シャーマンの定義と5つのタイプ|ファンタジー世界の呪術師を設計する

2022年7月31日

「シャーマン」は、ファンタジー作品において独特の存在感を持つキャラクター類型です。しかし、シャーマンには5つの異なるタイプがあることを知っていますか? タイプごとの特徴を理解すれば、創作で描けるキャラクターの幅が一気に広がります。

本記事では、シャーマンの定義と5つのタイプを解説し、ファンタジー創作での活用方法を紹介します。シャーマンは魔法使いの原型とも言える存在であり、その多様なタイプを知ることで、ファンタジー世界の呪術師や霊媒師のキャラクター設計に大きな幅が生まれます。「シャーマン」という言葉の語源自体がシベリアにあるように、この概念は北方の寒冷地帯と深く結びついています。

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シャーマンとは?

シャーマンとは、トランス状態に入ることで超自然的存在(神・霊・精霊・死霊など)と直接交流し、共同体の問題を解決する職能者を指します。

シャーマンが神降ろしの業を行う際には、以下のような手段を用います。

カテゴリ具体例
行為舞踊、呪文の詠唱、瞑想
道具太鼓、鈴、骨、聖なる植物
補助物質興奮剤、幻覚を誘発する薬草

私たちには見ることもできない超自然的存在との交信を可能にし、病気の治療、天候の操作、敵の呪詛、行方不明者の捜索などを行うのがシャーマンの役割です。

シャーマンの5つのタイプ

シャーマンは大きく5つのタイプに分類できます。それぞれの特徴と創作での使い方を見ていきましょう。

1. 脱魂型

自らの体と魂を分離させ、魂だけで異世界を旅するタイプです。高位の霊体や神に会いに行き、直接交渉して願いを叶えようとします。

項目内容
方法魂が肉体を離れ、異界を単独で旅する
肉体の状態眠っている状態(トランス)
強み異世界の情報を直接入手できる
リスク魂が戻れなくなる危険がある

ファンタジー創作では、「異世界冒険」のきっかけとして使いやすいタイプです。夢の中で異界を旅する魔術師や、魂だけで敵地を偵察する斥候キャラなどに応用できます。

2. 精霊統御者型

さまざまな霊を使役する、召喚士に近いタイプです。霊に補助してもらいながら治療や占いなどの役割を果たします。

ゲームやライトノベルでおなじみの「召喚魔法使い」の原型とも言える存在です。使役する霊の数や質が、シャーマンの力量を示す指標になります。

3. 霊媒・憑霊型

シャーマン自身の肉体に霊体を憑依させ、人格交代を行うタイプです。霊体はシャーマンの体を使い、一人称で会話します。

日本で有名なシャーマンである「恐山のイタコ」は、この霊媒型に分類されます。亡くなった人の霊を自分の体に降ろし、遺族と対話させる「口寄せ」は、心理カウンセリング的な側面も大きいと言われています。

4. 予言者型

精霊と直接交信し、その意思を三人称で伝えるタイプです。脱魂型や霊媒型と異なり、シャーマンには個人的な意思が残ったまま霊の言葉を聞き取り、周囲に伝えます。

古代ギリシアのデルフォイの神託も、この予言者型に近い形態と言えるでしょう。

5. 見者型

精霊の姿が見えたり、声が聞こえたりするタイプです。シャーマンと精霊は会話できますが、周りの人には精霊の姿も声も知覚できません。

ファンタジー作品では「霊感のある主人公」として描きやすいタイプです。周りには見えないものが見える——この設定は、ミステリ的な展開とも相性が良いでしょう。

5タイプの比較表

タイプ霊との関係シャーマンの意識創作での主な用途
脱魂型魂が霊のもとへ行く肉体は無意識異世界探索、偵察
精霊統御者型霊を使役する完全に保持召喚士、テイマー
霊媒・憑霊型霊が体に入る人格交代イタコ、降霊術師
予言者型霊と対話する保持(仲介者)預言者、神託者
見者型霊が見える・聞こえる完全に保持霊感系主人公

シャーマンとファンタジーのキャラクター設計

共同体における立ち位置を決める

シャーマンは通常、共同体の中で特殊な地位を占める存在です。尊敬されているのか、恐れられているのか、それとも両方なのか——この立ち位置を決めるだけで、キャラクターの境遇や葛藤が浮かび上がります。

入巫の儀式を設定する

多くの文化で、シャーマンになるには過酷な通過儀礼を経なければなりません。「重い病を克服した者がシャーマンとなる」「夢の中で精霊に選ばれる」「師匠のもとで何年も修行する」など。この入巫の背景を描くことで、キャラクターに深みが出ます。シャーマンがその力を得るまでに怎んな苦難を経てきたのか——その過去が描かれることで、読者は自然とキャラクターに感情移入します。

代償と制約を設ける

強い力には代償がつきもの。トランス状態の後は激しい消耗に襲われる、長く霊と交信すると寿命が縮む、精霊統御中は周囲の状況が把握できないなど、制約を設けることで物語に緊張感が加わります。

世界各地のシャーマニズム — 多様な文化のシャーマン

シャーマニズムは特定の地域に限った現象ではなく、世界各地に類似の存在が見られます。地域ごとの特徴を知ることで、ファンタジー世界のシャーマンをより多彩に設計できます。

地域シャーマンの呼称特徴的な手法
シベリアシャマン(語源地)太鼓を打ち鳴らしてトランス状態に入る。動物の毛皮を纏う
北米先住民メディスンマンスウェット・ロッジ(発汗小屋)での浄化儀式。ヴィジョン・クエスト
韓国ムーダン(巫堂)歌舞を伴う華やかなクッ(儀式)。女性シャーマンが主流
日本イタコ、ユタ口寄せ(死者の霊を憑依させて対話)。東北・沖縄に残存
南米クランデロアヤワスカ(幻覚性植物)を用いた精神的旅。精霊との対話
アフリカンガンガ骨や貝殻を投げて占う。治療儀式に踊りと歌を用いる

ファンタジー創作で複数の文化圏を描く場合、地域ごとにシャーマンの手法を変えると世界の多様性が表現できます。「北方の太鼓を打つ呪術師」と「南方の薬草を使う霊媒師」が出会い、互いの技法を理解できないという展開は、異文化交流のドラマにもなるでしょう。

まとめ

今回は、シャーマンの定義と5つのタイプ、そしてファンタジー創作での活用方法を解説しました。

脱魂型・精霊統御者型・霊媒型・予言者型・見者型——それぞれ霊との関わり方がまったく異なるため、キャラクターの能力や物語での役割にも大きな違いが生まれます。あなたの作品世界に合ったタイプを選び、魅力的なシャーマンキャラクターを生み出してくださいね。シャーマンは「異界」と「現実」の橋渡し役であり、その存在自体が世界観の奠底となる重要な存在です。世界の「見えない側面」を描くために、シャーマンは最適なキャラクター類型です。

衣装を考えるときは、世界の民族衣装を参考にしてみると良いですね。非日常な衣装を着せてみるのが、シャーマンを設定する際のコツです。


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