アンデッドモンスターの種類と起源|ゾンビ・リッチ・レイスなど12種を徹底解説

2022年5月3日

アンデッド(undead)は「死んでいるのに動いている存在」の総称です。生と死の境界に位置するこの存在は、あらゆるファンタジー作品に登場する定番カテゴリーですが、その起源は地域も時代もバラバラです。ヴードゥー教のゾンビ、アラビアのグール、エジプトのミイラ、中国のキョンシー——それぞれまったく異なる文化圏から生まれています。

この記事では、アンデッドを「肉体あり」と「肉体なし」の2系統に分けて12種を整理します。なお、吸血鬼は別記事で詳しく扱っています。

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アンデッド分類チャート

系統種類知性戦闘力自らの意志
肉体ありゾンビ無〜低低(群れで脅威)なし(操られる)
肉体ありスケルトン無〜低低〜中なし〜あり
肉体ありグールあり
肉体ありミイラ(マミー)低〜中あり(呪い駆動)
肉体ありキョンシーなし
肉体ありワイト中〜高あり
肉体ありリッチ極めて高い極めて高いあり(自発的にアンデッド化)
肉体なしゴースト様々低〜中あり
肉体なしレイスあり(悪意を持つ)
肉体なしポルターガイスト低〜中不明
肉体なし鬼火(ウィルオウィスプ)不明
肉体なし怨霊あり(復讐駆動)

肉体ありのアンデッド

ゾンビ(Zombie)

ゾンビの起源はカリブ海域のヴードゥー教です。元は「死体を蘇らせて奴隷として使役する」という呪術的な概念で、ゾンビ自体には意志がなく、ボコール(邪術師)に操られる存在でした。

ゾンビが「ウイルスで大量発生し、人を噛んで感染する」という設定になったのはジョージ・A・ロメロ監督の映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)が起点です。ただし、ロメロはこの映画で「ゾンビ」という言葉を一度も使っていません。「ゾンビ映画」というジャンル名が定着したのは続編『ゾンビ(Dawn of the Dead)』(1978年)からです。

時代ゾンビの定義
ヴードゥー教(17世紀〜)呪術で蘇った死体奴隷。意志なし
ロメロ(1968年)原因不明で蘇った死者。群れで襲ってくる
バイオハザード(1996年)ウイルス(T-ウイルス)感染による変異体
現代作品走るゾンビ、知性あるゾンビ、ゾンビ側視点など多様化

スケルトン(Skeleton)

骨だけで動く死者です。レイ・ハリーハウゼンが特撮で動かした映画『シンドバッド七回目の冒険』(1958年)のスケルトン戦士が映像作品での原点とされます。その滑らかな動きは、ストップモーションアニメの最高傑作の一つに数えられています。

スケルトンに感情や個性を持たせた作品も増えています。『ワンピース』のブルックは「骨だけど音楽家」というユーモアと悲しみを兼ね備えたキャラクターです。

グール(Ghoul)

グールはアラビアの民間伝承に登場する「食屍鬼(しょくしき)」で、元来はアンデッドではなく、砂漠に住む魔物です。墓場で死体を食べ、旅人を誘い出して襲う。男性のグールは「醜い怪物」、女性のグラ(Ghulah)は「美しい女性に化けて誘惑する」とされました。

D&D(1974年)がグールを「アンデッド」カテゴリーに再分類し、以後のファンタジーではアンデッドとして扱われることが主流になりました。『東京喰種(トーキョーグール)』はアラビア原典の「人を食う存在」という要素に回帰した作品です。

ミイラ(Mummy)

エジプトで3000年以上にわたって行われたミイラ作りは宗教的な儀式であり、来世で肉体が必要とされたため保存されたものです。ミイラが「動いて人を襲う」というイメージは映画『ミイラ再生(The Mummy)』(1932年)から始まりました。なお、1932年版のミイラは包帯を巻いていません。包帯で全身を覆ったミイラ=怪物のイメージはその後の映画が作り上げたものです。

「ツタンカーメンの呪い」(1922年の墓発掘後に関係者が相次いで死亡したとされる話)がミイラの呪いの恐怖を増幅させました。ただし、実際に早死にしたのは発掘スポンサーのカーナヴォン伯のみで、発掘者ハワード・カーター自身は1939年まで生きています。

キョンシー(僵尸)

中国の民間伝承に登場する「硬直した死体」で、日本語ではそのまま「キョンシー」と呼ばれます。両手を前に突き出し、跳ねるように移動する独特の姿は、死後硬直で関節が動かなくなった設定に由来します。

道士(道教の祈祷師)が呪符を貼ることで動きを止められる、息を止めれば見つからない(気配=呼吸で人間を探知する)、など独自のルールを持ち、香港映画『霊幻道士(Mr. Vampire)』(1985年、監督リッキー・ラウ)で一躍有名になりました。

ワイトとリッチ

モンスター起源特徴
ワイト(Wight)トールキンの「塚山の亡霊(Barrow-wight)」知性を保った死者。冷気の触れで生者を殺す。『ゲーム・オブ・スローンズ』のホワイトウォーカーの原型
リッチ(Lich)D&Dが体系化魔術師が自らの意志でアンデッドに転じた存在。フィラクテリー(魂の容器)を破壊しないと滅びない。最強のアンデッド

リッチの「フィラクテリー」の概念は『ハリー・ポッター』のヴォルデモートの分霊箱(ホークラックス)と同じ構造です。「魂を外部に保存することで不滅となる」というアイデアはロシア民話のカシチェイ(不死身のコシチェイ)にまで遡るとされます。

肉体なしのアンデッド

種類起源特徴
ゴースト世界共通死者の霊。未練や恨みで成仏できない存在。最も汎用的
レイス(Wraith)トールキン強力な悪意を持つ霊体。『指輪物語』のナズグル(指輪の幽鬼)が代表
ポルターガイストドイツ語「騒がしい霊」物理現象を起こす。物を投げる、家具を動かすなど。映画『ポルターガイスト』(1982年)で有名に
鬼火(ウィルオウィスプ)イギリス沼地で光る謎の炎。旅人を誘い込んで迷わせる。科学的にはリン化水素の自然発火
怨霊日本恨みを持って死んだ者の霊。菅原道真、平将門、崇徳上皇が日本三大怨霊。『リング』の貞子もこの系譜

ポップカルチャーでのアンデッド

作品アンデッドの使い方ポイント
『バイオハザード』シリーズT-ウイルスによるゾンビ化ゾンビを「科学的脅威」に再定義
『オーバーロード』主人公アインズがリッチ(アンデッド)アンデッド側が主人公。「人間味を失っていく」描写が秀逸
『ゲーム・オブ・スローンズ』ホワイトウォーカー+ワイト軍団ワイトが政治劇の「外部脅威」として機能
『ワンピース』ブルック(スケルトン)、ゲッコー・モリア(ゾンビ軍団)アンデッドをコメディとシリアスの両面で使い分け
『ダークソウル』シリーズ不死人(プレイヤー自身がアンデッド)「死んでも復活する」をゲームシステムに組み込んだ

まとめ

アンデッドは肉体の有無で2系統に分かれ、その起源は世界各地の民間伝承に散在しています。ヴードゥーのゾンビ、アラビアのグール、中国のキョンシーはそれぞれ独立した文化から生まれ、D&Dが「アンデッド」というカテゴリーに統合しました。最弱のスケルトンから最強のリッチまで、強さと知性のグラデーションを理解しておくと、物語における脅威のレベル調整にそのまま使えます。


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