【ダニング=クルーガー効果】自分の作品がつまらない時にやめるのは勿体ない!拙著とへりくだりたい気持ちの原因も

2020年5月16日

こんにちは。

Twitterで小説家さんのアカウントを覗いていると、自分の作品を「大した作品ではないですが」とか「つまらないものですが」とへりくだって紹介している方が見受けられます。
そういう作家さんの作品に限って、読んでみたら「面白い!」と感じることがあります。

一方で、自分の書いた作品についても、昔書いたときは面白いし上手い!と思っていた作品が、今見たらつまらないものに見えたり。今書いている小説が急につまらないものに見えたりします。

これらの心理は、ダニング=クルーガー効果で説明がつくかもしれません。

本エントリーでは、自分の能力を見誤る原因となるダニング=クルーガー効果について説明します。そして読者にうまくアピールするための方法も書いていきます。

ダニング=クルーガー効果とは

能力不足の人ほど、自分の能力不足に気づけない」ことをダニング=クルーガー効果と呼びます。

ダニングとクルーガーという2人の研究者が、下記の実験で明らかにしました。

【方法】
①学生に対し、帰納的演繹的なロジカルシンキングスキルや英語の文法などのスコア化できる試験を実施。

②自分がどのくらいのスコア取れたかを自己評価させる

③実力と自己評価の差分を計測

【結果】
①~③を実施した結果、有能な学生達は自身の順位を実際より低く評価したが、無能な学生達は自身の順位を実際より高く評価した。

※「無能な学生達は」といいますが、実際にはほとんどの人が自身の順位を高く評価しています。実力がないほど自己評価の乖離が大きいということです。

グラフ化すると下記のような形になります。

ここから、「能力不足の人ほど、自分の能力不足に気づけない」ことをダニング=クルーガー効果と呼ぶようになりました。

上記の研究はダニング=クルーガー効果が発生する原因や、対策についても分析をしています。特筆すべきは以下の2点です。

1.有能な学生は、自分達が容易に実行できたタスクは、他人にとっても実行は容易であると誤って推測した。

2.有能でない学生達は、不足していたスキルの最小限の指導を受けることで自己評価の精度を向上させた。

特に2.が重要な情報です。
「不足していたスキルの最小限の指導」で変わったということは、自己評価が上手にできないのは、評価のための知識や基準がわからなかったから、と考えられます。これが次の話につながってきます。

自分の作品が下手に見えるのは?

「自己評価が上手にできないのは、評価のための知識や基準がわからなかったから」

え?評価のための知識や基準がわからなかったら、自分のことを高く評価することなんてないでしょ?
と思われるかもしれません。

ですが小説書きの皆さんなら、身に覚えがないでしょうか。

「凄くいい作品が書けた!とはずが、思ったより評価されない」
「時間がたってから見返すと、あれ?なんで自分はこれでいいと思ってたんだろう」
などなど
過去の自分が無能に思える場面。

これは、あなたの実力があがって、自分のことを性格に評価できた結果かもしれません。

つまり自分の作品が下手に見えるのは、下記を学んだ結果ともいえます。
・評価のための知識
→例えばこのブログでも紹介しているような、小説の書き方の方法論です。

・評価のための基準
→例えば小説家になろうなどで連載されている人気作を読んだ経験です。

こう考えると、自分の作品が下手に見えるのは、着実に実力があがっている(あがった)結果ではないでしょうか。

自分の作品が下手に見えることを、嘆く必要はない

自分の作品が下手に見えることを、嘆く必要はないと思います。

物事をつづけるときに、途中で投げ出してしまう理由のひとつが、ダニング=クルーガー効果だとも言われています。イラストや小説など、簡単に書けるだろうと思って始めたことが、少しかじってみると難しく……。自分の実力の無さがわかり、上手い人の凄さがわかって打ちのめされ、絶望して投げ出してしまうということですね。

とてもつらい時期ですが、これを乗り越えれば真の実力がつくという意味でもあります。大事なのは

・評価のための知識や基準を取り込み続けて、自分自身の作品にフィードバックしていくこと。
・感想をもらって、読者のみている部分や、自分自身で気づかなかったことに気づき、直していくこと。

これらを心がけて、実力を身につけることが大事ですね。

読者にうまくアピールするためには?

実力のある人ほど、「つまらないものですが」のように、自分の作品を低く見積もりがちです。

これは自分の実力と理想の乖離が正確にわかっているため、「自分の理想と比べればつまらないものですが」という意味です。

ですが最近は、文面通りうけとる読者もいるようです。
つまらないものですがと紹介されたものは、本当につまらないのだと。
(ちょっと信じられませんが)

「拙著」という謙譲語を、文面どおり受け取って つたない著作 と受け取る読者もいると聞きます。

文章書きからすると、そこは察してよ……と思いますが、ちゃんと言葉を使える人が減っているのかもしれません。Twitterなどの裾野の広いメディアで宣伝する場合は、そういった配慮が必要ですね。

では、実際どうするのかというと、恥ずかしいし大言壮語はわかっているけど、無理して胸張るしか無いですね。

困ったときは私のこの宣伝文を見て勇気を出してください。私史上最高の傑作というパワーワードに負けないよう、頑張ってまいります。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
皆様のお役に立てれば幸いです。素敵な物語ライフをお過ごしください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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