感情移入できる小説の書き方〜「ハリウッド式3幕構成」〜
人を感動させる物語が書けたら素敵ですよね。
映画やアニメ、小説を読んで、感動して涙を流した経験は誰でもあるはず。自分もそんな作品を生み出せたら……なんてのは小説書きの想いです。
実のところ感動は、人間の心理をうまく刺激することで引き起こせる状態のようです。
本エントリーではハリウッド式3幕構成をもとにして、感動の作り方、物語で感動してもらう方法を書いていきます。こちらのエントリーを読めば、ハリウッド式3幕構成が起承転結とリンクしていることもわかります。
「ハリウッド式3幕構成」とは
第1幕:物語の状況を伝える(コミットメント)
第2幕:問題が発生。主人公の葛藤(痛みの共感)
第3幕:問題を乗り越えてハッピーエンド(感動する話)
ポイントは以上の3点です。
各幕で重要なことを書いていきます。
第1幕では主人公への感情移入を促すことが重要です。
感情移入をうながすためには、
・主人公の好感度を上げる
・主人公の共感度を上げる
必要があります。
「好感度×共感度」が感情移入の度合いになると考えてもらっていいでしょう。そして主人公に感情移入をしてもらえたら、主人公の将来に希望をもたせてみましょう。これは第2幕でギャップを生み出す源泉となります。
第2幕では
・解決が絶望的に難しい問題を示す
・主人公の感情を出させる
ことが重要です。
第1幕とのギャップが見ている人の感情を揺さぶり、第3幕で解決した時に感動を呼びます。
第3幕では
問題を解決します。
誰も傷つけない方法で、主人公のポリシーを曲げない形で問題を解決するのが好ましいです。
「情熱や熱意」「人間関係」「知恵」
など、人が誰もが好意を持つ解決方法を日々メモしておきましょう。
感動させる三幕構成の書き方
①状況説明(主人公は誰なのか?ここはどこなのか?次に繋がるイベントは?)
※読者に主人公へ好印象をもってもらうこと、主人公へ共感してもらうこと。主人公の目的を明確にし、希望を与えておくことが、②でギャップを作り出すための前フリになります。
主人公は誰なのか?ここはどこなのか?を書くことが起承転結の『起』とするならば、次に繋がるイベントを書くことが『承』になります。
私が最近気に入っている
『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』の1話で例えると、
後藤さんに振られて自暴自棄になっている状況が『起』で、
『電灯の下に、人がうずくまっていた。』からが『承』です。
②絶望的な問題発生
※主人公が苦しみ葛藤する様を、感情むき出しで描いていきます。自分の行動が原因でも、周囲の環境が原因でも構いませんが、もとの状態(①の最初)に戻れなくなる点を書きます。
起承転結でいうところの、『転』ですね。
③問題を乗り越える
※クライマックスの部分になります。②で発生した問題を解決していきます。感動してもらうためには、下記の方法をつかって問題を解決すると良いです。
「情熱や熱意」→主人公の情熱や熱意が、問題を解決します(諦めず続けたことでライバルに打ち勝つなど)。
「人間関係」→誰かに助けてもらうことで、問題を解決します(ライバルや仲間が集ってきて敵を打ち倒すなど)。
「知恵」→これまで思いつかなかった発想で問題を解決します(自分の能力を組み合わせることで、相手を倒せることに気づくなど)。
起承転結でいうところの、『結』にあたります。
三幕構成の組み立てとしては以上になります。実は起承転結ともリンクするんですね。
まとめ
物語の書き方にルールはないですが、基礎知識として、こういった技術を学んでおくと、プロットの作成時などに悩む時間を短縮できるかもしれません。そしてぜひ一度、学んだ技術をつかって物語を書いてみてくださいね。
以下のエントリーでは起承転結・序破急・ハリウッド式三幕をまとめて解説しています。ご参考に。
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