ロジックツリーとは?|作り方・5つの種類・具体例をわかりやすく解説

2021年8月15日

「問題が大きすぎて、どこから手をつければいいかわからない」——仕事でもプライベートでも、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

そんなときに頼れるのがロジックツリーです。大きな問題を小さな要素に分解し、ツリー(樹形図)の形で整理することで、解決の糸口が見えてきます。コンサルティング業界では定番のフレームワークですが、実はどんな職種の方にも使える汎用性の高いツールです。

この記事では、ロジックツリーの意味・5つの種類・具体的な作り方・よくある失敗パターンまでを解説します。

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ロジックツリーの意味と基本構造

ロジックツリーとは、1つの命題(問題や課題)を論理的に分解し、樹木の枝分かれのように整理する思考ツールです。

たとえば「売上が下がっている」という問題を分解すると——


売上が下がっている
├─ 客数が減っている
│ ├─ 新規顧客が減っている
│ └─ リピーターが減っている
└─ 客単価が下がっている
├─ 購入点数が減っている
└─ 商品単価が下がっている

このように分解することで「漠然とした大きな問題」が「具体的な小さな問題」に変わります。小さな問題なら原因も対策も考えやすいですよね。

ロジックツリーの基本ルール——MECE

ロジックツリーを作るうえで最も重要な概念がMECE(ミーシー)です。

MECE = Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive
日本語では「モレなく、ダブりなく」と訳されます。

原則意味悪い例
Mutually Exclusive(相互排他)分解した要素同士が重複しない「男性客」と「30代の客」→ 重複する
Collectively Exhaustive(全体網羅)分解した要素を合計すると全体になる「新規客」だけで「既存客」が漏れている

完璧なMECEを目指すと手が止まりがちですが、まずは「大きく2〜3つに分ける」ことから始めてみてください。最初から完璧を求めるよりも、分解してから修正するほうが効率的です。

ロジックツリーの5つの種類

ロジックツリーは「何のために使うか」で5つに分けられます。大きくは問題解決型(既に起きた問題を解く)目標達成型(達成したいゴールに向かう)の2グループです。

問題解決型(3種類)

種類問いかけ用途
Whatツリー問題は何でできている?状況把握・問題の構造理解
Whyツリーなぜ問題が起きた?原因の特定
Howツリーどうすれば解決できる?解決策の洗い出し

目標達成型(2種類)

種類問いかけ用途
KPIツリー目標を数値で分解すると?定量目標の因数分解
イシューツリー何を解決すべきか?定性的な課題の整理

使い分けに迷ったときは、次の順番で考えるとスムーズです。

1. まずWhatツリーで問題の全体像を把握する
2. 次にWhyツリーで原因を深掘りする
3. 最後にHowツリーで解決策を出す

この「What → Why → How」の流れは、問題解決の基本プロセスそのものです。

各ツリーの具体例

Whatツリー——問題は何でできている?

「今月の売上が目標に届かない」という問題をWhatツリーで分解してみます。


今月の売上が目標に届かない
├─ 過去:先月の施策が効いていなかった
├─ 現在:新商品の認知が低い
└─ 未来:来週のキャンペーン準備が遅れている

Whatツリーのポイントは状況把握に徹することです。「なぜ?」は聞かず、まず「何が起きているか」を整理します。時間軸(過去・現在・未来)で分けるとMECEになりやすいですよ。

Whyツリー——なぜ問題が起きた?

Whatツリーで特定した問題の原因を深掘りします。


新商品の認知が低い
├─ 広告の出稿量が少なかった
│ ├─ 予算が前月から削減された
│ └─ 広告チームの人員が不足していた
└─ SNSでの情報発信が遅れた
└─ 商品情報の社内共有が遅かった

Whyツリーのコツは「なぜ?を自分がコントロールできる範囲で掘ること。「景気が悪いから」のような外部要因で止まると、対策が打てなくなります。なぜなぜ分析(5-why)と組み合わせるとさらに効果的です。

Howツリー——どうすれば解決できる?

原因が特定できたら、解決策を洗い出します。


新商品の認知を上げる
├─ 広告を増やす
│ ├─ SNS広告の予算を再配分する
│ └─ インフルエンサー施策を検討する
├─ 自社メディアで発信する
│ ├─ ブログ記事を3本書く
│ └─ メルマガで告知する
└─ 既存顧客にアプローチする
└─ 購入者にレビュー依頼を送る

Howツリーでは「実行可能なアクション」まで分解することが重要です。「頑張る」「意識する」は分解できていない証拠なので、具体的な行動に書き換えてみてください。

KPIツリー——目標を数値で分解する

売上などの定量目標を因数分解するツリーです。


月間売上 100万円
├─ 客数 × 客単価
│ ├─ 客数 200人(新規100 + リピート100)
│ └─ 客単価 5,000円
└─ PV × CVR × 単価
├─ PV 10,000
├─ CVR 2%
└─ 単価 5,000円

KPIツリーの強みは「どの数字を動かせば目標に届くかが一目でわかることです。全体を2倍にするのは難しくても、客数を1.3倍 × 客単価を1.5倍にすれば約2倍になります。掛け算の構造を可視化するのがポイントですね。

イシューツリー——何を解決すべきか?

定性的な課題を整理するツリーです。


ブログのリピーターを増やすには?
├─ コンテンツの質を上げる
│ ├─ 読者の検索意図に合った記事を書く
│ └─ 記事の読みやすさを改善する
├─ 更新頻度を安定させる
│ ├─ 執筆スケジュールを固定する
│ └─ ストック記事を5本用意する
└─ 読者との接点を増やす
├─ メルマガを始める
└─ SNSでの告知を強化する

イシューツリーはKPIツリーと違い、数値で分解しにくいテーマに向いています。ブレインストーミングの結果を構造化するときにも便利なツールです。

ロジックツリーでやりがちな失敗

失敗1:いきなり解決策から入る

問題の全体像(What)や原因(Why)を把握せずに解決策(How)を考え始めると、見当違いの対策を打ってしまいます。What → Why → Howの順番を守りましょう。

失敗2:第1階層の分解が甘い

ツリーの第1分岐(最初の分解)がMECEでないと、その下のすべてが歪みます。最初の2〜3分岐に最も時間をかけるべきです。

失敗3:深さに偏りがある

Aの枝は5階層まで掘ったのに、Bの枝は1階層で止まっている——こういうツリーは「掘りやすいところだけ掘った」状態です。すべての枝をある程度均等に掘ることを意識してみてください。

失敗4:分解が粗すぎる or 細かすぎる

分解が粗いと「結局よくわからない」、細かすぎると「木を見て森を見ず」になります。目安として3〜4階層、各枝2〜3分岐がバランスの良い粒度です。

ロジックツリーを使いこなすコツ

紙に手書きで始める。 ツールにこだわるより、まず紙に書いたほうが思考が広がります。清書はあとからでかまいません。

他のフレームワークと組み合わせる。 原因の深掘りにはなぜなぜ分析(5-why)、改善を回すにはPDCAサイクル、理想と現状のギャップ把握にはAs Is / To Beとの併用が効果的です。

私自身、IT企業でシステム障害が起きたときにはまずWhyツリーで原因を整理し、5-whyで深掘りし、HowツリーでToDoに落とすという流れを何度もやってきました。同じ手順は創作のスランプ解消にも使えます。「なぜ書けないのか」をツリーで可視化するだけで、問題が驚くほどクリアになるものです。

まとめ——大きな問題は「分ける」ことで解ける

ロジックツリーとは:問題や課題をMECEに分解して、ツリー状に整理する思考ツール

5つの種類:What(状況把握)→ Why(原因特定)→ How(解決策)+ KPI(数値目標)+ イシュー(定性課題)

作り方のコツ:第1分岐に最も時間をかけ、3〜4階層 × 2〜3分岐を目安にする

失敗を避ける:What → Why → Howの順番を守り、均等に掘る

「問題が大きすぎてどこから手をつけていいかわからない」——その感覚は、問題をまだ分解できていないだけです。ロジックツリーで分ければ、どんな問題も扱えるサイズに変わります。まずは紙を1枚取り出して、真ん中に問題を書くところから始めてみてください。

どうですか、書ける気がしてきましたか?
もし悩むことがあったら、このブログに戻ってきてください。同じように初心者だった私が、基礎から応用まで気づいたことを書き綴っています。
さあ、今日も物語を書きましょう。あなたの傑作を待っています。


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