予想の外し方(面白い物語づくりの1つの方程式)

2019年9月17日

こんにちは。
杞優橙佳です。

前回は面白さとは何かについて
言葉の定義を引っ張り出しながら書きました。

その中で
・予想を外すこと
が面白さの1つの要素だという話をしました。

今回はより技術的な内容で、
予想を外す方法について書いていきます。

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予想を外すためにはまず予想させる

見出しが本質を一言で言い表しています。

結局の所、予想を外すための方法とは、
予想させること
これに尽きます。

読者が思い思いの予想をするから、
予想を外しづらい、のです。

予想通りであれば読者はあーやっぱりね
となり、興味を失ってしまうでしょう。
(もちろん予想通りであることを楽しむ人もいます)

だから作者は、読者が自分の思惑通りに
予想する
よう仕掛けなければなりません。

そして、最後の展開で読者の予想を外すのです。

こう書くと難しそうに思うかもしれませんが、
簡単なことです。

手順は2つ。
1.自分が結末で表現したいことをまず考える。
2.1.と逆の予想をするように読者を導く。

本当に最小限の文章でやってみましょう。

例えば僕が、結末で主人公を独裁者にしたいと
考えたとしましょう
(バッドエンドしか想像できませんね)。

そうしたら次に私は、
主人公に独裁者を恨ませるエピソードや、
民主的な政治こそが世界を変えるのだと
読者に思わせるエピソードを
書いていけばいいわけです。

そうしてラスボスに独裁者なんかを立てておいて、
このボスを主人公は民主主義で打倒するんだと
読者に思わせておく。

しかし最後の最後にどうしても民主主義では
ラスボスに勝てないことがわかり、
主人公は独裁者になってしまう。

これ、上手くかけたら面白そうじゃないですか?

※より技術的なことを言えば、
『どうしても民主主義ではラスボスに勝てない』
この辺の主人公が独裁者に堕ちていくギミックは
ロジカルで隙がないように作り込みたいですね。

主人公の考えが180度変わるのにはロジックが必要です。

いきなり突拍子もない変化があると、
人は面白いと感じる前に、
そんなのありえない!と
拒絶してしまいます。

だから読者の頭がついてこれるように、
変化の理由にはロジックをつけておくんです。

そうすると読者は最初、
心ではわからないけど、
頭ではわかったという状態になります。

そして、いずれ心も変化についてきたとき
面白かった!
と言ってくれるようになるでしょう。

これはタイトルでも使える技術

予想を外す面白いタイトルを付けたいときにも、
このテクニックは使えます。

ポイントは
予想を外すためにはまず予想させる
ことです。

例えば先程書いた主人公が独裁者になってしまう話。
タイトルを
『独裁国家のJK18歳』
なんかにすると面白くないですか?

『独裁国家の』
と書かれると、
ヒトラーやらスターリンやら、
昔のロシアとか中国みたいな
ザ男、硬い、閉塞感ってイメージを
ふくらませる方が多いと思います。

そのイメージに相対する、
JK18歳という言葉を入れると、
一気にタイトルの一貫性が失われて
面白くなるわけです。

もし、タイトルの付け方で悩んでいる方は
この方法も参考にしてみてくださいね。

面白いアイデアと常識は切り離せない

こう考えていくと、
面白いアイデアと常識は切り離せないものだと
実感しますね。

世間で使われている言葉が
どんな意味を帯びているか。

この感度が鋭い人は、
世間のイメージと反対の言葉をつなげて
面白いタイトルをつけたり、
世間のイメージどおりの主人公が、
最後にはイメージと離れた世界にいってしまう
面白い物語を書いたりできるわけです。

だから読者の予想を外す
というスキルは、
コミュニケーションスキルと
ニアリーイコールだったりしますね。

社会で面白いと思われる人は、
予想を外す面白い物語も書けることになるでしょうか。

では、社会で面白くない人は
物語が書けないのかというと、
そんなことはありません。

そうじゃなければ
ファンタジーなんて成立しません。

先程書いたのはあくまで、
世間で使われている言葉をそのまま使った場合のこと。

作家は文章で、
言葉に意味を付与することができます。

たとえ世間の思う女子高生の
常識に反している動きであっても、
読者が読み進める内に、
このキャラクターはこう動くはずだと
予想させればいいんです。

そして予想させた予想を外していくと、
読者はオモシロイと思ってくれるはずです。

予想を外すために作るべきキャラクター

最後に、読者の予想を外すために
こういうキャラクターがいると楽だよ
というのを2つ紹介します。

1つは
・常識はずれの力を持っている
もう1つは
・とんでもない馬鹿
です。

・常識はずれの力(頭脳、能力)を持っている
キャラクターを描くと、
読者の予想を超えた展開になっても、
この人超人だからで説明がついたりします。
キン肉マンの超人なんてその最たるものですね。

・とんでもない馬鹿
は常識では考えられない行動をとっても
馬鹿だからねえで説明がつきます。
ここは超人と同じですね。

ただ、馬鹿を書く場合は
世間の常識に対する感度を
高めておいたほうがいいですね。

※年功序列とか、上下関係しっかりするとか、最近であれば個人主義とか、拝金主義とか、そういう常識を押さえた上で馬鹿には逆の行動を取らせるのが大事です(実力主義とか、部下を大事にするとか、家族を大事にするとか、お金を捨てるとかね)。

世間の常識がわかっていないと、
そもそも他のキャラクターの行動が
おかしいよね?となり、それが鼻について
馬鹿の行動が引き立たなくなります。

気をつけましょうね。

ところで以前こんなエントリーを書きました。

ボトムアップで物語を作る際には、
・常識はずれの力を持っている
・とんでもない馬鹿
を採用してみるのも面白いと思います。

ジャンプ黄金世代の漫画なんか、
常識はずれの力を持っているキャラクターが
大多数ですよね。

それだけ常識はずれの力を持っているキャラクターの
物語牽引力っていうのは凄いんですよ。

私の書く物語も、
・常識はずれの力を持っている
キャラクターが出てくるものが多くあります。

そういうことね、
と物語制作の参考にしていただければ幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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