小説で使える「喜び」の感情表現30選|るんるんから歓喜まで例文付き辞典

2021年11月4日

「嬉しい」と書くだけでは、読者にはその喜びの温度が伝わりません。小さな達成感と、人生を変える大きな歓喜は全く違う感情です。

小説家にとって「言葉の知識」はあればあるほど有利な武器です。この記事では、小説で使える「喜び」の感情を表す言葉30選を場面別に紹介します。

体で表す喜び——擬態語・擬音語

身体感覚に直結する表現は、読者の共感を最も引き出しやすい言葉です。

1. るんるん——気分が明るくはずむような状態
> 靴を買い、彼女はるんるんで帰宅した。

2. ほくほく——嬉しさを隠しきれない満足げな様子
> 大金が手に入って、彼は今ほくほくだ。

3. わくわく——嬉しさや期待で心が弾み落ち着かないさま
> 小百合は胸をわくわくさせながら小包を解いた。

4. にこにこ——嬉しそうに穏やかに笑っているさま
> 祖父はにこにこしながら孫の話を聞いていた。

5. きゃっきゃっ——声を上げて楽しむさま
> 子どもたちがきゃっきゃっとはしゃぎながら走り回っている。

使い分けのコツ: 「るんるん」は浮かれた気分、「ほくほく」は得をした満足感、「わくわく」は未来への期待。擬態語はキャラクターの年齢や性格によって似合う・似合わないがあります。おじいちゃんキャラに「きゃっきゃっ」は違和感がありますが、「ほくほく」はぴったりです。

穏やかな喜び——日常の幸福感

6. メロメロ——何かの虜になり他には目もくれないさま
> 彼は生まれたばかりの娘にメロメロだ。

7. いそいそ——嬉しくてそわそわと動き回るさま
> 彼女はいそいそとデートの準備を始めた。

8. にやける——嬉しさが顔に出てしまうさま
> メールの返事を読んで、つい口元がにやけた。

9. 上機嫌——気分がよく明るいさま
> 上機嫌で鼻歌を歌いながら料理をしている。

10. 満面の笑み——顔全体に広がる笑顔
> 合格の知らせに、彼女は満面の笑みを浮かべた。

達成感・充足からくる喜び

11. 達成感——目標を成し遂げた満足感
> マラソンを完走し、これまでにない達成感に浸った。

12. 報われる——苦労が良い結果に結びつくこと
> 三年間の努力がようやく報われた瞬間だった。

13. 感無量——感慨が限りなく深いさま
> 念願の出版が決まり、感無量で言葉が出なかった。

14. 本望(ほんもう)——まさに望んでいた通りの結果
> これだけの作品が書けたなら本望だ。

15. 面目躍如(めんもくやくじょ)——世間の評価にふさわしい活躍をすること
> エースとしての面目躍如たる活躍を見せた。

人との繋がりから生まれる喜び

16. 心が温まる——やさしさに触れて幸福を感じるさま
> 見知らぬ人の親切に、心が温まった。

17. 胸がいっぱいになる——感動で胸が満たされること
> 手紙の最後の一行を読んで、胸がいっぱいになった。

18. 目を潤ませる——感動や喜びで涙がにじむこと
> サプライズに、彼女は目を潤ませて笑った。

19. ありがたい——感謝の気持ちが溢れるさま
> こんなときに声をかけてくれるなんて、本当にありがたい。

20. 肩の荷が下りる——責任や心配事から解放される安堵と喜び
> 納品が終わり、ようやく肩の荷が下りた。

格調高い・文学的な喜びの表現

21. 歓喜(かんき)——大きな喜びに沸き立つこと
> 優勝の瞬間、スタジアムが歓喜に包まれた。

22. 法悦(ほうえつ)——仏法を味わう深い喜び。転じて至福の状態
> 彼は完成した絵を前に、しばし法悦に浸っていた。

23. 随喜の涙(ずいきのなみだ)——深い感動から流れる涙
> 師匠の復帰を見て、弟子たちは随喜の涙を流した。

24. 狂喜乱舞(きょうきらんぶ)——喜びのあまり舞い上がること
> 逆転勝利にファンは狂喜乱舞した。

25. 欣喜雀躍(きんきじゃくやく)——小鳥が跳ねるように喜ぶこと
> 転勤の取り消しを聞いて、欣喜雀躍した。

ユニークな喜びの表現

26. 天にも昇る心地——この上ない幸福感
> プロポーズにイエスの返事をもらい、天にも昇る心地だった。

27. 破顔一笑(はがんいっしょう)——顔をぱっとほころばせて笑うこと
> 緊張していた彼女も、結果を聞いて破顔一笑した。

28. 拍手喝采——手を叩いて称賛すること
> 彼のスピーチには会場から拍手喝采が起こった。

29. 万歳——喜びの声をあげること
> 試験終了のチャイムと同時に、心の中で万歳した。

30. 小躍りする——嬉しくて思わず飛び跳ねること
> 返信の内容を見て、廊下で小躍りした。

使い方のポイント——喜びも「動作」で見せる

30語を紹介しましたが、心理描写の基本は「感情語に頼りすぎない」ことです。

「嬉しかった」と書く代わりに、キャラクターの行動で喜びを見せましょう。

❌ 彼女はとても嬉しかった。

⭕ 合格通知を読み終えた彼女は、そのまま玄関まで走っていき、配達員に向かって深々と頭を下げた。

喜びの語彙を増やすことと、感情を動作に変換する訓練は車の両輪です。語彙が豊かになればなるほど、「この場面にはどの温度の喜びが合うか」という判断が正確になります。


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