小説で使える「楽しみ」の感情表現30選|擬態語から文語まで例文付き辞典

2021年11月10日

「楽しい」の一言で終わらせてしまうのは、もったいないことです。人間の「楽しさ」には無数のグラデーションがあります。お酒を楽しむのと子どもと遊ぶ楽しさは違いますし、達成感からくる楽しさと好奇心からくるワクワクもまったく別物です。

この記事では、小説で使える「楽しみ」の感情を表す言葉30選を意味・例文付きで紹介します。「この場面にぴったりの一語」を見つけるための辞典として活用してください。

Unlimited 読み放題 - 200万冊以上の本が読み放題 2ヶ月0円!

境界を超えろ!シリーズが特別キャンペーン中!5冊セット495円!

体が動くほどの楽しさ——擬態語編

擬態語は読者の体感に直接訴える力を持っています。小説の地の文にもセリフにも使いやすい万能型です。

1. わくわく——心が躍って落ち着かないさま
> 新しい街に引っ越す日、わくわくして眠れなかった。

2. うずうず——やりたくてたまらず落ち着かないさま
> 新刊の続きが気になって、仕事中もうずうずしている。

3. ぞくぞく——快感や興奮で身震いするさま
> ライブが始まった瞬間、背筋がぞくぞくした。

4. るんるん——足取りが弾むような上機嫌のさま
> 靴を買った帰り道、彼女はるんるんでスキップしそうだった。

5. ほくほく——満足感を隠しきれないさま
> 骨董市で掘り出し物を見つけ、彼はほくほく顔で帰った。

使い分けのコツ: わくわくは「未来への期待」、うずうずは「今すぐやりたいという衝動」、ぞくぞくは「快感を伴う戦慄」、るんるんは「身体が動くほどの上機嫌」、ほくほくは「すでに満足している状態」です。似ているようで場面への適合度がまったく違います。

穏やかな楽しさ——日常語編

6. いい気分——心地よい状態
> 久々の海辺で、とてもいい気分だった。

7. 面白がる——対象に魅力を見出して楽しむ
> 祖父は孫の珍回答を面白がって何度も繰り返した。

8. 満足のいく——心が十分に満たされた状態
> 三度目の書き直しで、ようやく満足のいく出来になった。

9. 目がない——何かがとても好きであること
> 姉は甘いものに目がなく、旅先では必ずケーキ屋を探す。

10. 飲めや歌え——にぎやかに楽しむさま
> 合格祝いは飲めや歌えの大騒ぎで、隣室から苦情がきた。

深く味わう楽しさ——動詞編

11. 満喫する——心ゆくまで十分に味わうこと
> パリの路地裏を歩き、思う存分カフェ文化を満喫した。

12. 興じる——興味を持って面白く過ごすこと
> 彼は雨の日は一日中将棋に興じている。

13. 味わう——物事の面白みや意味を深く感じ取ること
> バスキアの原画を前にして、その荒々しい線を味わった。

14. 慈しむ(いつくしむ)——大切にかわいがること
> 彼女は我が子を慈しみ、毎晩同じ絵本を読み聞かせた。

15. 戯れる(たわむれる)——面白がって遊ぶこと
> 波打ち際で戯れる子どもたちの声が、砂浜に響いていた。

趣味・嗜好の楽しさ——名詞・形容詞編

16. 横好き——上手ではないのにやたら好きなこと
> 下手の横好きで、二十年もギターを続けている。

17. 道楽——本業以外の趣味に熱中すること
> カメラ道楽がたたって、レンズだけで棚がいっぱいだ。

18. 愛玩(あいがん)——大切にしてかわいがること
> 昔中古で手に入れたフィルムカメラを、いまだに愛玩している。

19. 嗜む(たしなむ)——好んで親しんでいること
> 祖父は日本酒を嗜み、一合の冷酒を毎晩楽しんでいた。

20. 悦楽(えつらく)——心からの喜びと楽しみ
> 原稿が完成した後のコーヒーは、格別の悦楽だった。

文学的・格調高い表現

21. 享受(きょうじゅ)——恩恵や利益を受けて楽しむこと
> 平和を享受できるのは、先人たちの苦労があればこそだ。

22. 快哉(かいさい)——痛快に思って叫ぶこと
> 逆転ホームランに、スタンド全体が快哉を叫んだ。

23. 恍惚(こうこつ)——物事に心を奪われ、うっとりすること
> オーケストラの最終楽章に恍惚として目を閉じた。

24. 法悦(ほうえつ)——深い喜びに浸ること
> 彼は完成した絵を前にして、しばし法悦に浸っていた。

25. 狂喜(きょうき)——度を超えた喜びを感じること
> 合格通知を開いた瞬間、彼は狂喜して母親に電話した。

ユニークな楽しさの表現

26. 鼻歌交じり——機嫌よく何かをするさま
> 彼女は鼻歌交じりに朝食を作っていた。

27. 小躍りする——嬉しさのあまり軽く飛び跳ねること
> メールの返事を見て、思わず小躍りした。

28. ほっこり——心が温まり穏やかな気分になること
> 見知らぬ老夫婦が手を繋いでいるのを見て、ほっこりした。

29. 胸が高鳴る——期待や興奮で心臓が速くなること
> 扉の向こうに何があるのか、胸が高鳴った。

30. 至福——この上ない幸福を感じること
> 風呂上がりのビールは至福の一杯だ。

使い方のポイント——「楽しい」を封印してみる

30語を紹介しましたが、大切なのは「楽しい」と書かずに楽しさを伝えることです。

❌ 彼は旅行が楽しかった。

⭕ 彼はスーツケースを閉じながら、まだ帰りたくないと何度もつぶやいた。

感情語を使わずに行動で楽しさを表現する——これこそが心理描写の基本であり、この30語を知っておくことで選択肢が大きく広がります。


関連記事

小説で使える「喜び」の感情表現30選|るんるんから歓喜まで例文付き辞典

小説で使える「哀しみ」の感情表現30選|切ないから慟哭まで例文付き辞典

小説で使える「怒り」の感情表現30選|ムカッから激昂まで例文付き辞典

この記事が参考になったら、ブックマーク or シェアしていただけると励みになります。

腰ボロ作家について
創作の「設定資料」と「物語の書き方」を中心に、550記事以上を公開中。
サイトトップX(Twitter)

よく読まれている記事