なぜなぜ分析(5-why)とは?|やり方・具体例・注意点をわかりやすく解説
「なぜミスが起きたのか?」——仕事で問題が発生したとき、一度は原因を考えますよね。でもたいていの場合、原因分析が浅いまま対策を打ってしまい、同じ問題が再発します。
この「浅い原因分析」を解消するフレームワークがなぜなぜ分析(5-why)です。トヨタ自動車の改善活動から生まれた手法で、「なぜ?」を繰り返すだけで問題の根本原因にたどり着けるシンプルかつ強力なツールです。
この記事では、なぜなぜ分析の意味・具体的なやり方・よくある失敗パターンまでをわかりやすく解説します。
なぜなぜ分析(5-why)の意味と由来
なぜなぜ分析(5-why)とは、ある問題に対して「なぜ?」を繰り返し問いかけることで、表面的な原因ではなく根本原因(真因)にたどり着く問題解決手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 別名 | 5-why分析、5つのなぜ、Why-Why分析 |
| 発祥 | トヨタ自動車の生産方式(TPS) |
| 提唱者 | 大野耐一氏(トヨタ生産方式の生みの親) |
| 目的 | 表面的な原因ではなく、根本原因を突き止める |
| 回数 | 5回が目安だが、固定ではない |
もともとはトヨタの生産現場で品質向上や再発防止のために使われてきた手法です。「Kaizen(改善)」とともに海外にも広まり、現在では製造業だけでなくIT・サービス業・個人の問題解決まで幅広く活用されています。
名前に「5」がついていますが、必ずしも5回繰り返す必要はありません。3回で根本原因にたどり着くこともあれば、7回必要な場合もあります。「これ以上深掘りできない」と感じたところが終点です。
なぜなぜ分析の具体的なやり方
ステップ1:問題を具体的に定義する
最初にやるべきことは、問題を曖昧にしないことです。
• 悪い例: 「最近うまくいかない」
• 良い例: 「先月のブログ更新が計画の半分(15記事中8記事)で止まった」
問題が曖昧だと「なぜ?」を繰り返しても答えが散らかってしまいます。「いつ・何が・どのくらい」を含む形で、問題をひとつの文にまとめてください。
ステップ2:「なぜ?」を繰り返す
定義した問題に対して「なぜ?」を問いかけ、回答に対してさらに「なぜ?」を繰り返します。
具体例:「先月のブログ更新が計画の半分で止まった」
| 回数 | なぜ? | 回答 |
|---|---|---|
| 1回目 | なぜ更新が止まった? | 書く時間が取れなかった |
| 2回目 | なぜ時間が取れなかった? | 帰宅後に疲れて手がつかなかった |
| 3回目 | なぜ帰宅後に疲れていた? | 残業が多く、帰宅が22時を超える日が週3回あった |
| 4回目 | なぜ残業が多かった? | 日中の会議が多く、実務が後ろ倒しになっていた |
| 5回目 | なぜ会議を減らせない? | 自分が出なくてもいい会議にも参加していた |
根本原因:不要な会議に参加し続けていたこと
最初の「時間がない」という表面的な原因で止まっていたら、「もっと頑張る」という精神論になってしまいますよね。5回深掘りしたことで「不要な会議を断る」という具体的な対策が見えてきました。
ステップ3:対策を立てて実行する
根本原因が特定できたら、その原因に対する具体的な対策を立てます。上の例なら「週の初めに会議一覧を確認し、自分が不要な会議を上長に相談して辞退する」といった対策が考えられるでしょう。
対策を立てるときは「自分がコントロールできる行動」に落とし込むのがポイントです。「会社の残業を減らす」は自分ではコントロールできませんが、「不要な会議を断る」は自分で実行できます。
なぜなぜ分析でやりがちな3つの失敗
シンプルな手法だからこそ、やり方を間違えやすいポイントがあります。
失敗1:「なぜ?」の答えが人の責任になっている
• NG: 「なぜミスが起きた?」→「Aさんが不注意だったから」
• OK: 「なぜミスが起きた?」→「チェックリストがなく、手順が属人化していたから」
人を責める方向に進むと、そこで分析が止まります。なぜなぜ分析の目的は犯人探しではなく仕組みの改善です。「なぜなら自分(または組織の仕組み)が〇〇だから」という形で答えるよう意識してみてください。
失敗2:途中で横道にそれる
問題が複数の要因を含んでいると、「なぜ?」を繰り返すうちに別の問題に飛んでしまうことがあります。
対策:1つの「なぜ?」に対して答えは1つに絞る。 複数の原因がある場合は、それぞれを別の分析として分けましょう。ロジックツリーと組み合わせると、複数の原因を整理しやすくなります。
失敗3:「なぜ?」が飛躍しすぎる
• 飛躍の例: 「なぜブログが書けない?」→「社会が悪い」
一気に大きな原因に飛ぶと、対策が打てなくなります。1回の「なぜ?」で掘る深さは1段階ずつ。論理的に「なぜなら〜だから」とつながる範囲に留めることが大切です。
なぜなぜ分析を使いこなすコツ
「行動」に焦点を当てる
なぜなぜ分析は、人の行動やプロセスの深掘りに向いています。逆に「なぜ雨が降るのか?」のような自然現象や、自分ではコントロールできない外部要因には向きません。
「なぜ〇〇したのか?」「なぜ〇〇しなかったのか?」という形で問いかけると、分析が進みやすくなりますよ。
書き出しながらやる
頭の中だけで「なぜ?」を回すと、途中で混乱します。紙やホワイトボード、あるいはシンプルなメモアプリでもよいので、1回ごとに書き出すことをおすすめします。
他のフレームワークと併用する
なぜなぜ分析は「深さ」を掘るツールです。「幅」を出したいときはロジックツリー、改善を回したいときはPDCAサイクル、現状と理想のギャップを把握したいときはAs Is / To Beと組み合わせるとさらに効果的です。
私自身、小説を書いていた頃に「なぜこのキャラの動機が書けないのか?」を5-whyで分析したことがあります。5回深掘りしたら「キャラの過去を設定していないから行動原理が定まらない」という根本原因が見つかりました。フレームワークは仕事にも創作にも使えるのだと実感した瞬間です。
まとめ——「なぜ?」を5回繰り返すだけで根本原因が見える
• なぜなぜ分析とは:「なぜ?」の問いかけを繰り返して根本原因を特定する手法
• やり方:問題を具体的に定義 → 「なぜ?」を繰り返す → 根本原因に対策を打つ
• 失敗を避けるコツ:人を責めない、横道にそれない、飛躍しない
• 使いこなすコツ:行動に焦点を当て、書き出しながら進める
シンプルな手法ですが、表面的な「時間がない」「やる気がない」で終わらせず、本当の原因にたどり着けるのが最大の強みです。仕事のトラブル対応にも、個人の目標が達成できないときにも、まずは紙に1行——「なぜ?」と書いてみてください。
どうですか、書ける気がしてきましたか?
もし悩むことがあったら、このブログに戻ってきてください。同じように初心者だった私が、基礎から応用まで気づいたことを書き綴っています。
さあ、今日も物語を書きましょう。あなたの傑作を待っています。
関連記事
• PDCAサイクルとは?|意味・具体例・回し方をわかりやすく解説
• ロジックツリーとは?|作り方・5つの種類・具体例をわかりやすく解説




