自分の作品を自信をもってオススメする方法|「可視化」で見つける物語の魅力

2020年6月5日

自分の作品を人にすすめるのは、想像以上にエネルギーがいる行為です。

「面白いよ」と言いたいのに、粗が目についてしまう。人に読ませるのが恥ずかしい。厚かましいと思われないか不安になる。

こうした気持ちは、真剣に創作に向き合っている証拠でもあります。手を抜いて書いた作品なら、そもそも恥ずかしくはならない。恥ずかしいのは、本気で書いたからです。

この記事では、自分の作品を自信をもってオススメするための具体的な方法を解説します。テクニックの前にまず、自分自身が作品を好きになる仕組みをつくることが大切です。


創作ノウハウ200超|小説の書き方ガイド

ステップ1:自分の作品に「感想」を書く

最初にやるべきことは、自分の作品に対して自分で感想を書くことです。

投稿サイトに自作自演のレビューをつける、という話ではありません。誰にも見せない、自分だけのメモとして、自作への感想を書き出します。

書き手の視点で読む

作品を書いているとき、頭の中では無数の選択が行われています。展開Aと展開Bがあって、Aを選んだ。キャラクターにこのセリフを言わせた理由がある。

その「選んだ理由」を言語化してみましょう。

• なぜこの展開を選んだのか

• このシーンで表現したかった感情は何か

• このキャラクターの行動原理は何に基づいているか

書き出してみると、自分でも気づいていなかった作品の強みが見えてきます。「二人の幼馴染を喧嘩させてから再会させると胸が熱くなる」——そういった自分だけの必勝パターンが蓄積されていきます。

読み手の視点で読む

次に、初めて読む読者のつもりで自作を読んでみます。

• ここは少しテンポが遅いな

• この伏線の回収はうまいな

• このセリフで泣きそうになる

率直な反応を書き出してください。粗も見つかりますが、同時に「ここは本当にいいシーンだ」というポイントも見えます。

推敲と違い、この作業のゴールは「直すこと」ではなく「自作の魅力を発見すること」です。自分が好きでない作品を、他人にすすめることはできません。まず作者自身が、自分の物語に惚れ直すことが出発点です。


ステップ2:作品の「推しポイント」を3つに絞る

感想から見えてきた魅力を、3つに絞ります。

例:
1. 世界観: 魔法と科学が融合した独自の文明設定
2. キャラクター: 口が悪いけど誰より仲間思いなヒロイン
3. 展開: 第5章のどんでん返しで伏線が一気に回収される

3つに絞る理由は、人間が一度に処理できる情報量に限りがあるからです。「あれもこれも面白い」は、結局何も伝わりません。推しポイントは絞るほど鋭くなります。


ステップ3:「30秒で語れるあらすじ」をつくる

作品をすすめる場面では、長々と説明する時間はありません。30秒で相手の興味を引けるあらすじが必要です。

構成テンプレート

> [主人公]が[状況]で[行動]する[ジャンル]。見どころは[推しポイント]。

例:

> 追放された宮廷魔法使いが、田舎の食堂で料理を始める異世界グルメファンタジーです。魔法でスパイスを調合するシーンが独特で、読んでいるとお腹が空きます。

このテンプレートは、Xでの紹介文、投稿サイトのあらすじ欄、対面で聞かれたときの返答、すべてに使えます。


ステップ4:「作者レビュー」を書く

ステップ1〜3が終わったら、いよいよ他人に見せるための文章を書きます。

レビューと聞くと構えてしまうかもしれませんが、自分の作品について語るのは、世界で一番やりやすいレビューです。予備知識の収集も、著者への取材も不要。すべて自分の頭の中にあります。

レビューで書くこと

項目内容
作品を書いたきっかけ「こんな物語が読みたかったから自分で書いた」
推しポイント3つステップ2で絞ったもの
キャラクターへの想い「このキャラは私の分身です」「書いていて一番好きになったキャラ」
読者へのメッセージ「こんな方に読んでほしい」

書いたレビューの使い道

• 投稿サイトの作品紹介文に反映する

• SNS の固定ポストに使う

• ブログの作品紹介ページに掲載する

• 投稿サイトの活動報告で公開する


ステップ5:「好き」を隠さない

ここまでのステップを踏めば、自分の作品を語る言葉が手元にあるはずです。

あとは、それを出す勇気だけ。

「自慢に聞こえないか」「痛い人だと思われないか」——その心配はわかります。しかし、自分の作品を好きだと言える作者を、読者は好ましく感じます。そこに嘘がなければ、熱量は伝わります。

逆に、「いや、大した作品じゃないんですけど……」と卑下する作者の作品を、読者が読みたいと思うでしょうか。作者が一番のファンでなければ、読者はファンになれません。


まとめ:5つのステップ

#ステップやること
1自分に感想を書く書き手・読み手の二つの視点で自作を読み返す
2推しポイントを3つに絞る伝えたい魅力を明確にする
330秒あらすじをつくる端的に作品を紹介できる文を用意する
4作者レビューを書くSNSや投稿サイトで使える紹介文を作成する
5好きを隠さない作者自身が一番のファンであることを示す

自分の作品のはじめての読者は、いつだって作者自身です。

その最初の読者が「面白い」と言えなければ、誰にも届きません。まず自分が作品を好きになるところから始めましょう。そうすれば、自信をもってオススメできる日が必ずきます。

さて、今日も物語を書きましょう。腰は壊しても、筆は折らない。

腰ボロ作家

この記事が参考になったら、ブックマーク or シェアしていただけると励みになります。

腰ボロ作家について
創作の「設定資料」と「物語の書き方」を中心に、550記事以上を公開中。
サイトトップX(Twitter)

よく読まれている記事

小説の書き方本をもっと読むなら → Kindle Unlimited