創作は静かに差がつくゲームである|腰を壊した人間が比べるべき相手

2019年10月5日

こんにちは。腰ボロSEです。

昔から一貫して思っていることがあります。

創作において比べるべき相手は、他人ではありません。


創作ノウハウ200超|小説の書き方ガイド

比べた先に何がある

ITエンジニア時代、私は常に他人と比べていました。技術力、年収、キャリアの進み具合。同期が昇進すれば焦り、後輩が成果を出せば苛立つ。その劣等感が成長の燃料になっていた時期もあります。

そして創作を始めてからも同じことをやりました。

投稿サイトを開けば、自分より上手い書き手がいくらでもいる。ブックマーク数で負け、文章力で負け、更新頻度でも負ける。SNSを見れば、自分より若くて才能のある創作者が次々と目に入る。

「おいおい、すごいやつばかりじゃないか」

そう感じるたびに、筆が止まりました。

他人と比べている限り、自分より上はいくらでも現れます。しかも人間は衰える。体力も集中力も、年齢とともに落ちていく。特に腰を壊してからは、長時間座ることすらままならない日がある。比較の土俵に立ち続けることが、物理的にも不可能になりました。

じゃあ、どうすればいいのか。


比べるのは昨日の自分だけでいい

答えはシンプルでした。

昨日の自分より、1行でも多く書けたか。昨日の自分より、1つでもマシな表現が見つかったか。それだけを基準にする。

上を見れば化け物みたいな天才作家はいくらでもいます。下を見て安心しても、自分の物語は1ミリも進みません。

創作者としての幸福度を高めるという観点で、価値のある行為はただひとつ。昨日より前に進んでいるかどうか。これだけです。


もうひとつの問い

もうひとつ、常に自分に問い続けていることがあります。

「このままで、本当にいいのか」

忙しさに流されて書けない日が続いていないか。惰性で同じパターンの文章を繰り返していないか。成長が止まっていないか。誰かの評価を気にして、書きたいものを書けなくなっていないか。

自分の創作を一歩引いて俯瞰する癖を持つ。これができなくなった瞬間、書き手はゆっくり腐っていきます。


腰が壊れて気づいたこと

腰を壊す前の私は、劣等感を燃料にするタイプでした。負けたくないから頑張る。追いつきたいから書く。

しかし腰が壊れると、その燃料が使えなくなります。体力的に他人と同じペースでは走れない。長時間の執筆もできない。比較の土俵から強制的に降ろされた。

最初は絶望しました。しかし不思議なことに、比較をやめた瞬間、別のものが見えてきた。

「昨日の自分より良くなっているか」と「本当にこのままでいいのか」。この2つだけを意識し始めたら、他人が気にならなくなりました。

SNSを見る時間は減る。上手い書き手を見ても、劣等感はほとんど湧かない。湧くのは問いだけです。「この人の構成、自分の物語で応用できないか」「今日はどこで自己ベストを更新するか」。

感情で落ち込む暇があったら、次の1行を考える。


口だけでは物語は進まない

とはいえ、創作は残酷です。

「いつか長編を書きたい」と語る人は山ほどいます。「今のWeb小説界は」と業界を語る人も山ほどいます。しかし実際に物語を前に進めるのは、手を動かし続けた人間だけです。推敲を続けた人間だけ。そして完結させた人間だけ。

口だけでは、1行も増えない。口だけでは、何も変わらない。

書くことだけが物語を進める。書くことだけが自分の成長を加速させる。


書き続けると、不思議なことが起きる

このスタンスで書き続けていると、不思議なことが起きます。

幸福度が自然と高くなるのです。

なぜか。昨日より書けることが増え、表現の選択肢が増え、自分の物語をコントロールできている感覚が積み上がるからです。

人は「人生をコントロールしている実感」があるときに幸福を感じるそうです。腰が壊れて身体のコントロールを失った私が、書くことで精神のコントロールを取り戻せたのは、まさにこれだったのだと思います。

逆に言えば、幸福感がないときは、だいたい何かに振り回されています。PV数、ブックマーク数、他人の評価。自分ではコントロールできないものに一喜一憂しているとき、人は不幸になる。


一発逆転なんてない

創作は一発逆転のゲームではありません。

自己ベストを更新し続けることでできています。小さく書き続けた人間だけが、気づいたときにとんでもない場所に立っている。

環境のせいにしない。才能のせいにもしない。腰が壊れていることすら、言い訳にしない。

問い続け、書き続け、直し続ける。それだけで物語は確実に前に進みます。

今日も自己ベストを更新しましょう。昨日より1行でも多く、昨日より1つでもマシな文章を。それだけでいい。それだけで、半年後の自分は今の自分に驚くはずです。

さて、今日も物語を書きましょう。腰は壊しても、筆は折らない。

腰ボロ作家

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Posted by kosiboro