自分の才能との向き合い方〜恵まれた境遇も含めて自分の才能だ〜

2020年11月15日

 先日月刊コミックゼノンのアルテから学んだ、物語の書き方ヒントを紹介しました。

魅力的なキャラクターの動機は、怒りである

 ですがもう一点、アルテを読んだなら絶対に書いておきたいことがあります。それはアルテ第1部(コミックス1~8巻(第1~37話))完結の際に示された、自分の才能との向き合い方です。

 

自分に与えられたものを受け入れる

 アルテは最初、「女であること。貴族であること」が理由で仕事をさせてもらえませんでした。けれど彼女は結果を残すにつれて、「貴族出身かつ女性」だから仕事がもらえていると嫌味を言われていきます。

 アルテという漫画の素晴らしいところは、レッテルを含めて全て自分の才能であり、「貴族出身かつ女性で、普通とは違うことに自分の価値がある」と、アルテが気づき、進んでいくことにあります。

 大事なのは、自分自身の恵まれている部分も、恵まれていない部分も、自分の才能だと認めること。そうすることで、自分自身の価値を自分で決めることが大事なのですね。

  

私たちは持っているものを謙遜し、持っていないものに嫉妬する

 普段、私なんかがやりがちなのは、自分の持っているもの(他人と比べて優れている点)を謙遜し、持っていないものに嫉妬することです。

 例えば自分自身が優秀な先輩と後輩のいる素敵な職場環境にいることや、やりがいのある仕事に従事していること、自分の意志によって仕事の量や内容をコントロールできていることを周りに自慢するようなことはありませんよね。自分のペースで執筆を進められていたとしても、他の人と比べると遅々として筆が進まないなどと、Twitterで愚痴をつぶやいたりしますよね。

 一方で書籍化が決まった作家さんに嫉妬したり、速筆の人に嫉妬したり、Twitterでバズるツイートを書ける人に嫉妬したりしませんか?

  

嫉妬することをやめる

 私は嫉妬深い人間でした。今でも他人の才能に嫉妬して生きています。嫉妬は、人間にとって自然な感情ではありますが、建設的ではありません。私は、私自身が嫉妬に呑まれてしまったら、愚かものと叱責したいです。

 そんな愚かな感情に呑まれて、他人を攻撃したり、他人を否定するのは、無駄な時間です。私は、嫉妬と縁を切れるよう、今も日々自分の心と向き合っています。

 Twitterでもブログでも、誰かに嫉妬したための書き込みはなるべくしないようにしています。

 人間としては誰かに嫉妬している姿を見せるほうが面白いかもしれませんし、同じ気持ちを抱いた人と共感できるかもしれません。ですが、杞優橙佳としては、やらないと決めました。

 アルテが示してくれたとおり、「自分自身の恵まれている部分も、恵まれていない部分も、自分の才能だと認めること。」これができれば、自然と嫉妬の気持ちもなくなって、自分の人生に集中できます。

 嫉妬の感情を捨て去った結果、他の人に共感される作品が書けなくなるかもしれませんが、それはそれで構いません。

 ある意味、嫉妬しながら他人に共感されるよりも、嫉妬を捨てて楽に幸せに生きたい……という、クリエイターとして意識が低い心構えですが笑 それでいいです。

 嫉妬による時間のロスを捨て、自分が謙遜するものを磨き続けていくと、結果的にそれが成功の種になると信じています。

  

アニメ映画なんてとバカにされた時代から、アニメ映画だから興行収入があがると言われる時代へ

 もうひとつ、アルテのような出来事(〜のくせにというレッテルが、〜だからというレッテルに変換される)が現実にも起こっていることをお話します。

 最近、映画 鬼滅の刃が流行していますよね。それ以外にも、映画館で上映中の作品を見るとアニメ映画ばかり。アニメ映画が大流行しています。

 ここで覚えておきたいのは、10年20年前にはアニメが一段下に見られていたことです。私の地元は田舎だったので余計に。。
 ですが、いまの若い世代は割とラフにアニメを見ていますし、話もします。ライトオタクって言葉がありますが、もうあまり枠組みとして意味がないんじゃないでしょうか? そろそろアニメを嫌悪する人たちのほうが、ツイフェミみたいにレッテル貼られそうな時代です。

 既に映画業界は、アニメ映画なんてとバカにされた時代から、アニメ映画だから興行収入があがる時代になっていますからね。

 この時代をつくったのは、10年20年前の逆境の時代に、「アニメを好きだという気持ち」を謙遜せず自虐的にならなかった人たちです。一般人からバカにされているものを真剣にやり続ければ、いつか成功につながる……可能性は十分あるといえるでしょう。

 ささ、「持っているものを謙遜し、持っていないものに嫉妬する」のはやめて(いきなりやめるのが難しければ控えめにして)みましょう。「自分の持っているものを磨き上げて、花開く時代まで耐え忍ぶ」というのは、徳川家康も実践した天下取りの王道です。

 私もマイペースで頑張ります。このエントリーが何かしらの参考になれば幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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