小説は生きがいになるか|IKIGAIフレームワークで考える創作人生

2020年8月12日

「小説が生きがいです」と言うと、たいてい返ってくるのは「それで食っていけるの?」という質問です。

食っていけるかどうか——正直、それはわかりません。でも、小説が生きがいであるかどうかと食っていけるかどうかは、実は別の話です。

この記事では、海外で注目されているIKIGAIフレームワークを使って、「小説は生きがいになるか」を真正面から考えます。「書くことを続けていいのかな」と迷っている方に、一つの考え方を提案できれば幸いです。


創作ノウハウ200超|小説の書き方ガイド

生きがいフレームワーク

 生きがいというフレームワークがあります。

・LOVE (大好きな事) 
・GREAT AT(得意な事) 
・PAID FOR(稼げること)
・NEED(世界が必要としている事)

 という4つの要素が絡み合ったものが、生きがい(IKIGAI)だという考え方です。

 このベン図、出典はアメリカです。外国では、生きがいを持つという考え方が主流ではないらしく、日本の文化の特異性を説明する方法として、このベン図が考え出されました。

 日本の文化によると、誰もが生きがいを持っています。人生の中で見つけた価値、人生が貴重であるように感じさせるものを示します。人生に理由があるように感じる精神的および霊的な状況の両方を指します。生きがいについて私が本当に賛美するのは、それが交換可能だということです。それは個人独特のものであり、「幸福」という考えは実際には定義が難しいことを認めています。概念として、生きがいは、皆がするように進化することができます。目的の1つの生き方がなくなると、目的に合わせて新しい情熱を適応させ、変化させ、追求することができます。生きがいはこのためのスペースを作ります。

 結局のところ、生きがいとは、単に長く幸せな人生を送ることだけではありません。それは、あなたが歩んでいる旅を認め、それを自分のものにすることです。自分の人生に意味と目的をもたらすものは何かを知ることです。

Darling

「IKIGAI(生きがい)」は、実は海外で大きな注目を集めている日本発の概念です。英語圏ではそのままローマ字で使われ、TEDトークや自己啓発書で頻繁に引用されています。

IKIGAIフレームワークとは何か

このフレームワークでは、生きがいを4つの軸が重なる部分として定義します。

英語意味
大好きなことLOVE時間を忘れて没頭できること
得意なことGREAT AT他の人より上手にできること
稼げることPAID FOR対価を得られること
世界が必要としていることNEED社会に求められていること

4つの軸がすべて重なったとき、そこに「生きがい」があるとされています。

面白いのは、4つのうち2つしか重ならない状態にも名前がついていることです。

組み合わせ状態
好き+得意情熱(Passion)——楽しいけど稼げない
好き+必要使命(Mission)——やりがいはあるけど収入がない
得意+稼げる専門職(Profession)——安定だけど心が満たされない
稼げる+必要天職(Vocation)——社会に貢献しているけど好きじゃない

4軸を「小説を書くこと」に当てはめる

では、小説を書くことをIKIGAIの4軸で点検してみましょう。

LOVE(大好きなこと)

この記事を読んでいるあなたは、おそらく「書くことが好き」なはずです。好きだからこそ、他の趣味を差し置いて小説を書いている。この軸は、多くの書き手にとってクリアしているでしょう。

ただし注意点があります。「好き」には波があるということです。スランプのとき、「本当に好きなのか」と疑ってしまう瞬間がある。でも、嫌いなものに悩んだりはしません。悩んでいる時点で、あなたは書くことが好きなのです。

GREAT AT(得意なこと)

「自分は小説が下手だ」と思っている人は多いでしょう。でも「得意」とは、世界一であることを意味しません。

初めて書いた作品と今の作品を比べてみてください。確実に上手くなっているはずです。文章力、構成力、キャラクター造形——磨けば伸びるスキルがあるということは、「得意になりうる」ということです。

得意かどうかの判定基準は、「学び続けられるか」で十分です。嫌いなことの勉強は苦痛ですが、好きなことのスキルアップは娯楽の延長にある。あなたが「もっとうまくなりたい」と思えているなら、この軸もクリアしています。

PAID FOR(稼げること)

ここが最大のハードルに見えます。「小説で食っていけるわけがない」——そう言われると、反論が難しい。

しかし私は、稼ぐ=生活するではないと考えています。

2018年12月31日に初めての電子書籍を発行しました。2019年の1年間で得た利益は約5万円。もちろんこれだけでは食べていけません。でも重要なのは、お金を払ってでも読んでくれる人がいたという事実です。

5万円は生活費にはなりません。しかし「あなたの物語にお金を払う価値がある」と誰かが判断した——その事実は、金額では測れない重みを持ちます。

2026年現在、稼ぐ手段はさらに広がっています。

手段ハードル収益規模
電子書籍(KDP)低い月100円〜数万円
Web小説投稿サイト(チアーズ/リワード)低い月0円〜数千円
ブログ・note中程度月0円〜数万円
同人誌即売会中程度イベント毎で変動
書籍化・受賞高い大きく変動

月に数百円でも「稼げている」事実があれば、この軸は空白ではありません。0か100かで考える必要はないのです。

NEED(世界が必要としていること)

「小説なんて社会に必要なの?」——こう問われると、一瞬言葉に詰まります。

でも思い出してください。コロナ禍で人々がどれだけフィクションに救われたか。災害のとき、復興のシンボルとして物語が語られたこと。学校で居場所を見つけられなかった子どもが、小説の世界に逃げ場を見つけたこと。

なぜ物語を書くのかという記事でも書きましたが、物語には人の心を修復する力があります。必要としてくれる誰かに作品を届けることができたなら——たとえ一人でも——それは「世界が必要としていること」に含まれます。


4軸すべてを「完璧に」満たす必要はない

IKIGAIフレームワークの図を見ると、4つの円がきれいに重なった中心に「生きがい」がある。だから「4軸すべてを高いレベルで満たさないとダメだ」と思いがちです。

しかし、私はそうは考えません。

4軸のうち3つが「部分的に」重なっているだけでも、十分に生きがいと呼べると思うのです。

• 好きで書いている → LOVE ✓

• 少しずつ上手くなっている → GREAT AT ✓

• 一人でも読んでくれる人がいる → NEED ✓

• 月100円でも収益がある → PAID FOR ✓(わずかでも)

この4つが一つでも欠けると苦しくなりますが、すべてが100点である必要もない。それぞれが10点でも、重なっていれば生きがいの萌芽です。


兼業作家という選択肢の強さ

「小説で食っていけないなら、生きがいにはならない」——これは誤解です。

兼業作家という形態は、むしろIKIGAIを安定させる最良の戦略かもしれません。本業で「稼げる」を確保し、創作で「好き」と「必要とされる」を満たす。得意なことは両方の領域で伸ばしていく。

IT企業で15年働いて小説に効いた5つの経験で書いたように、本業の経験は創作に転用できます。二足のわらじではなく、二つの軸で一つの生きがいを支えていると考えてみてください。


まとめ

「小説は生きがいになるか」——私の答えはイエスです。

ただし、4軸すべてが100点である必要はありません。大切なのは、4つの軸が少しずつでも重なり合っていること。そしてその重なりを、焦らず広げていくことです。

あなたの現状を点検
LOVE書くことが好きだと感じているか?
GREAT AT1年前より上達していると感じられるか?
PAID FOR少額でも対価を得た経験があるか?
NEED一人でも読んでくれる人がいるか?

どうですか、書ける気がしてきましたか?

4つのうち一つでも「はい」と答えられるなら、あなたは生きがいの入口に立っています。残りの軸は、書き続けるうちに少しずつ満たされていきます。

もし悩むことがあったら、このブログに戻ってきてください。同じように初心者だった私が、基礎から応用まで気づいたことを書き綴っています。

さあ、今日も物語を書きましょう。あなたの傑作を待っています。


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Posted by kosiboro