小説のジャンルがわからない?|ジャンル分類の基本と選び方

2020年5月20日

「自分の小説って何ジャンルなの?」

投稿サイトで作品を登録するとき、新人賞の応募要項を読むとき、誰かに「どんな話?」と聞かれたとき──ジャンルの壁にぶつかる瞬間は意外と多いものです。

この記事では、小説のジャンル分類の基本を整理し、自作のジャンルを判定する方法を解説します。


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ジャンルとは何か?

ジャンルとは、作品を分類するためのラベルです。

もう少し噛み砕くなら「本屋の棚」を想像してください。本屋は「ミステリー」「SF」「ライトノベル」「文芸」と棚を分けています。これはお客さんが「自分が読みたい本」を見つけやすくするためです。

ジャンルはドレスコードにも似ています。「今日のパーティーはフォーマルです」と分かっているからこそ、参加者は適切な服装を選べる。同様に「この作品はミステリーです」と分かっていれば、読者は「謎と推理がある」と期待して読み始めることができます。

つまりジャンルとは、作者と読者の間の「期待値の共有」なのです。


主要ジャンル一覧

小説の主要ジャンルを一覧で整理します。

物語系ジャンル

ジャンル特徴代表的な読者の期待
ファンタジー魔法・異世界・架空の種族が登場冒険、世界観への没入
SF(サイエンスフィクション)科学技術や未来が物語の核知的刺激、思考実験
ミステリー・推理謎の提示と解決謎解きの快感
サスペンス・スリラー危機と緊張手に汗握る緊張感
ホラー恐怖怖い体験
恋愛・ラブコメ恋愛関係が物語の中心感情移入、ときめき
歴史・時代小説過去の時代が舞台歴史の追体験

スタイル系ジャンル

ジャンル特徴
ライトノベル若年層向け。イラスト付き。キャラクター重視
文芸・純文学文体・テーマ性重視。内面描写が深い
エッセイ・ノンフィクション事実や体験に基づく
短編2万字以内の独立した物語

Web小説投稿サイト独自の分類

投稿サイトによってジャンル分類は異なります。2025年現在の主要サイトの分類を確認しましょう。

小説家になろう

• 異世界転生/転移、ハイファンタジー、ローファンタジー

• 純文学、ヒューマンドラマ、歴史

• 推理、ホラー、アクション、恋愛

• コメディ、VRゲーム、宇宙

• その他

カクヨム

• 異世界ファンタジー、現代ファンタジー

• SF、恋愛、ラブコメ

• 現代ドラマ、ホラー、ミステリー

• エッセイ・ノンフィクション

• 詩・短歌・俳句

投稿サイト間でジャンルの粒度がかなり異なることが分かります。サイトを選ぶ際にはこの分類も参考にしてください。


ジャンルの境界は曖昧

ここで大事なことを一つ。ジャンルの境界は曖昧であり、それでいいということです。

『推しの子』はアイドルもの? ミステリー? 復讐劇? 芸能界ドラマ?──答えは「全部」です。

多くの作品は複数のジャンル要素を持っています。重要なのは「メインジャンル」を1つ決めること。それは読者に対する最初の約束です。


自作のジャンルを判定する方法

「自分の作品が何ジャンルか分からない」という場合、以下の3つの質問に答えてみてください。

質問1:読者が一番楽しみにしている要素は何か?

• 謎解き → ミステリー

• 恋愛の行方 → 恋愛・ラブコメ

• 冒険とバトル → ファンタジー/アクション

• 恐怖体験 → ホラー

• 知的刺激 → SF

• 人間の内面 → 文芸

質問2:一番重要なシーンはどんな場面か?

• 事件が解決する場面 → ミステリー

• 二人が結ばれる場面 → 恋愛

• 強敵を倒す場面 → バトル/ファンタジー

• 主人公が何かを悟る場面 → 文芸/ヒューマンドラマ

質問3:誰に薦めたいか?

• ミステリー好きな友人 → ミステリー

• 恋愛小説が好きな知人 → 恋愛

• ファンタジー好きの仲間 → ファンタジー

3つの質問の答えが一致していれば、それがメインジャンルです。バラバラなら、質問1の答えをメインジャンルとし、残りをサブジャンルにしましょう。


ジャンル選びで避けたい3つのミス

ミス1:「ジャンルレス」を名乗る

「既存のジャンルに当てはまらない作品」を目指す方がいますが、読者から見ると「何が読めるか分からない」作品は手に取りにくいだけです。

唯一無二の作品を目指すのは素晴らしいですが、「入口」としてのジャンルラベルは必要です。

ミス2:流行だけで選ぶ

「今は異世界転生が流行っているから」──流行に乗ること自体は悪くありませんが、興味のないジャンルを書くと確実にエタります。

流行は「自分の好き」と重なった場合にだけ利用しましょう。

ミス3:ジャンルの約束を破る

「ミステリーと銘打ったのに謎が解決しない」「恋愛ジャンルなのに恋愛要素が薄い」──ジャンルラベルは読者との約束です。約束を破ると、内容が良くても評価は下がります。


ジャンルは「出発点」であり「到着点」ではない

最後に一つ。ジャンルはあくまで出発点です。

「自分はファンタジー作家だ」と決めたからといって、一生ファンタジーしか書けないわけではありません。ジャンルを選んで1作書き、また別のジャンルで1作書き──その繰り返しの中で「自分のスタイル」が見つかります。

まずは1つのジャンルを選んで、1作完成させてみてください。


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