小説の書き方本のおすすめ20選!
「小説の書き方を学びたいけど、本がありすぎてどれから読めばいいかわからない」
この悩みは、創作を始めた人なら一度は通る道ではないでしょうか。Amazonで「小説 書き方」と検索すると数百冊ヒットしますし、書店の創作コーナーにも棚いっぱいの入門書が並んでいます。
今回は、私が実際に読んで創作に直接役立ったと感じた本を10冊だけに厳選しました。目的別に4カテゴリに分けて、「あなたが今つまずいているポイント」に合わせて選べる形に再構成しています。
カテゴリは以下の4つです。
| カテゴリ | 冊数 | こんな悩みに |
|---|---|---|
| 構成・プロット | 3冊 | 話がまとまらない、途中で迷子になる |
| キャラクター・セリフ | 2冊 | キャラが薄い、セリフが全員同じに聞こえる |
| 文章力・描写 | 3冊 | 文章が平坦、描写が書けない |
| プロを目指す | 2冊 | 新人賞に応募したい、作家業の現実を知りたい |
それでは、1冊ずつ見ていきましょう。
【構成・プロット】を学ぶ3冊
物語の骨格を組み立てる力は、小説家にとって最も重要なスキルの一つです。「書き始めたはいいけど途中でどこに向かっているかわからなくなる」「ラストが思いつかない」——そんな悩みを持つ方は、まずここから読んでみてください。
1.『SAVE THE CATの法則』ブレイク・スナイダー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 脚本術(映画→小説に応用可) |
| ページ数 | 約280ページ |
| 難易度 | ★★☆☆☆(初心者向け) |
| こんな人に | プロットの「型」を知りたい人 |
映画の脚本術ですが、小説の構成に直接転用できます。「15のビート(物語の転換点)」というフレームワークが明快で、プロットの作り方に迷っている人にとっては最初の1冊として最適だと思います。
私がこの本から学んだ最大のポイントは「ビート7:ミッドポイント」の概念です。物語の真ん中に「偽りの勝利」か「偽りの敗北」を置く——これを意識するだけで、中盤のダレが劇的に減りました。
当ブログでも映画から物語構成を学ぶ記事を多く書いていますが、その土台にあるのはこの本の考え方です。映画から学ぶ物語の書き方のピラーページも参考にしてみてください。
2.『物語の法則——強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』クリストファー・ボグラー、デイビッド・マッケナ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 物語論・神話学 |
| ページ数 | 約450ページ |
| 難易度 | ★★★☆☆(中級者向け) |
| こんな人に | 「英雄の旅」を本格的に理解したい人 |
ジョーゼフ・キャンベルの「英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)」を映画・小説の創作にどう活かすかを体系的に解説した本です。SAVE THE CATが「型を覚える」本だとすれば、こちらは「なぜその型が人の心を動かすのかを理解する」本です。
正直、450ページは重い。私は読み通すのに2週間かかりました。ですが、第1部の「英雄の旅」12ステージだけでも読む価値があります。全部読む必要はありません。まずは第1部を精読して、自分の作品のプロットを12ステージに当てはめてみてください。
「うちの主人公は『召命の拒否』をしていないな」「『報酬』の段階が曖昧だ」——こうした気づきが得られるだけで、プロットの解像度がぐっと上がります。
クリックして『物語の法則——強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』を読む!
3.『「物語」の組み立て方入門 5つのテンプレート』円山夢久
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | プロット設計(日本語の実践書) |
| ページ数 | 約200ページ |
| 難易度 | ★★☆☆☆(初心者向け) |
| こんな人に | テンプレートに沿って実際に書いてみたい人 |
前2冊が翻訳書なのに対し、こちらは日本人の著者が日本の小説を例にして書いたプロット入門書です。「起承転結」「行って帰る」「Wプロット」など、5つのテンプレートをそのまま自作に当てはめて使える実用重視の1冊。
私がこの本で一番助かったのは、「プロットに迷ったら、まず5つのテンプレートのどれに近いかを考える」という思考法を手に入れたことです。ゼロからプロットを考えるのは大変ですが、「この話は『行って帰る』型だな」と認識した瞬間に、次に何を書くべきかが見えてきます。
翻訳書の理論が肌に合わない方は、この本から入ることをおすすめします。
クリックして『「物語」の組み立て方入門 5つのテンプレート』を読む!
【キャラクター・セリフ】を学ぶ2冊
構成がしっかりしていても、キャラクターに魅力がなければ読者はページをめくり続けてくれません。「キャラの書き分けができない」「セリフが全員同じトーンになる」と悩んでいるなら、以下の2冊が助けになるはずです。
4.『キャラクター小説の作り方』大塚英志
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | キャラクター論 |
| ページ数 | 約250ページ |
| 難易度 | ★★★☆☆(中級者向け) |
| こんな人に | ラノベ・エンタメ寄りのキャラクターを作りたい人 |
大塚英志氏が「キャラクター」と「キャラ」の違いを論じつつ、エンタメ小説におけるキャラクター設計の手法を展開する1冊です。
この本で特に印象に残ったのは、キャラクターは「属性の組み合わせ」で作るのではなく、「内面の矛盾」から生まれるという指摘です。「強いけど寂しい」「優しいけど残酷」——こうした相反する要素の同居がキャラクターに立体感を与えるという考え方は、自作のキャラを見直すきっかけになりました。
ただし、大塚氏の文体はやや学術的で、読みにくいと感じる方もいるかもしれません。ライトに学びたければ章末の「演習」だけ拾い読みするのも手です。
5.『書く力——私たちはこうして文章を磨いた』池上彰・竹内政明
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 文章術・対談 |
| ページ数 | 約230ページ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆(入門者向け) |
| こんな人に | セリフ以前に、地の文の「伝える力」を鍛えたい人 |
「キャラクター・セリフ」の枠に入れましたが、この本の本質は「伝わる日本語の書き方」です。池上彰氏と読売新聞の名コラムニスト竹内政明氏の対談形式で、非常に読みやすい。
小説家がこの本から学べるのは、「1文の長さのコントロール」と「具体例の効果」です。二人とも「抽象的な概念を語るとき、必ず具体的なエピソードを1つ添える」という原則を実践しています。
小説のセリフやモノローグも同じです。キャラが「つらい」と一言言うのではなく、「つらさ」を具体的な行動や風景描写で伝える——この技術は、地の文にもセリフにも効きます。
クリックして『書く力——私たちはこうして文章を磨いた』を読む!
【文章力・描写】を鍛える3冊
「書き方」の本で最も需要が高いのがこのカテゴリではないでしょうか。「文章が上手くなりたい」「描写力を上げたい」という漠然とした願望を、具体的なスキルに落とし込むための3冊です。
6.『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | ミステリ創作術(ジャンル横断可) |
| ページ数 | 約240ページ |
| 難易度 | ★★☆☆☆(初心者向け) |
| こんな人に | 「伏線」の張り方と回収を技術として習得したい人 |
ミステリ専門の入門書ですが、ミステリ以外のジャンルにも応用できる「伏線」と「情報管理」の技術書として読むことをおすすめします。
この本で学んだ「読者に見せる情報と隠す情報を設計図で管理する」という手法は、ファンタジーでもラブコメでも使えます。「この設定は第3章で伏線として出して、第8章で回収する」——そんな設計図を書く習慣がつくだけで、物語の完成度が目に見えて上がります。
2023年に出版された比較的新しい本ですが、すでに創作界隈で評判になっている1冊です。
7.『文体の舵をとれ——ル=グウィンの小説教室』アーシュラ・K・ル=グウィン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 文章術・描写 |
| ページ数 | 約280ページ |
| 難易度 | ★★★★☆(中〜上級者向け) |
| こんな人に | 文体を意識的にコントロールしたい人 |
SF文学の巨匠ル=グウィンが書いた創作教室。「声」「視点」「時制」「リズム」など、文章を構成する要素を一つずつ取り上げて練習問題付きで解説しています。
正直に言うと、この本は難しいです。翻訳文学に慣れていないと文体自体が読みにくい。ですが、第3章「音としての文」と第5章「形容詞と副詞」だけでも読む価値があります。
「形容詞と副詞を削れ」というアドバイスは創作論の定番ですが、ル=グウィンは「削るべき場面と、あえて重ねるべき場面がある」と教えてくれます。一律に削るのではなく、文体の効果を見極める目を養える——それがこの本の真価です。
私はこの本を読んで以来、推敲のときに「この形容詞は本当に必要か? 削ったら何が失われるか?」と自問する癖がつきました。推敲のコツ|第一稿を劇的に良くする方法でも触れている内容です。
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8.『新しい文章力の教室——苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』唐木元
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 文章術・ビジネス寄り |
| ページ数 | 約210ページ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆(入門者向け) |
| こんな人に | そもそも「文章を書くこと」自体に苦手意識がある人 |
音楽・カルチャーサイト「ナタリー」の編集長が書いた文章入門書。小説専門の本ではありませんが、「考えてから書く」のではなく「構造を決めてから書く」という発想の転換がわかりやすく解説されています。
この本の核心は「主眼と骨子を決めてから書き始める」というルールです。小説に置き換えると、「このシーンの目的は何か?」「読者に伝えたい情報は何か?」を先に決めてから描写に入る——という手順になります。
「とりあえず書き始めて、なんとなく気分で進める」という書き方に限界を感じている方には、この本の方法論がブレイクスルーになるかもしれません。
SEの仕事でも「設計してからコードを書け」とよく言われますが、小説も同じです。構造が先、文体はあと。この順序を守るだけで、執筆の効率は劇的に変わります。
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【プロ作家を目指す】ための2冊
「趣味として書く」段階を超えて、新人賞への応募や商業出版を視野に入れている方へ。技術だけでなく「作家としてのリアル」を知るための2冊です。
9.『プロだけが知っている小説の書き方』森沢明夫
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | プロ小説家の実践論 |
| ページ数 | 約260ページ |
| 難易度 | ★★★☆☆(中級者向け) |
| こんな人に | 新人賞に応募したい人、商業出版を目指す人 |
『虹の岬の喫茶店』などで知られる森沢明夫氏が、プロ小説家の仕事術を惜しみなく公開した1冊。ネタの見つけ方、取材の方法、プロットの組み方から、編集者とのやりとり、入稿までの流れまでを網羅しています。
特に参考になったのは「取材ノート」の活用法です。森沢氏は日常で気になったことをすべてノートに記録し、小説のネタとしてストックする習慣を持っています。「体験の蓄積が物語の素材になる」——この考え方は、兼業作家にとっても本業の経験を活かすヒントになります。
私のようなSEであれば、「システム障害の現場で感じた緊張感」「深夜のサーバールームの匂い」といった体験も、ファンタジー小説の描写に転用できます。プロの仕事術を学ぶことは、日常の解像度を上げることでもあるのです。
10.『職業としての小説家』村上春樹
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | エッセイ・作家論 |
| ページ数 | 約320ページ |
| 難易度 | ★★☆☆☆(読みやすい) |
| こんな人に | 「書き続ける」ことのリアリティを知りたい人 |
村上春樹が「小説家として生きるとはどういうことか」を率直に語ったエッセイです。技術書ではありませんが、創作の持久力を鍛える精神的なインフラとして、この本は外せません。
特に印象的だったのは、「書くことは肉体労働である」という主張です。村上氏は毎朝4時に起きて10ページ書き、午後はランニングか水泳。この規則正しいルーティンを何十年も続けている。「才能」よりも「体力と習慣」が作家を支えている——この事実は、兼業で書き続けている私にとって大きな励みになりました。
腰を壊しながらキーボードに向かう私は、まだまだ修行が足りませんが。
読書を創作に変換する3つのコツ
10冊紹介しましたが、「読むだけ」では創作は上達しません。読書を実際の執筆スキルに変換するコツを3つお伝えします。
コツ①:読んだら1つだけ「次の作品で試すこと」を決める
全部を一度に実践しようとすると挫折します。1冊読んだら「この本から学んだことで、次の作品に活かすのは〇〇の1つだけ」と決めてください。
たとえばSAVE THE CATを読んだなら、「次の短編では必ずミッドポイントを意識して書く」。文体の舵をとれを読んだなら、「次の推敲では形容詞の数を30%減らしてみる」。1つだけに絞ることで、実際に身につく確率が格段に上がります。
コツ②:読書メモは「引用」ではなく「自分の言葉」で書く
本のフレーズをそのまま書き写しても、あまり定着しません。大事なのは自分の言葉に翻訳することです。
「ミッドポイントで偽りの勝利を置く」→「自分の話でいうと、第5章で主人公が一度成功したと思い込むシーンがこれに当たる」
このように自作に引き寄せて言い換える作業が、読書を創作スキルに変換する最も効率的な方法です。
コツ③:3ヶ月に1冊のペースでいい
創作に関する本を乱読する必要はありません。3ヶ月に1冊、じっくり読んで実践するほうが、月に3冊流し読みするよりも遥かに効果があります。
その3ヶ月の間に1〜2本の短編を書いて、本で学んだことを試してみてください。「読む → 1つ選ぶ → 書いて試す → 振り返る」このサイクルを回すことが、独学で小説を学ぶ最効率の方法でしょう。
まとめ:本棚は作家の武器庫
10冊の書き方本を目的別に紹介しました。改めて一覧にまとめます。
| # | タイトル | カテゴリ | 難易度 | 最初の1冊に |
|---|---|---|---|---|
| 1 | SAVE THE CATの法則 | 構成 | ★★☆ | ◎ |
| 2 | 物語の法則 | 構成 | ★★★ | |
| 3 | 「物語」の組み立て方入門 | 構成 | ★★☆ | ◎ |
| 4 | キャラクター小説の作り方 | キャラ | ★★★ | |
| 5 | 書く力 | セリフ・地の文 | ★☆☆ | ◎ |
| 6 | 書きたい人のためのミステリ入門 | 描写・伏線 | ★★☆ | |
| 7 | 文体の舵をとれ | 文章力 | ★★★★ | |
| 8 | 新しい文章力の教室 | 文章力 | ★☆☆ | ◎ |
| 9 | プロだけが知っている小説の書き方 | プロ志望 | ★★★ | |
| 10 | 職業としての小説家 | 作家論 | ★★☆ |
「最初の1冊に」の◎がついているものは、創作初心者でも読みやすく、すぐに実践に移せる本です。迷ったらまず1番の『SAVE THE CATの法則』か、8番の『新しい文章力の教室』から手に取ってみてください。
書き方の本は「読んだだけで上手くなった気分になる」という危険な快楽があります。ですが、本棚に並んだ本は、読んで、実践して、初めて「武器」になります。
10冊すべてを買う必要はまったくありません。まずは1冊。そして、その1冊から学んだ1つのことを、次の作品で試してみてください。それだけで、あなたの物語は一段階上に進むはずです。
さて、今日も物語を書きましょう。腰は壊しても、筆は折らない。
腰ボロSE
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