小説のジャンルがわからない?|ジャンル分類の基本と選び方
「自分の小説って何ジャンルなの?」
投稿サイトで作品を登録するとき、新人賞の応募要項を読むとき、誰かに「どんな話?」と聞かれたとき──ジャンルの壁にぶつかる瞬間は意外と多いものです。
この記事では、小説のジャンル分類の基本を整理し、自作のジャンルを判定する方法を解説します。
ジャンルとは何か?
ジャンルとは、作品を分類するためのラベルです。
もう少し噛み砕くなら「本屋の棚」を想像してください。本屋は「ミステリー」「SF」「ライトノベル」「文芸」と棚を分けています。これはお客さんが「自分が読みたい本」を見つけやすくするためです。
ジャンルはドレスコードにも似ています。「今日のパーティーはフォーマルです」と分かっているからこそ、参加者は適切な服装を選べる。同様に「この作品はミステリーです」と分かっていれば、読者は「謎と推理がある」と期待して読み始めることができます。
つまりジャンルとは、作者と読者の間の「期待値の共有」なのです。
主要ジャンル一覧
小説の主要ジャンルを一覧で整理します。
物語系ジャンル
| ジャンル | 特徴 | 代表的な読者の期待 |
|---|---|---|
| ファンタジー | 魔法・異世界・架空の種族が登場 | 冒険、世界観への没入 |
| SF(サイエンスフィクション) | 科学技術や未来が物語の核 | 知的刺激、思考実験 |
| ミステリー・推理 | 謎の提示と解決 | 謎解きの快感 |
| サスペンス・スリラー | 危機と緊張 | 手に汗握る緊張感 |
| ホラー | 恐怖 | 怖い体験 |
| 恋愛・ラブコメ | 恋愛関係が物語の中心 | 感情移入、ときめき |
| 歴史・時代小説 | 過去の時代が舞台 | 歴史の追体験 |
スタイル系ジャンル
| ジャンル | 特徴 |
|---|---|
| ライトノベル | 若年層向け。イラスト付き。キャラクター重視 |
| 文芸・純文学 | 文体・テーマ性重視。内面描写が深い |
| エッセイ・ノンフィクション | 事実や体験に基づく |
| 短編 | 2万字以内の独立した物語 |
Web小説投稿サイト独自の分類
投稿サイトによってジャンル分類は異なります。2025年現在の主要サイトの分類を確認しましょう。
小説家になろう:
• 異世界転生/転移、ハイファンタジー、ローファンタジー
• 純文学、ヒューマンドラマ、歴史
• 推理、ホラー、アクション、恋愛
• コメディ、VRゲーム、宇宙
• その他
カクヨム:
• 異世界ファンタジー、現代ファンタジー
• SF、恋愛、ラブコメ
• 現代ドラマ、ホラー、ミステリー
• エッセイ・ノンフィクション
• 詩・短歌・俳句
投稿サイト間でジャンルの粒度がかなり異なることが分かります。サイトを選ぶ際にはこの分類も参考にしてください。
ジャンルの境界は曖昧
ここで大事なことを一つ。ジャンルの境界は曖昧であり、それでいいということです。
『推しの子』はアイドルもの? ミステリー? 復讐劇? 芸能界ドラマ?──答えは「全部」です。
多くの作品は複数のジャンル要素を持っています。重要なのは「メインジャンル」を1つ決めること。それは読者に対する最初の約束です。
自作のジャンルを判定する方法
「自分の作品が何ジャンルか分からない」という場合、以下の3つの質問に答えてみてください。
質問1:読者が一番楽しみにしている要素は何か?
• 謎解き → ミステリー
• 恋愛の行方 → 恋愛・ラブコメ
• 冒険とバトル → ファンタジー/アクション
• 恐怖体験 → ホラー
• 知的刺激 → SF
• 人間の内面 → 文芸
質問2:一番重要なシーンはどんな場面か?
• 事件が解決する場面 → ミステリー
• 二人が結ばれる場面 → 恋愛
• 強敵を倒す場面 → バトル/ファンタジー
• 主人公が何かを悟る場面 → 文芸/ヒューマンドラマ
質問3:誰に薦めたいか?
• ミステリー好きな友人 → ミステリー
• 恋愛小説が好きな知人 → 恋愛
• ファンタジー好きの仲間 → ファンタジー
3つの質問の答えが一致していれば、それがメインジャンルです。バラバラなら、質問1の答えをメインジャンルとし、残りをサブジャンルにしましょう。
ジャンル選びで避けたい3つのミス
ミス1:「ジャンルレス」を名乗る
「既存のジャンルに当てはまらない作品」を目指す方がいますが、読者から見ると「何が読めるか分からない」作品は手に取りにくいだけです。
唯一無二の作品を目指すのは素晴らしいですが、「入口」としてのジャンルラベルは必要です。
ミス2:流行だけで選ぶ
「今は異世界転生が流行っているから」──流行に乗ること自体は悪くありませんが、興味のないジャンルを書くと確実にエタります。
流行は「自分の好き」と重なった場合にだけ利用しましょう。
ミス3:ジャンルの約束を破る
「ミステリーと銘打ったのに謎が解決しない」「恋愛ジャンルなのに恋愛要素が薄い」──ジャンルラベルは読者との約束です。約束を破ると、内容が良くても評価は下がります。
ジャンルは「出発点」であり「到着点」ではない
最後に一つ。ジャンルはあくまで出発点です。
「自分はファンタジー作家だ」と決めたからといって、一生ファンタジーしか書けないわけではありません。ジャンルを選んで1作書き、また別のジャンルで1作書き──その繰り返しの中で「自分のスタイル」が見つかります。
まずは1つのジャンルを選んで、1作完成させてみてください。
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