小説のプロローグの書き方|適切な長さ・6つの型・冒頭ポエムの是非

2025年7月10日

プロローグは小説の最重要ポイントです。

タイトルとあらすじで興味を持った読者が、最初に読む本文。ここで読者を掴めなければ、二度と戻ってきません。

この記事では、プロローグの適切な長さ6つの型冒頭ポエムの是非書くべき要素と避けるべき要素を包括的に解説します。

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プロローグとは

プロローグ(英:Prologue)とは、小説や物語における冒頭のエピソード(導入部分)です。

プロローグはタイトルの次に読者が読む部分であり、読者がその物語を長く読んでくれるかの試金石。プロローグで興味を失った読者は早々に離れてしまい、二度と戻ってきません。

なろうやカクヨムの離脱率データを見ると、1話目から2話目への読者継続率は10〜30%程度。つまり7割以上がプロローグで離脱しています。この数字は、プロローグの生死を分ける重要性を物語っています。

プロローグの適切な長さ

結論:3,000〜4,500字

プロローグの適切な長さは3,000〜4,500字です。これは2つの根拠から導き出されます。

根拠1:紙面の計算

一般的な小説の場合、プロローグに割ける文字数は8〜10ページ。1ページの文字数は532〜756字(文庫本の場合)。

ただし、紙面に対する文字の割合は紙面全体の1/2以内が望ましいとされています。つまり:

> 756字 × 10ページ ÷ 2 = 最大3,780字

根拠2:一息で読める分量

Web小説の1話として適切な長さも3,000〜4,500字。読者がスマホで一息に読み切れる分量です。

紙面の計算とWeb小説の適切な長さ、両方から3,000〜4,500字という数字が出てくるのは偶然ではありません。人間が集中力を保って読める分量が、この範囲なのです。

なろう/カクヨムの実態

なろうランキング上位作品のプロローグを調査すると:

中央値:約3,300字

• 2,500字以下の短いプロローグでランキング入りしている作品は少ない

• 5,000字を超えるプロローグは、1話の読者継続率が下がる傾向

冒頭ポエムの是非

冒頭ポエムとは

スターウォーズのオープニングクロールのような文章を、小説の冒頭に差し込むスタイル。壮大な世界観を演出するために使いたくなりますが、基本的にはNGです。

なぜNGか

冒頭ポエムの最大の問題は、主人公が出てこないこと。

読者は主人公に感情移入しながら本を読み進めます。主人公が出てこないまま文章だけで説明が行われる冒頭ポエムは、読者にとって「誰に感情移入すればいいのかわからない」状態を作ります。

榊一郎さん(ラノベ作家・指導者)はプロローグの要不要について、弟子たちにこう教えているそうです。

> 『それ、一章の冒頭ではいかんの?』と尋ねた上で、物語の世界観提示、主人公の人となりの確定など、物語冒頭で押さえておくべき流れを疎外するなら、『序章に隔離しろ』

つまり、冒頭ポエムがプロローグの「やるべき仕事」の邪魔になるなら、序章として別に切り出すか、そもそも書かない方がいい。

ただし、成功する冒頭ポエムは存在する

一部のケースでは冒頭ポエムが武器になります。成功する条件は4つ:主人公の独白であること、タイトルと対応する問いがあること、読者の日常に密接であること、旬の問いであること。

詳しくは「プロローグが成功する4つの条件」で解説しています。

プロローグの6つの型

プロローグにはいくつかの定番パターンがあります。自分の作品に合った型を選びましょう。

型1:日常崩壊型

主人公の平穏な日常を最初に描き、途中で事件が起きて日常が崩壊する。

向いているジャンル:冒険、バトル、サバイバル

メリット:日常と非日常の落差が大きいほど衝撃が増す

注意点:日常描写が長すぎると離脱される。日常は1,000字以内に抑えて、事件を起こす

型2:事件先行型

いきなり事件の渦中から始まり、後から状況を説明する。

向いているジャンル:ミステリー、アクション、スリラー

メリット:読者は「何が起きたのか」と気になって読み進める

注意点:情報が足りなすぎると読者が混乱する。事件の「結果」を見せてから「原因」を遡るのが定石

型3:出会い開始型

主人公がキーパーソンと出会うところから始まる。

向いているジャンル:ラブコメ、バディもの、師弟もの

メリット:2人のキャラクターが化学反応を起こし、プロローグだけで面白い

注意点:ラブコメの場合、ヒロインは必ずプロローグで登場させる。前日譚を書きたい気持ちは理解できるが、人気が出てから書こう

型4:能力開示型

主人公の特殊能力やチートスキルを最初に見せつける。

向いているジャンル:異世界転生、能力バトル、なろう系全般

メリット:「この主人公すげぇ」という爽快感で読者を引き込む

注意点:能力を見せるだけでなく、なぜその能力が重要なのかを暗示する

型5:回想開始型

物語の中盤〜終盤の場面から始め、「なぜこうなったか」を回想する。

向いているジャンル:文芸、青春、群像劇

メリット:結末の断片を見せることで、「ここに至るまでの過程」が気になる

注意点:回想に入るタイミングを明確にしないと、読者が「いつの話?」と混乱する

型6:独白開始型

主人公の独白(モノローグ)から始まる。

向いているジャンル:一人称小説全般

メリット:主人公の声が直接届くため、キャラクターの魅力が伝わりやすい

注意点:独白が長すぎると「ポエム」になる。500字以内で切り上げて、場面に移行する

プロローグで書くべき8つの要素

3,000〜4,500字のプロローグで、以下の要素を組み込みましょう。すべてを1話に詰め込む必要はなく、6話程度を「実質的なプロローグ」と考えて分散させてもOKです。

1. 主人公の欲求を示す

物語の目的を定めるために、主人公が「何を求めているか」を早い段階で書く。

2. ヒロインの登場(ラブコメの場合)

ラブコメの場合は必須。ヒロインのいないラブコメは、いつまでも始まらないラブコメ。

3. 主人公の善性を示す

弱いものを助ける、仲間を気遣うなど、読者が「この人を応援したい」と感じるシーンを入れる。

4. 主人公の特別さを示す

「コレができるのは主人公だけ」というオンリーワン。近年は冒頭での能力開示の重要度が上がっている。

5. 仲間や家族に愛されていることを示す

人望のない主人公より、友達に囲まれている主人公のほうが魅力的に見える。悪人を書く場合でも、理解者を登場させると良い。

6. 最初の挫折(マイナスからスタート)

何かを失わせる。失ったものを取り返すのが物語の典型。ただし「失敗」ではなく「挫折」。挫折には再起の予感がある。

7. 続きが気になる終わり方

プロローグの最後で新たな謎や展開を提示し、読者を2話へ誘導する。作者にとっても、「続きをどう書くか」が考えやすくなるメリットがある。

8. シンプルに書く

上の7つを全部詰め込もうとしない。「続きが気になる終わり方」は必須として、残りは6話に分散させよう。

プロローグで避けるべき3つのNG

NG1:主人公が出てこない

冒頭ポエム、世界の歴史、神々の対話……主人公不在の冒頭は読者の離脱率を跳ね上げます。

NG2:唐突な戦闘シーンが長すぎる

500〜1,000字程度で主人公の強さを見せるのはOK。しかし数ページにわたる戦闘シーンは、キャラクターへの感情移入がない段階では退屈です。

NG3:主人公の名前が明かされない

「銀髪の男が〜」「黒衣の少女が〜」と固有名詞なしでキャラクターを追わせるのは、読者にとって認知的負荷が高い。名前はできるだけ早く出しましょう。

プロローグを短編小説として書く

プロローグを成功させるための最も実用的なアドバイスは、プロローグを1つの短編小説として書くことです。

• 短編小説には「起承転結」がある

• 冒頭で主人公の「問題」を示し、中盤で展開し、終盤で解決or新たな謎

• 3,000〜4,500字は短編小説として十分な分量

プロローグ単体で「面白かった」と思えるかどうか。それが読者を2話に連れていく鍵です。

まとめ

項目ポイント
適切な長さ3,000〜4,500字
冒頭ポエム基本NG。成功条件は こちら
6つの型日常崩壊/事件先行/出会い開始/能力開示/回想開始/独白開始
書くべき要素欲求/ヒロイン/善性/特別さ/愛情/挫折/続きの引き/シンプルさ
避けるべきNG主人公不在/長い戦闘/名前を隠す
考え方プロローグを「短編小説」として書く

冒頭の一文のテクニックは「小説の冒頭の書き方|名作に学ぶ「最初の一文」の技術」で掘り下げています。

プロローグが完成したら、次は実際に投稿してみましょう。→「投稿前に知っておくべきマナーと心構え

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