電子書籍のメリット・デメリット|読者視点と作家視点で徹底整理

2020年7月24日

電子書籍を利用したことはありますか。スマホやタブレットがあれば、誰でも今すぐ始められます。

「紙の本が好きだから」と敬遠している方も多いですが、電子書籍には紙にはない明確な強みがあります。そして作家にとっても、電子書籍は創作を収益につなげるための強力なツールです。

この記事では、読者視点のメリット・デメリットと作家視点のメリット・デメリットを分けて整理します。兼業作家として両方の立場を経験している私の実感も交えてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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読者にとっての電子書籍メリット10選

1. 購入が圧倒的に手軽

本屋を探し回る必要がありません。書籍購入サイトで検索して、ワンタップで購入完了。小説、コミック、ビジネス書——電子書籍に存在しないジャンルを見つけるほうが難しいほど、市場は成熟しています。紙の本では入手困難な人気作も、品切れの心配なくいつでも手に入ります。データとして購入するので、部屋に積み重なる本の山に悩まされることもありません。

しかも購入後はすぐに読み始められます。日付が変わった瞬間に新刊をゲットすることも可能です。本屋の開店を待つ必要はありません。本好きにとって「すぐ読める」は何よりのメリットです。私も深夜に「あの本が読みたい」と思った瞬間、そのまま購入して朝まで読んでしまったことが何度もあります。

2. 持ち運びが楽

紙の本を3冊以上持ち歩くと、肩が痛くなります。辞書やハードカバーならなおさらです。

電子書籍なら、スマホやタブレットの重さだけ。何百冊入っていても重さは変わりません。旅行で新幹線に乗るとき、漫画20巻を持ち込むのは不可能ですが、電子書籍なら指先ひとつです。夏場にペットボトルの水滴で本が傷む心配もありません。
Amazon Kindleは専用端末がなくてもスマホアプリで読めます。既にスマホを持っているなら、追加投資ゼロで始められます。

3. セール・キャンペーンで安く買える

電子書籍は定期的にセールが開催されます。半額セールや一律99円キャンペーンは珍しくありません。未知のジャンルでも「セール中だから試しに」と購入のハードルが下がります。私もセールがきっかけで数多くの未知の作品に出会えました。

さらにAmazonのKindle Unlimitedなら、月額980円で対象書籍が読み放題。限られた予算で多くの本を読みたい方には最適なサービスです。Amazonプライム会員であればPrime Readingも利用可能で、こちらは追加費用なしで電子書籍が楽しめます。年間プラン4,900円(税込)でPrime Videoも使えますから、コスパは非常に良いです。

4. 在庫切れがない

電子書籍はデータ販売なので、物理的な在庫切れは発生しません。話題の新作も発売と同時に確実に入手可能。「本屋で売り切れていた」という経験がある方ほど、このメリットを実感するはずです。ネタバレを目にする前に読み始められる安心感も大きいですね。

5. 試し読みが豊富

電子書籍は試し読み機能が充実しています。漫画なら1〜3巻を無料で読めるケースも多い。紙の本のように「ビニール包装で中身が確認できない」ということがなく、中身に納得してから購入できます。表紙だけで判断する必要がなくなるのは、読者にとって大きな安心材料です。

私も電子書籍の試し読みがきっかけで、知らなかった作品をいくつも発見しました。「この作品、こんなに面白かったのか」と驚く体験は、電子書籍ならではの革命です。

6. 人目を気にせず買える

表紙が際どい本や、自分がターゲット層から外れている本はレジに持っていく勇気がいります。電子書籍なら、誰の目も気にせず購入可能。保管もアプリの中なので、家族に本棚を見られることもありません。自分だけのオリジナル本棚が持てます。

7. 読書へのハードルが低い

紙の分厚い本は「読み切れるだろうか」と構えてしまいがちです。電子書籍なら、いつも手にしている端末から気軽に読み始められます。電車の移動時間や待ち時間に数ページ読む。そうした小さな積み重ねが、読書への苦手意識を自然と薄めてくれます。

8. 多読しやすい

複数の本を並行して読む多読派にとって、電子書籍は最適です。ワンタップで本を切り替えられるので、小説を読んでいてわからない言葉があったら辞書を開き、すぐ戻る——という動作が指一本で完結します。

紙の本を何十冊も積んでいると、「こんなに読まなきゃ……」というプレッシャーが生まれますが、電子書籍なら積読の圧力が見えにくい。精神的に楽に多読を進められます。

9. 気軽にマーカーが引ける

Kindleなどの電子書籍では、本を汚さずにハイライトを付けられます。後で簡単に消すことも、マーカー箇所に一瞬で飛ぶことも可能です。

「電子書籍は記憶に残りにくい」と言われることもありますが、それは流し読みの問題であって、紙の本でも同じです。気になった箇所にどんどんマーカーを引いていけば、紙の本にページの角を折るよりも遥かに効率よく振り返りができます。

私は紙の本を読むとき、気になったページの縁を折り曲げたり付箋を付けたりします。ですが後で「あのセリフどこだったっけ?」と探すのに苦労します。電子書籍なら本の中身を検索して、気になった箇所にすぐ飛べるので、とても便利です。

10. 暗い場所でも読める

紙の本は暗い場所では読めません。電子書籍ならディスプレイの明かりで、場所や時間を問わず読書が楽しめます。ただし長時間の暗所読書は目の負担になるので、休みながら読むことをおすすめします。Kindleの専用端末はスマホよりも目に優しい設計になっており、長時間読書にはこちらが向いています。

作家にとっての電子書籍メリット4選

1. セルフ出版のハードルが圧倒的に低い

紙の書籍は出版社を通さないと出版が困難ですが、電子書籍ならKindle Direct Publishing(KDP)を使えば個人で出版可能です。Amazonアカウントを作成し、KDPに登録して原稿データをアップロードすればOK。特殊なファイル変換の手間はありますが、知識やスキルは最低限で済みます。Microsoft WordやGoogleドキュメントで原稿を作成できるので、特別なソフトを購入する必要もありません。

あなたの頭の中にしかなかった物語を、世界中の読者に届けられる。しかも誰かが購入してくれればお金という形でフィードバックが返ってくる。これは紙の出版しかなかった時代には考えられなかったことです。

2. 作品を気軽に紹介できる

電子書籍はスマホにダウンロードすれば、いつでもどこでも人に見せられます。スクリーンショットを撮ってLINEで送ることも簡単です。紙の本をカメラで撮ると暗くなったり見栄えが悪くなったりしますが、電子書籍なら原本そのままの美しさで共有できます。

作品のプロモーションにおいて「見せやすさ」は大きなアドバンテージです。SNSでの宣伝との相性も抜群です。

3. 作品が劣化しない

電子データなので物理的に劣化することがありません。紙の本は経年で黄ばみ、古い作品は書店から撤去されますが、Amazonは(Kindleサービスが続く限り)いつまであなたの本を並べてくれます。何年前に出版した作品でも、新品同様の状態で読者に届く。これはデジタルならではの強みです。

4. 印税率が高い

KDPの印税率は35%〜70%。出版社を通した紙の書籍の印税率が一般的に5%〜10%であることを考えると、圧倒的な差があります。もちろん販売数の規模は出版社の方が大きいケースが多いですが、ニッチなジャンルであれば電子書籍の高印税率が有利に働きます。

具体的に計算してみましょう。250円の電子書籍をKDPで70%ロイヤリティで出版した場合、1冊あたり約175円の印税。100冊売れれば約1万7500円です。紙の本で同じ金額を得るには、印税率10%なら700冊売る必要があります。この差は兼業作家にとって非常に大きいです。

電子書籍のデメリット——見落とされがちな3つの問題

デメリット1:古本市場がない

電子書籍には古本屋が存在しません。これは読者にとって「中古で安く買えない」というデメリットであると同時に、出版業界にとっては一長一短です。

古本屋で本が売れても出版社の売上にカウントされず、作者にも印税が入りません。作品の打ち切りに直結する場合もあるため、「古本屋から買うのやめて」という作家の声を見たことがある方も多いでしょう。電子書籍が普及すれば、この問題は構造的に解消されます。

ただし「100円で古本が買える」体験は電子書籍では再現できない。Kindle版が紙より10〜20%安いのは事実ですが、古本の圧倒的な安さには敵いません。誰も言いませんが、これが電子書籍がさらに普及するための最大の壁かもしれません。価格差の解消が今後の課題です。

デメリット2:広告・発見されることが難しい

紙の本は、購買意欲の高い人が集まる書店に並べてもらえます。限られた棚に陳列されること自体が広告の役割を果たしています。

一方、電子書籍は無限の商品が並ぶECサイト上で埋もれやすい。ランキング上位に入れなければ見つけてもらうこと自体が困難です。だからこそ電子書籍を出版する作家は、SNSやブログなど自分の作品を宣伝できる場を持つことが重要になります。

デメリット3:電子書籍から紙の書籍化は可能か

「Kindleで出したら書籍化のチャンスがなくなるのでは」と心配する方もいますが、前例があります。「魔女の旅々」はもともとKindleで自費出版された作品でした。作者が2ちゃんねるで宣伝したところ話題となり、GAノベルから正式に刊行されたのです。

電子書籍での出版は書籍化への一歩にもなりうる。むしろ「実績のある作品」として出版社に持ち込む際のアピール材料になることもあります。「まずは電子書籍で出して、反応を見てから出版社にアプローチ」という戦略は、2026年の兼業作家にとって現実的な選択肢のひとつです。

まとめ——電子書籍は読者も作家もハッピーにする

電子書籍は「読む」側にも「書く」側にも、確かなメリットがあります。

読者にとっては手軽さ・安さ・場所を選ばない自由。作家にとってはセルフ出版の手軽さ・高い印税率・作品の永続性。デメリットもありますが、テクノロジーの進化とともに解消されていく余地が大きいものばかりです。

兼業作家として日々感じるのは、電子書籍のおかげで「出版」のハードルが劇的に下がったということ。あなたの物語を世に出す手段として、電子書籍はもっとも現実的な選択肢のひとつです。まずはKDPの登録から始めてみてはいかがでしょうか。


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