カクヨムの☆デスゲーム問題|趣味で書きたい人がなぜ生存競争に巻き込まれるのか

こんにちは。腰ボロSEです。

「趣味で楽しく書きたいだけなのに、生存競争に巻き込まれる」——2024年から2025年にかけて、カクヨムを中心にこの悲鳴がSNSで急増しました。

書籍化済みプロ作品と素人作品が同じランキングで競わされる不公平さ。異世界転生一択のジャンル偏重。読み専ユーザーの少なさ。 「☆をくれたから☆を返す」という相互評価文化 。これらが組み合わさって生まれたのが、通称 「☆デスゲーム」 です。

ネオページなど新興サイトへの移住議論も活発化しましたが、果たしてプラットフォームを変えれば問題は解決するのでしょうか。今回はこの構造問題を整理し、創作者がどう向き合うべきかを考えていきましょう。

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カクヨムの「☆デスゲーム」とは何か

カクヨムの評価システムは ☆(星)による評価 を軸にしています。読者が作品に☆をつけ、その集計がランキングに反映される。シンプルな仕組みですが、この構造が思わぬ副作用を生みました。

ランキングが生む3つの歪み

歪み内容結果
プロと素人の同居書籍化済み・アニメ化済みのプロ作品と個人の趣味作品が同じランキングで競わされる新規作家が上位に入る難易度が極端に高い
ジャンル偏重異世界転生・追放系がランキングを独占する傾向他ジャンルの作品が構造的に不利になる
読み専の少なさ書き手同士の☆交換が評価の主要手段になっている純粋な「読者の声」がランキングに反映されにくい

とくに深刻なのは 「プロと素人の同居」 です。これは例えるなら、地元の草野球チームがプロ野球のリーグ戦に放り込まれるようなものでしょう。同じルールで戦っているように見えて、 そもそもの戦力差が圧倒的 なのです。書籍化済み作品には既存のファンベースがあり、宣伝力も段違いです。その作品と同じランキングで☆を奪い合うのは、公平な競争とは言えません。

さらに 「読み専の少なさ」 が問題を複雑にしています。カクヨムでは書き手同士が互いの作品に☆をつけ合う文化が根付いており、 「☆をくれたから☆を返す」という相互評価 が事実上のランキング攻略法になっています。これは本来の「読者が面白いと思った作品が上位に来る」という理想からかけ離れた状態です。

なぜ「趣味で書きたいだけ」の人が追い詰められるのか

ここで疑問が浮かぶかもしれません。「ランキングなんか気にしなければいいのでは?」と。

理論上はそのとおりです。しかし プラットフォームの設計そのものが「ランキングを気にせざるを得ない構造」 になっているのです。

プラットフォームの設計創作者への影響
トップページにランキングが目立つように配置されている新規読者はランキング上位作品だけを読む傾向が強まる
☆の数が作品の「価値の指標」として機能している☆が少ない作品=つまらない作品という印象を与えてしまう
書籍化のスカウトがランキング上位から行われやすいプロを目指す人はランキングを無視できない
ランキング上位の作品がさらに読者を集める正のフィードバック一度上位に入れないと永久に埋もれる構造

つまり 「ランキングを気にしない」という選択肢は、プラットフォームの構造上ほぼ存在しない のです。趣味で書いているだけの人も、自分の作品が読まれないことで「やっぱりランキングに入らないとダメなのか」と感じ、 書くこと自体が苦痛 になっていきます。

これが 「☆デスゲーム」 と呼ばれる所以です。全員が参加したくて参加しているわけではないのに、プラットフォームにいる限りゲームから降りられない。

相互評価文化が生み出す「見えないルール」

☆デスゲームをさらに厄介にしているのが、 書き手同士の相互評価文化 です。

カクヨムでは「読み専」——つまり読むだけのユーザーが構造的に少ないと言われています。結果として、 作品を読んで☆をくれるのは「同じく書いている人」 である割合が高い。そこに暗黙のルールが生まれます。

暗黙のルール内容弊害
☆返し☆をもらったら相手の作品にも☆をつける作品の質ではなく人間関係で評価が決まる
コミュニティ票特定のグループで互いに☆をつけ合う外部から参入する新人が不利になる
☆営業自分から先に多くの作品に☆をつけて回り、返報を期待する執筆時間が営業活動に食われる

もちろん、読んで面白かったから☆をつける——という正当な行為もたくさんあります。しかし 構造的に相互評価が有利になるシステムでは、善意の行為と「営業」の区別がつかなくなる のです。

これはSNSの「いいね返し」文化と同じ構造です。Twitterでも「いいねしてくれた人のツイートにいいねを返さないと関係が壊れる」という暗黙の圧力がありますが、 カクヨムではそれがランキングに直結する 分、圧力はさらに強い。「書くために来たのに、気づいたら☆を配って回る作業に時間を取られている」——こういう声が出るのも当然でしょう。

ネオページへの移住は解決策になるか

☆デスゲームへの不満から、 ネオページなどの新興サイトへの移住議論 が2024年以降活発化しました。しかし結論から言えば、 プラットフォームを変えても構造問題は解決しない可能性が高い です。

なぜなら、ランキングシステムがある限り同じ力学が必ず再発するからです。

段階何が起きるか
初期少人数で和気あいあい。ランキングも機能している
成長期ユーザーが増え、プロ作品や人気作品が流入する
成熟期ランキング上位が固定化し、ジャンル偏重が起きる
不満期「ここも結局カクヨムと同じだ」と言われる
移住議論さらに別のプラットフォームへ……(ループ)

これはカクヨムだけの問題ではありません。なろうでも、アルファポリスでも、 ランキングと評価を核にしたプラットフォームは必ずこの循環に陥る のです。

だからといって「どこに行っても同じだから諦めろ」と言いたいわけではありません。ポイントは 「プラットフォームに問題の解決を期待してはいけない」 ということです。構造を変えるのは運営の仕事ですが、 構造に振り回されない位置に自分を置くのは創作者自身の仕事 です。

☆デスゲームから降りるための4つの戦略

プラットフォームの構造を変えることはできません。しかし 自分の関わり方を変えることはできます

戦略内容効果
①自前の発信基盤を持つブログ・X・YouTube等でファンとの直接チャネルを構築するプラットフォームのランキングに依存しない読者基盤ができる
②複数サイトに分散投稿するなろう・カクヨム・アルファポリス・ネオページ等に同時展開一つのサイトのルール変更に振り回されない
③ランキングではなくファンの深さを指標にする☆の数ではなく、感想の質やリピーターの数を見る数字に振り回される精神的苦痛が減る
④KDP(セルフ出版)を出口にする出版社を介さずKindleで直接出版するランキング上位にならなくても書籍化できる

特に ①自前の発信基盤 は最優先で整えるべきです。カクヨムが明日ルールを変えても、なろうのアルゴリズムが変わっても、 あなたのブログやXのフォロワーはあなたの作品を探してくれます 。プラットフォームは「借りている土地」、自前の発信基盤は「持ち家」です。借地の上に城を建ててはいけません。

③ファンの深さを指標にする も精神衛生上とても重要です。☆が100個つくより、 「続きが楽しみです」という感想が1つある方が、書き手としては幸せ ではないでしょうか。☆の数は他者との比較を強制しますが、感想の質は自分の作品だけと向き合えます。

まとめ

ポイント内容
☆デスゲームの正体プロと素人の同居、ジャンル偏重、読み専不足、相互評価文化の複合問題
なぜ降りられないかプラットフォームの設計がランキングを無視できない構造になっている
相互評価の弊害作品の質ではなく人間関係で評価が決まる歪み
移住は解決策にならないランキングがある限り、どのサイトでも同じ力学が再発する
創作者の戦略自前の発信基盤、分散投稿、ファンの深さ指標、KDP出口

「趣味で楽しく書きたいだけ」——その気持ちは何も間違っていません。問題はあなたにあるのではなく、プラットフォームの構造にあります。 構造を理解した上で、自分にとって一番心地よい場所で書き続ける 。それが、☆デスゲームに巻き込まれないための最善の戦略ではないでしょうか。

どうですか、書ける気がしてきましたか?
もし悩むことがあったら、このブログに戻ってきてください。同じように初心者だった私が、基礎から応用まで気づいたことを書き綴っています。
さあ、今日も物語を書きましょう。あなたの傑作を待っています。

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