神官や僧侶の役目について詳しく解説!ファンタジー小説の設定に使おう!

 「神官や僧侶の役目」は、ファンタジー小説の世界観設定において、重要な要素になります。例えば、中世の村の神官が「医者としての側面を持っていた」と知っておくだけでも、ファンタジー世界に登場する医師や、神官と村人の関係性はまるで異なってくるからです。

 本記事では、そんな神官や僧侶の役目について深堀りをし、ファンタジー世界と聖書者たちの関係性について解明していきます。本記事を読んで、ファンタジー小説を作る際の参考にしてくださいね。

ファンタジー世界における神官や僧侶の役目とは?

 ファンタジー世界において、神官や僧侶と言った聖職者の役目といえば、「治癒・治療」というパターンが多いと言えます。なぜなら、古代の神職が「治療者」だったからです。

 では、ファンタジー世界における彼ら聖職者の特徴を、特に「治療者」としての観点から見ていきましょう。

シャーマン

 まずは古代の神職、「シャーマン(巫師・祈祷師)」と呼ばれる人々について解説します。シャーマンは、トランス状態に入ることで、超自然的存在(霊、神霊、精霊、死霊など)と交信する能力を持つ人物を指します。

 つまりシャーマンは、高位の霊に依頼することで、病気の治療にあたっていたのです。それ以外にも、シャーマンは薬草の知識も豊富で、論理的(科学的)な治療に関しても、知識・技術面共に精通していました。

 また、古代において病気は「悪霊の憑依が原因」あるいは「罪の報いで病になる」といった考えが存在しました。この考えからすると、悪霊払いを生業とする神職は、現代の「病気の治療」とほとんど同義・同価値、あるいはそれ以上の行為であったことが分かります。

司祭と魔女

 中世ヨーロッパにおける「村の司祭」も、現代の医師のような役割を兼任していました。その理由は、司祭が村の中において、ほぼ唯一の「知識階級」であったからです。

 つまり、村の人は困ったことがあると、「病気の悩み」に関してもすべて、司祭に相談していたのです。そのため、司祭は適切な回答をできるように(できなければ信用を失う)、「治療の知識」に関しても心得がありました。

 そうした当時のキリスト教の司祭のライバルは、「村の魔女」です。彼女らは、キリスト教以前の古代宗教の巫女の末裔で、「薬草治療」などを行っていました。

 つまり司祭の立場は、魔女よりも優秀であることを見せつけるか、あるいは魔女を排除しなければ、いつまで経っても「司祭としての地位が安定しない」ことになります。かの有名な「魔女狩り」も、あるいはそうしたところに理由が隠れているのかも知れません。

僧侶

 では「日本の僧侶」はどうなのでしょうか?実は日本の僧侶も、シャーマンや司祭と同じように、積極的に「病気の治療」を行っていました。僧侶による加持祈祷(かじきとう)は、敵を呪うときにも行われましたが、最も多いのは病気の治療だったのです。

 平安時代では、医師・薬師による治療よりも、加持祈祷による「呪術治療」のほうが信頼されていた。いかに現代の考え方(あるいは科学の進歩)と、中世以前の考え方に、差があるのかが分かります。

現実世界(現代)における神官や僧侶の役目とは?

 現代における神官や僧侶の役目は、「治療者」としての側面は希薄になり、本業である「信者の信仰活動への奉仕」がほぼすべてと言っていいでしょう。なぜなら、現代は科学の進歩が目まぐるしく、「神的」「悪魔的」な力に頼らなくても、「病院に行けば病気を治すことが可能」だからです。

 科学的に効果が証明された「効果のある特効薬」と、科学的には無意味(あるいは有害)な「神の万能薬」を並べられた時、例えその神の信徒であろうと、「神の万能薬」に手を伸ばす人は少ないのではないでしょうか?

 だからこそ現代の聖職者は、「病気の治療」からは遠ざかり、「信仰活動への奉仕や勧誘」に重点が置かれていると言えるでしょう。

 違う見方をすれば、現代は「科学的すぎて」、自由が魅力のファンタジー小説には、不向きな世界であることが分かります。

神官や僧侶の起こした奇跡について

 神官や僧侶の起こした奇跡の中で、特に有名なのがイエス・キリスト(聖職者)による「奇跡」が挙げられるでしょう。

 例えば、「ヨハネによる福音書」にこんな話があります。イエス・キリストは、エルサレムで生まれつき盲目の人に対して、「目に、唾と土をこねたものを塗り、シロアムの池(新約聖書に登場する池)で洗いなさい」と告げたのです。それを実践した彼は、盲目だったはずの目が見えるようになります。

 他にも、同じ「ヨハネによる福音書」の話に、イエス・キリストが死者を生き返らせた話があります。それは、キリストの友人であるラザロが病気で死んだときのことです。キリストはラザロの病気の話を聞き、見舞いに駆けつけました。しかしそのときにはもう、ラザロが葬られて四日が過ぎていたと言います。するとキリストは、ラザロの墓前で涙を流しながら、「ラザロ、出てきなさい」と言ったそうです。すると、死んだはずのラザロが蘇ったのです。

 他にも、キリストの奇跡は山のようにあります。それは「病気・怪我の治療」はもちろん、「悪霊の退散」「罪人の罪の浄化」など、その種類も様々です。

 それらが真実なのか、作り物なのかは誰にも分かりませんが、少なくとも「空想」や「幻想」を旨とするファンタジー世界と、「イエス・キリスト」や「キリスト教」が、とても相性が良いことだけは分かります。

まとめ

 内容を簡単にまとめると以下の通りです。

  • ファンタジー世界において、神官や僧侶の主な役目は、「病気の治療」
  • 現実世界(現代)において、神官や僧侶の主な役目は、「信者の信仰活動に対する奉仕」
  • イエス・キリストは過去に様々な奇跡を起こしたとされ、ファンタジー小説と相性が良い

神官や僧侶の役目について知り、ファンタジー小説の世界観設定に活かしましょう!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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