「100日後に死ぬワニ」の人気が出た理由

2020年3月21日

こんにちは。

2019年12月12日から連載が始まり、大反響を起こした『100日後に死ぬワニ』が2020年3月20日に完結しました。

・記念すべき第1話

続きはきくちゆうきさんのアカウントで御覧ください。

※世界のトレンド1位となった100日目は下記です。

 99日目に書籍化が発表され、100日目完結後にいきものがかりさんとのコラボ動画、追悼グッズの販売、さらには映画化発表と立て続けにメディアミックスが発表されました。これからも盛り上がっていくワニくんの活躍に期待です。

 このエントリーは、人々をひきつけて止まなかった『100日後に死ぬワニ』から、人気が出た理由を学んで、自分の創作に役立てるエントリーです。

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1-1.人気がでた理由

私も1日目からワニくんを見てきて、人気がでた理由として、下記の要因があると感じました。

・100日間、毎日19時に投稿
・無料
・4コマという読みやすい形態
・100日で終わることが確定していた
・ほのぼのとした日常漫画の行き着く先が死、というギャップ
・ワニくんがいいやつ
・最後は読者の想像にまかせる終わり方

それぞれ解説します。

・100日間、毎日19時に投稿
→100日間、休まず続いたのが素晴らしかったです。毎日続きが見られるということで、みんな興味を持ち続けられたのだと思います。
投稿時間が19時とわかっていたので、99日目の後などは、あと何時間で死ぬ・・・!というスレッドも沢山立っていました。それでいて100日目は30分ほど投稿が遅れたりして、皆さんの期待を盛り上げる効果もありました。

・無料
→言わずもがな、誰でも読めるところが重要でした。

・4コマという読みやすい形態
→10秒もあれば読める4コマ漫画でした。忙しい社会人の日常にも入ってきやすかったですし、読みそこねても特に問題なく、気がついた時にまとめて読めます。

・100日で終わることが確定していた
→終わりがあるから人はついていこうという気になるのだと思います。実際に100話で完結したのも好印象でした。

・ほのぼのとした日常漫画の行き着く先が死、というギャップ
→何でもない日常すぎて、最初はつまらないと感じるほどでした。けれど日が経つにつれてワニくんの何でもない日常が愛おしくなってきます。死なないでと感じるようになりました。

・ワニくんがいいやつ
→子どもをあやしたり、ひよこを助けたり、お年寄りに席を譲れる優しさと、肉を備蓄しようとしてやっぱり食べちゃう愛嬌があります。一人前に恋をして、勇気を出して告白して彼女をつくる勇気もあります。大きな口を開けて笑う顔が素敵で、友だちに恵まれ、職場にも恵まれます。こういういいやつだからこそ、最後が気になりました。

・最後は読者の想像にまかせる終わり方
→死ぬ瞬間を直接的に描くのではなく、歩きスマホなのか、ひよこを助けて跳ねられたのか、そして跳ねたのは赤い車なのかトラックなのかネズミなのかもわからない描き方になっています。これが考察ブームを巻き起こしました。天才は一番つまらない話を最終回にもってくるという島本和彦さんの漫画がありましたが、ワニくんは99話までつまらない日常で惹きつけ、最後が一番面白かったと思います。

1-2.独創的な点

100話の着地点が示されていた部分と、99話までの展開と100話目の展開のギャップですね。

なにより100話目に期待通り死んだことが良かったと思います。下記のエントリーでも書きましたが、あるべきところに納まる物語を、人は美しいと感じるのでしょうから。

また、数秒で読める4コマ漫画で、読者の日常に入り込むことができた点も大きいですね。

1-3.小説に活かす

漫画のように数秒で読者の日常に入り込むというのは難しいですが、小説でも着地点を示し、ギャップを生み出す手法は使えると考えています。つまり100話で〇〇になると最初に示しておき、〇〇と想像もつかない場所で99話まで物語を展開するということです。

例.100日後に魔王を倒す勇者

99話目まではひたすらスローライフを描く。魔王の存在はほのめかしても、主人公が魔王を倒す素振りは全く見せない(魔王が主人公の友達とかでも良いと思います)。魔王に挑むような勇敢さがなく、怖がりで少し優しいくらいの勇者だとなお良いでしょう。100話目とのギャップが大事です。

100話目に唐突に魔王を倒す。

これを1日1000文字程度、何ならTwitterの1投稿140文字で、同じ時間に投稿し続けたら、もしかしたらバズるかもしれません。

まとめ

本エントリーでは話題となった『100日後に死ぬワニ』から、人気が出た理由を学ぶエントリーでした。私が特筆したいポイントは下記です。

・1話目で100話目(最終話)の着地点が示されたこと
・99話までの展開と100話目の展開のギャップ

これは自分の作品にも活かしていきたいですね!

※100日目に公開されたいきものがかりさんとのコラボ動画のクレジットに電通の名前があったということで、一波乱ありました。それについてはこちらのエントリで記載しています。

大反響で終了した「100日後に死ぬワニ」ですが、100日目完結後に公開された、いきものがかりさんとのコラボ動画のクレジットに電通の名前があったということで、電通案件では?と批判を受けています。

Twitterでは、「さも個人でつくっているような雰囲気を出しておいて、最初から電通案件だったのではファンを裏切っている」といった痛烈なコメントが溢れていました。

このエントリーでは、「100日後に死ぬワニ」が批判されている理由について書いていきます。

※ちなみに、私の意見としては、作品自身に罪はない(むしろ人気の出る理由がある作品)と考えてます。詳しくは下記エントリーで。

批判されている理由

批判されている理由としては、下記になると考えます。

・個人でつくっているように見えて、実際は電通案件だった(と見える)不透明感
・一番盛り上がったところで電通の名前を出し、クリエイターの名誉を電通がかっさらっていった感

 読者は、100日目にワニくんが世界のトレンド1位になったことを喜んだと思うんです。僕たちがワニのコンテンツを育てたんだ!と。

 けれども100日目に公開されたMVに電通の名前があって。「情弱」という言葉に込められた侮蔑的なニュアンスからも分かる通り、メディアにノセられていたと思われることへの嫌悪感が生まれ、恥をかかされたと感じ、ワニくんを憎むようになってしまったのだと感じます。

※Twitterって情報感度の高い人が集まっていると思うので、「100日後に死ぬワニ」ってすごい作品だから見てみろよ、と周りに進めていた人たちもいると思うんです。それで100日目のあの展開ですから、その人たちが電通のまわし者みたいになってしまって「いや俺は違うよ、電通あのやろう許さんギギギ」と憎しみを抱えている構図が目に浮かびます。

 今の時代、誰しもにプライドがあると思うんですね。自由へのこだわりもつよく、感情を弄ばれたと感じたら、強く反発します。

 そのうえ今回は、完結後にPRが電通とわかりました。最後まで名前を出さなければよかったのに、わざわざ電通であることを主張したのは反発を買いましたね。
 ワニを世界のトレンド1位にしたのは俺たちだ、すごいでしょ感が出てしまって。僕も違和感がありました。ファンやクリエイターがつくりあげた功績を電通の手柄にされたような思いがしたからです。

 作品自体には罪はないし、素晴らしいものだったと思いますが、今の時代マスマーケティングに対しては、何もしていないように振る舞うべきと思います。誰かの手のひらの上で転がされるなんて、嫌なんです。権力を振りかざしてくる存在が、嫌いなんです。

101日目以降のワニについて

「100日後にコンテンツが本当に死んでしまった。100日後に死ぬワニってこういうことなんだね」という痛烈な皮肉が言われたりしますが、そこまで壊滅的な事態にはならないのではないかと考えます。

 100日目の漫画のいいねが200万、電通案件と批判されるトレンドのリツイート数がせいぜい5万ということで、全体の5%くらいは批判しているのかな?程度ですので。

 ネット上の悪評は人気の裏返しでもありますから、ワニの書籍も映画もそれなりには成功するでしょうし、グッズも売れると思います。けれどTwitterで声の大きい人達からは批判され続けるかもしれません。

 本当に個人的な希望ではありますが、電通が考えを改めるくらいには失敗してほしいと考えています。

 電通ほどの企業なのですから、いまさら名前を売る必要はないと思うのです。企業の名誉のために仕事をするのではなくてコンテンツ、強いてはクリエイターの成功こそが広告代理店の成功だと考え、裏方に徹してほしいです。

まとめ

私が特筆したい人気を失ったポイントは下記です。
・クリエイターの成功を代理店の成功にしようとしてしまった
・お金儲けしたすぎて矢継ぎ早に展開してしまった

これからの時代はクリエイターファーストです。作品の名誉はすべてクリエイターに還元される世界になってほしいですね。きくちゆうきさんの今後の活躍を強く祈っています! 素敵な作品をありがとうございました!

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腰ボロ作家について
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