文学や教養学を与える。公爵
53カイム (Caym または Caim)、カミオ (Camio)ツグミの悪魔。口がうまい弁舌家。鳥のコスプレをしたおっさんの姿であらわれる場合もある。総裁
54ムルムル(Murmur)、ムルムス(Murmus)、ムルムクス(Murmux)30の軍団を率いるグリフォンに乗る悪魔。召喚の際にトランペットが鳴り響く。死者の魂を呼び戻す術を持つ。公爵・伯爵
55オロバス(Orobas)20の軍団を率いる馬の悪魔。過去・現在・未来のあらゆる物事について知る。君主
56グレモリー (Gremory)、ゴモリー (Gomory) 、ガモリー (Gamori) 、ゲモリー (Gemory) 26の軍団を率いる女の砂漠悪魔。男の利用の女性を近づける手伝いをしてくれる、恋愛成就の達人。公爵
57オズ(Oze)、オソ(Oso) 、ウォソ(Voso)30の軍団を率いる豹の悪魔。キリスト教において豹は「肉欲と罪」を司る。自分自身や対象の人間を男から女、女から男に変身する能力を持つ。総裁
58アミー(Amy)、アウナス(Avnas)36の軍団を率いる炎の悪魔。使い魔を与える。対象の人間の欲望を操り、召喚者の意のままに篭絡させる能力を持つ。総裁
59オリアス(Orias)、オリアクス(Oriax)30の軍団を率いるライオンの悪魔。占星術の達人。対象の人間を召喚者の望む姿に変えてしまう能力を持つ。侯爵
60ウァプラ(Vapula)、ナフラ(Naphula)36の軍団を率いる空飛ぶライオンの悪魔。哲学、工芸を司る。公爵
61ザガン(Zagan)、ザガム(Zagam)33の軍団を率いる雄牛の悪魔。ワインを水に、水をワインに、そして、あらゆる金属を硬貨に変換する錬金術師。王・総裁
62ウァラク(Valac)双頭の竜に乗る悪魔。27の軍団を率いる。天文学が得意。召喚者に欲するもの全てを与える。しかしヴァラクが最も愛するのは、幸福の絶頂から奈落に突き落とされた惨めで哀れな人間の姿。総裁
63アンドラス(Andras)30軍団の悪霊を預かる鳥の頭の悪魔。無限の破壊衝動を抱き、人々の精神に不和の種を蒔く。敵味方も皆殺しにする超危険な存在。侯爵
64フラウロス(Flauros)、ハウラス(Hauras)、ハウレス(HauresまたはHavres)36の悪霊軍団を従える豹の悪魔。敵を炎で焼き尽くす。過去から未来にわたるすべての事象の真実を知る。召喚者に世界創造からのあらゆる真実を授ける。公爵
65アンドレアルフス(Andrealphus)、アンドロアルフス(Androalphus)30の軍団を率いる孔雀の悪魔。数学者。召喚者に幾何学、測量技術、天文学のすべての知識を授ける。人を鳥にしていまう能力を持つ。侯爵
66キマリス(Kimaris)、キメリエス(Cimeries)、キメイエス(Cimeies、Cimejes)20の軍団を率いる威風堂々とした黒馬に跨った勇猛な騎士。悪霊たちを統べる。文学、倫理学、修辞学、語学のすべてを召喚者へ授ける。小説家としては出会いたき悪魔。侯爵
67アムドゥスキアス(Amduscias)、アムドゥキアス(Amdukias)、アムブスキアス(Ambuscias)、アムドゥシアス(Amdusias))ユニコーンの悪魔。29の軍団を率いる。音楽的な悪魔。後世においては、音楽的な才能を与えてくれる存在として崇められる。公爵
68ベリアル(Belial、Beliar、Berial)80の軍団を率いる貴公子の悪魔。二枚舌を持つ。悪徳に優れる。キリスト教にも同じ名前の悪魔が存在。そちらは「無価値(beliya’al)」を意味し、サタンと同格とされる。
69デカラビア(Decarabia)、カラビア(Carabia)五芒星の姿をした悪魔。30の軍団を率いる。望まれれば人の姿にもなれる。植物や鉱物、鳥類に関する力を持つ。もとは心優しい人間だったが、人に絶望して悪魔と成ったのかもしれない。侯爵
70セーレ(Seere)、セアル(Sear)、セイル(Seir)美男子の悪魔。全地球を一瞬のうちに駆け、ものを運び、あるいは移動させる。26の軍団を支配する。階級に君主とあるように。悪魔の中でも「いいやつ」「献身的」なイメージを有する。君主
71ダンタリオン(Dantalion)、ダンタリアン(Dantalian)36の軍団を率いる幾多の顔を持つ悪魔。メンタリスト。幾多の顔を持つという点から幼女から老人まで容姿を変える設定も面白い。公爵
72アンドロマリウス(Andromalius)正義を司るヘビの悪魔。千里眼を有し、地獄の36の軍団を率いる序列72番の大いなる伯爵。※正義を司るところから悪を裁く意味で使われることも。アンドロマリウス 1 
伯爵

どんな設定が作れるか

 これを参考にどんな設定が作れるでしょうか?

 悪魔の中で派閥(宗教間で悪魔のリーダーが違うように)を作って争わせたり、現代人が悪魔の組織のリーダーになってしまったりなどの設定が作れますね。

 悪魔側の勇者が、欺瞞に満ちた教会を成敗していくなどのストーリーは面白そうですね!

 

まとめ

 今回の記事をおさらいします。

  • 宗教によっていろんな悪魔が存在する
  • 悪魔は人間を誘惑し堕落させる存在である
  • 悪魔には軍隊があり、大勢の悪魔が軍隊を構成している
  • 悪魔には階級が存在し、昔の貴族制度を彷彿させるような形態である

 という内容でした。

 悪魔の存在は明らかに創作ですが、貴族制度に近しいものを入れることによって現実感が増し、昔の人々は悪魔を信じていたことでしょう。

 ファンタジー小説においても同じことが言えると思います。嘘の中に本当を混ぜることによってはじめて、読者は空想の世界への没入感が得られると私は考えます。

 なので、ファンタジーだから現実のものは一切入れないというのではなく、ぜひ、現実世界のものを入れてみるといいのではないでしょうか。

 バランスは難しいですが、きっと作品がより良いものになると思います!あなただけの物語を紡ぎましょう!

 

 他にも物語の設定づくりに役立つエントリーを書いています。もぜひ見てください!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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