異世界サンドイッチ問題を語る【異世界にチートやキリスト、南無三という単語を出してもいい?】
こんにちは。
杞優橙佳です。
今回は異世界サンドイッチ問題を取り上げてみます。
自分は異世界に「サンドイッチ」が登場すると毎回そこで引っかかる。
始まりは、小説家になろうへ投稿された作品の中に、「お陀仏」「アーメン」「チート」という言葉が出てきたことに対する感想でした。
この感想に対し、「語源とか気にしないで割り切って楽しんで」という作者のメッセージが画像つきでツイートされると、メッセージに対していろんな意見がかわされて、トレンドとなりました。
異世界で現実の言葉をつかえる?
言葉選びは作者の個性でもありますから、異世界でどんな言葉をつかうかどうかは作者の自由です。
ですが「語源とか気にしないで割り切って楽しんで」ほしいという作者の思いが表明されてもなお、様々な意見があったということは、揉めるポイントでもあるのでしょう。
もしも異世界で現実の(それも宗教的、現代的な)言葉を使いたい場合、読者に納得してもらえる理由を用意しておいたほうが良さそうです。
ファンタジーに現実の言葉を持ち込むときの理由付け5点
ファンタジーに現実の言葉を持ち込むときの、読者に納得してもらえる理由付けを5つ考えてみました。
①現代人が異世界に転生する
異世界転生が流行っていた理由でもありますね。
言葉選びに敏感な読者に納得してもらいつつ、作者が比較的容易に(中世の資料などを深く調べなくても)表現できる方法が異世界転生だったのかもしれません。
②わかりやすいよう、長さの単位や固有名詞を現実世界の単語に翻訳しているだけというスタンス(事前に告知することが有効)
違和感のある単語が出てきた時に、読者を納得させる理由として有効です。いわゆるグインサーガ南無三問題の解決方法ですね。
「南無三とはもともと南無三宝を語源とする仏教用語で、仏教がないはずのグイン・サーガで出てくるのはおかしい」
→作者 栗本薫は「あとがき」で、日本語で「南無三」に該当する言葉を発したので、それを翻訳しただけとおっしゃっていました。
③異世界の言葉を徹底する
いわゆるファイナルファンタジー13です。
問題は、異世界の言葉を一気に出してしまうと「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」状態になってしまうこと。1話あたり単語1つとか、小出しにしていかなければ読者は脱落してしまいますので気をつけましょう。
④未来および過去、現在の地球を舞台にしてしまう
一度滅んでから、再生した地球を舞台にする。
エーテルが満ちて魔法の使える世界となった地球を舞台にする。
戦国時代や中世ヨーロッパを舞台にする。
VRMMOを舞台にする。
など、地球を舞台にして言葉の違和感を消す方法です。VRMMOはジャンルとしても人気ですし、良い方法かもしれません。
⑤ギャグにしてしまう
5つめはギャグにしてしまうことです。例えばキン肉マンを見てみてください。悪魔がラジカセの姿をしていたり、スプリングの姿をしていますが、誰も違和感を覚えません(ツッコミを楽しむことはありますが)。
銀魂で宇宙人がでてきますが、つっこむと下記のような回答がきます。
ギャグというジャンルは本当に最強です。
世界観を壊さないことが大事
メモリアさんがひとつ良いことを書いていました。
こうした細かい事の積み重ねが、作品の完成度をあげるのだという意見です。微に入り細を穿つようなおもてなしが、人の心をうつともいいますね。
異世界で現実の言葉をつかうかどうかは作者の自由です。ですがシリアスなハイファンタジーで主人公がぴえんと言っている世界は……それはそれで面白いかもしれませんが、少し世界観を崩しているかもしれません。
世界観を壊さない……というのは簡単ではありませんが、中世ヨーロッパ風の世界観に現代的な言葉を持ち込まないだけでも、雰囲気は出せるかと。私も作品を書く時には気をつけたいですね。
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