《小説感想》最後の将軍 徳川慶喜 いまでも日本はこんな感じです

2020年1月5日

こんにちは。
杞優橙佳です。

10年ぶりくらいに古本屋へ行きました。
古本というのは、買っても著者にロイヤリティが入らないため、小説界を応援する身であれば購入を避けるべきなのですが。古い作品ならばよいだろうということで、古本屋で司馬遼太郎の「最後の将軍」を買いました。

※しかし正月から、古本屋はお年寄りで賑わっていました。思えば110円で長い事時間の潰せる読書は、どんな趣味よりもコストパフォーマンスが圧倒的によく、お年寄りにとっては、手を出しやすい趣味になるのだろうなと想像します。1000円もあれば1ヶ月楽しめますからね。これが最近の700円とかする小説本では厳しい。ビジネス本でも1700円が基本になってきていますし、読書がどんどんお金持ちの道楽になってしまうようで、私はちょっと危機感を感じます。

さて、そんな長い前フリから『最後の将軍』の感想を書かせていただきます。思うにこれは、優秀なだけでは王にはなれないことを教えてくれる教科書でした。

すべてのリーダーはこれを読まなければ身を滅ぼします。そして、自分の思うままに生きればいいと言うインフルエンサーが、なんと罪深いことか。

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物語は最後の将軍徳川慶喜の人生

この物語は最後の将軍徳川慶喜の人生を書いたものです。

作品の中で慶喜は、恐ろしく聡明で、何でもできた要領の良い男として描かれています。

ですがそのことが、慶喜を破滅に導いていきます。

この本を読むだけで
・組織の中にいると、なぜ皆似たようなレベルに落ち着いてしまうのか。
・なぜ優秀な人が出世しないのか。
・自分の好きなことだけをして、気が赴くままに生きることがどれほど周囲を敵に回すのか。

そういったことがすべてわかる名著です。

優秀さ、圧倒的なコミュニケーション能力と信念。
これが欠けていては人はついてこないのでしょう。
物語書きは意識せずに書いていますが、同じレベルの人が同じ時代、要職についているということがいかに幸福なことなのか。そして話のわからない人間を何名か配置すると、一気に物語のリアリティが増すのだろうなと感じた次第です。

まとめになりますが、勉強になる一冊でした。いまでも日本はこんな感じなんじゃないかなあ。あなたの会社に慶喜みたいな方はおられませんか? はたまたあなたが慶喜になりかけていませんか? ぜひ本著を読んで考えてみてください。

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Posted by QTK